[KEEN] 非売品PYRENEES ピレニーズ
最近やたら流行ってきたKEENなんで取り上げてみた
一般で売ってない特別なピレニーズだ
4年ほど前に中古で購入した時、City派に無理やりリペアし、登山家が聞くと邪道と怒られそうな仕様変更だが、KEENと言うメーカーは昔からキッチリ作り込み、履き心地は最高クラス どう言えば納得出来るか・・
履いてみるしか良さは分らないが履いてみると履くこと、歩く事が楽しくなる、ワクワクしてくる
アシックスなども履きやすい部類だがあくまで履きやすい領域を超えられず機能を満たすレベルで
KEENの高額シリーズは、その機能を超越し履くことに楽しみさえ見つける、いや思い知る
そんなブーツがKEENなのだ
まずKEENの高額(2万以上)の革ブーツは基本的に最高クラスの革を使用している、特にこのピレニーズは最高クラスのヌバックを使っており通常登山靴のオイル仕様にしておくにはCity派の私からすれば非常にもったいない存在で、ヌバックの美しさを
普通に再現してみた
登山靴ってのは基本ヌバック革でそれは上級革を、わざわざ毛羽立たせ衝撃を吸収受け流す目的で、いわゆる虎やクマなどの毛と同じ役割を持たすように特別に加工した革でスエードとは別格で一ランク上である、
下のようにオイルを抜くと指でなぞれば毛足のあることが分かる この毛足は手入れをすれば黄金の草原のようになりスエードではとても出せない美しさを持った加工革である
ただそのままでは水や菌などを吸収し不潔さを増し病気、腐敗などを誘発する為、ヌバック革の毛羽隙間を
オイルで満たし堅牢さを増した登山仕様になっている
しかしながら新品でこの状態・・・聞こえよく言えば年期の入った、悪く言えば小汚い、一般的な印象だが
このオイルが登山靴の意味であり価値である、四季の変化や過酷な自然から命を守ってくれる大事な事で
登山家はわざわざこのオイルを塗り込み手入れをする
おまけに私が買った中古ピレニーズは履きこんでおり、1山ほど登った時点でサイズが合わないのか売り出された品
結構見た目が汚いんで中々売れず9800円で私が買った物だ、この外見はオイルの色で中はほとんど新品状態
おまけに登山靴なんでソールパターンも岩場やラフ地用なんで、濡れた路面など都会の側溝の鉄蓋や
マンホール、タイル、大理石などの階段などの突起のない平場ではスケート靴のようによく滑り、何回か転倒した事もあるが
今のピレニーズの靴底は多少ギザが施され滑り止め対応なんてのもある、まあ滑ればやすりでギザをつけてやればよい
さて 同じ条件で手にしてる人も正月の親戚回りにゃちょいと履いていけないスゴさなんで気負いするが
実は絹のような美しさがある事を知れば、マジで手入れして見ようかと思うだろう
これ位なら正月に余裕で履いていける、いや・・いい靴だねとまで褒められるだろう
とても同じ靴とは思えないだろう
さて登山靴のオイルの抜き方だが、そんなに難しくない
染めQリムーバー(ソフト)で洗い流す、併用して染めQクリーナーを使えば効果的
【楽天市場】染めQ リムーバー ソフト [100ml] 本革・ビニール・金属・塗装・落とす・剥離:paint PRO (rakuten.co.jp)
まあジャバジャバやるのではなく、布にたっぷりしみこませ押すようになじませ、
下記の生ゴムブラシと硬めブラシで汚れを落とす要領でひたすらこする、色は染色されているが染めQクリーナーは染色剤と
同じ成分なんで、本来の革の地が出てくる、ほぼ同じ色合いのはずで、本来の色より少々薄くなってくる
そこでヌバック専用の栄養剤入り染色スプレーを吹きながら、生ゴムブラシでガシガシこする
ヌバック革の基本手入れは生ゴムブラシが必須でゴムを減らしながら色やごみを粘着させ、消しゴムのカスのように
取り除きたい物がこそげ落ちていく、かなりの重労働で真冬でも全身汗まみれになるが、その分黄金の輝きが増す
シートって名のボトルはゴム部分の補修用でバイクのシート艶出し剤で、これが一番よく光るし持ちもよくなる
下記の汚れは1年分の靴底汚れのズリあとで、登山でこのままだと腐ったり菌が繁殖したりするので防止にオイルを塗る訳だ
ヌバック本来の革状態になり、名山など登らず、近場の里山程度で満足するならヌバック生地のままで汚したいだけ汚し
下記のように色補修栄養剤スプレーを吹きながら生ゴムブラシで何度かこすれば綺麗に落ちる
防水機能は落ちるが、ヌバック専用の防水スプレーもあるので、そんな大きな差はない
ヌバック革は一般的印象は「繊細」のように思われがちだが、革の中ではワニ革に次ぐ堅牢さで、相当頑丈で普通の革より傷に強いと知っておいた方が良い、また染めQでオイル抜きをすると革は倍以上柔らかくなる ゆえに26.5の3Eサイズの足でも、26のピレニーズが吸い付くように伸び包んでくれる
また革ってヤツは生き物で手入れと言うより栄養補給が大事でヌバック革は特にその効用が表に出てくる
色んな動画を見るが、水や洗剤でガシガシ洗うのは好ましくない、出来ればぬるま湯で雑汚れを落とし
ストーブで時間をかけ徐々に乾燥させながら栄養補修スプレーを吹いてやりながら、生ゴムブラシでこすれば
黄金の草原はたやすく手に入る、私が使うヌバック専用スプレーはコレ
スエードとヌバックは似たようで全く別物 スエードの方がヌバックより弱いし柔らかく傷つきやすい
栄養剤などは基本同じだがスエードは優しく、ヌバックはガシガシOK
ゆえに半端な生ゴムブラシでは汚れは落ちないのでこちらでガシガシいった方がいい
最後にもう一度言うが 革は生き物 手入れすれば100年持つ その手入れの極意は「栄養」
人がシャンプーするように洗ってドライヤーで乾かせば、髪は長く持つか?いやガサガサで抜けるだろう
その為にリンスをし栄養を補給して初めてツヤツヤな髪になる リンスの代わりに工業油でも天ぷら油でも良いが
栄養バランスを考えれば誰もが髪専用のリンスを使うだろう 革の手入れも全く同じである
革ってヤツは手間を掛ければ掛けるほど、それに答えてくれる
コイツももう4年以上 私の足になってくれている
他の章にも色々ブーツを載せてるが、コイツが一番の相棒である
履きやすい、よくシナリ、よく伸び、歩く事に楽しさを与えてくれる
楽しさとは構造であり、工夫であり、技術である
その結果 歩く事の楽しさを知る事が出来るのだ
KEENが人気なのは、その楽しさが味わえるからである
市販のピレニーズもおすすめだが この非売品ピレニーズは
貴方だけの相棒になり、答えてくれるであろう
ただし 古いバージョンは、濡れた路面でよく滑るので
出来れば新品の「滑り防止」加工済みを購入する事をお勧めする