やにわに玄関先がうるさい。
時計を見たらまだ午前3時半だ。
その元は、犬である。
恐らく、小便を我慢しているのだと思い、散歩に連れていこうと玄関に行く。
玄関は明かりを消しており暗い。
手探りでリードをはめ、ビーチサンダルの左足用に足を通した。
濡れている。
目眩がした。我慢できずに玄関で用を足していた。しかも、ビーチサンダルを巻き添えに。
小便で濡れた左足の爪先を立てて床につかないように変な歩き方をして、風呂場に行き足を洗う。
頭は寝起きということもあり茫然としている。
再度、玄関へ。雪駄に履き替えて散歩に出る。軽くその辺を一周し戻る。
玄関に洗剤をまき散らしデッキブラシで磨く。
真夜中だ。
辺りは静まり返っている。何をしているのだ。
虚しくなる。
犬はバツが悪そうにこっちを見ている。
気にするな。それが飼い主というものだ。
しかし、夜の静寂にデッキブラシのシャッシャッという音が響く。
だいぶ、頭が冴えてきた。
とはいえ、こんな中途半端な時間に起きてどうしろというのだ。
季節は秋だ。もはやTシャツは寒い。
眼が冴えてしまったので、書斎に行き執筆することにした。
CD棚から一枚取り出してこれを聴くことにした。
Wyolicaが2001年にリリースしたセカンドアルバム『Almost Blues』だ。
男女2人組のユニット、Wyolica(ワイヨリカ)。
1999年に大沢伸一がプロデュースしてデビュー。
個人的に、ヴォーカルのAzumiの雰囲気が好きで一時期このアルバムを良く聴いていた。
2013年に一度解散したが、2019年に再結成している。
このアルバムは琴線に触れるスウィートな楽曲が多い。
プロデューサーには大沢伸一以外に、アシュリー・イングラム、藤本和則、田中義人、福富幸宏らが担当している。
ベースを基調とした変調の多い気怠い雰囲気の楽曲が心地よい一枚だ。
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