Mops /『2001 millennium+1 Best』 | ongaku:キョウノイチマイby『飄逸庵』

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気づいたら日付が変わっていた。

一日の殆どを寝て過ごした。

尋常じゃない睡魔。まだ、寝れそうだ。

今日(日にち的には昨日だが)は、5:00頃に犬に起こされ散歩に連れていって、犬の為に鶏の胸肉を焼いて薬を混ぜてやったことは覚えている。

その後の記憶が曖昧だ。

そうだ、歯科クリニックに抜歯後の消毒に行った。

その帰りスーパーで鶏の胸肉と弁当を買って帰った。

恐らくその後はたまに目を覚ますがほとんど寝ていたのではないか。

夕方にまた犬の為に鶏の胸肉を焼いて薬を混ぜて食べさせた。

サッカーの試合を見ようと思っていた。

気づいたらサッカーは終わっていて、チュニジアに負けていた。

その後、犬の散歩に行き戻ってきて、そこから記憶が曖昧というか、恐らく寝ていて起きたのが今なのだろう。

0:05。

冷たい水をコップに一杯注ぎ飲んだ。

晩飯を食べた記憶はないが、お腹は空いていないというか、食欲がないので煙草を吸って、寝室のオーディオの再生ボタンを押す。

プリンスが流れた。

恐らく20時間以上寝ている。

「疲れた」

ここ数日、別に疲れることもしていないが、思わず口に出た言葉がそれだった。

沢山寝たからか、頭が軽くなった気がする。

まだ寝れる。

 

そして寝た。愛犬の吠える声で起きた。

丁度、午前6時。

 

散歩に連れて行き、餌をやる。

自分の朝食を摂り、書斎に入る。なんだか時間がねじれているような錯覚を覚える。

そして、この一枚を聴いている。

 

モップスの2001年にリリースされたベスト盤『2001 millennium+1 BEST』だ。

 

鈴木ヒロミツが亡くなってどれくらい経っただろうか。

僕の世代では彼はワイドショーのコメンテーターや、『戦国自衛隊』などで活躍していた役者のイメージだった。

 

そんな彼が、ミュージシャンとして偉大な存在だと知ったのは二十歳頃のことだ。

知り合いのミュージシャン、城谷佳範氏の家に遊びに行った時だ。

 

氏の家でかかっていたのがモップスだった。

「これ誰の曲ですか?」と聞いたら「モップスやで」と返ってきた。

「カッコいいっすね」と返答したら「鈴木ヒロミツっておるやろ。あの人がおったバンドやねん。このヴォーカルがそうやねん」と教えてもらった。

この瞬間から鈴木ヒロミツのイメージが変わった。

 

深掘りしていったら、モップスの凄さが拡大していった。

 

日本のサイケデリック・ロックの草分け的存在だという事を知り、中古レコード屋でレコードを数枚買った。

 

鈴木ヒロミツがリスペクトしているエリック・バードン(アニマルズ)に影響を受けてブルース・ロックを基調としたバンドとして60年代後半に頭角を現した。当時のミュージックシーンはGSが盛んであったが、その中でモップスは異質な存在だった。

他のGSグループがアイドル路線で行く中、彼らはジャズ喫茶や米軍キャンプでのライヴ活動を主とした。

格好も、他のGSはユニフォームが統一されているのがほとんどだったが、モップスはヒッピーに影響を受けており、各人様々な格好だった。

 

本版はそんな彼らの代表する曲を集めたベスト盤だ。

 

吉田拓郎が手掛けて彼らの代表曲でもある「たどり着いたらいつも雨降り」、アニマルズのカヴァー「朝日のあたる家」、井上陽水の名曲「傘がない」のカヴァー、ユニークな楽曲「月光仮面」など、振り幅の広いサイケデリック・サウンドが展開されている。

 

日本のロックの源流のひとつに、このモップスはあるのは間違いない。

 

 

 

 

 

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