団子が好きだ。
というか、基本的にモチモチしているものが好きなのだが、その中でも団子は一際好きなのだ。
団子というと『だんご三兄弟』にあるように3つの団子が串刺しになっているものが連想されるが、意外と『だんご三兄弟』はなく、4個刺しが多い。
今日は、別れて暮らす元家族が再集結の日で、「団子買いに行こう」と開口一番に元妻に言われ、住む町唯一の団子屋に行く。
ショーケースの中には20種類位の団子が並んでいる。
ここの団子はちゃんと『だんご三兄弟』になっていて、1個あたりの大きさが4個刺しより大きくて満足できるものだ。
ただ、ここの大将がただならぬオーラを発している。
愛想がない。
職人気質なのだろう。そうだ、職人はこうだ。愛想なんて振りまかない。注文を聞く姿に物凄い圧力を感じる。
愛想がない。
注文をしたものをお盆に乗せていく、その所作がせっかちさを漂わせている。怒っているのだろうか?
不安になる。
わたしと元妻が「きびだんご」を注文したのだが、娘が注文をしなかったことが気になったのか、「いいの?きびだんごふたつで」とたたみこんでくる。
元妻は怯んで慌てて「大丈夫です」と答える。
淡々と箱に詰める大将。
なんとなくピーンと張り詰めた空気が漂う。
3つ頼んだ方が良かったのか。
いや、娘は他のが食べたいのだ。ちゃんとそれぞれ希望するものを頼んでいる。
職人とはそういうものだ。そういう職人をお目にかかることも減った。もう一度言う。
職人とはそういうものだ。
そんな昼間の事を想いだし、帰宅した今書斎でこの記事を書いている。
かかっている音楽はこの一枚だ。
モンド・グロッソが2000年にソニー・ミュージックに移籍して初のアルバムでグループとしては4枚目のアルバム『MG4』だ。
この前に紹介した『Marble』と比べ、より洗練されクラブ・ミュージックの雰囲気が深掘りされている。
このアルバムはモンド・グロッソとして一番セールスされた作品だ。それはこのアルバムにも収録されている『LIFE feat. bird』によるところが大きい。全日空のCMで使用された楽曲だ。
全世界25ヶ国で発売された。
bird以外にもMonday満ちるやタニア・マリア、エヂ・モッタ等が参加している。
当時のクラブ・ミュージックの金字塔といっていい一枚だ。
何曲かは、若干2ステップぽい音の使い方をしているが、テンポが速くないので落ち着いたアンビエント・ハウスに仕上がっている。
それにしても、birdが歌う『LIFE』は完璧だ。全部日本語詞なのだが、お洒落感半端ない。22年前の曲とは思えない(というか、もうそんなに経ったのか!)。
今日、梅雨入りしたのだが、雨の匂いが似合う一曲だ。
団子残しておけばよかったな。
この曲を聴きながら食べると気持ちよかっただろうなと思う。
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