Bonnie Pink /『Bonnie’s Kitchen』 | ongaku:キョウノイチマイby『飄逸庵』

ongaku:キョウノイチマイby『飄逸庵』

音楽は『目に見えないインテリア』。
音楽は『耳から入れる薬」。
音楽マイスター「おと虫」の、音楽処方箋。
*紹介している商品は、画像をクリックするとameba picsで購入もできます。
音楽療法と心理学をブレンドしてあなたの心の浄化をサポートします。

午前5時前。

風景がまだ淡いブルーの時間帯。愛犬に散歩に連れていけと起こされる。

仕方なしに散歩に出る。

 

眠い。

 

昨夜早くに寝たがそれでもこの時間は眠いのだ。

愛犬はテンションが高い。

田舎なので、通りには人影もない。

車も走っていない。

家の灯りがついているのも数件だ。

 

眠い。

 

家に帰宅し、犬に薬と餌をやり、自分の朝食の準備をする。冷蔵庫を見ると卵とハムがあったので、ハムエッグを作って食べる。

薬を飲んで一旦寝室に戻る。

 

眠れない。

 

テレビをつけても大したことやってないだろう。

だから、音楽を聴きながら目を閉じる。

困った。

 

眠れない。

 

書斎に入って仕事をしてもいいが、この時間から今執筆している仕事はヘビーすぎる。調子が悪いとPTSDによるフラッシュバックする可能性がある。

本を読むことにした。

面白い。

困った。

 

眠れない。

 

仕方なく書斎に移ってこの盤を聴きながら、この記事を書いている。

 

Bonnie Pinkの1999年にリリースしたベストアルバム『Bonnie’s Kitchen』。

 

Bonnie Pinkは、わたしと同じ歳という事もあり、何となくデビュー時から気になっているアーティストだった。

その要因の一つに彼女のプロデューサ達が、魅力的な面子だったのがある。

 

カーディガンズ等をプロデュースしてスウェディッシュ・ポップブームを生み出したトーレ・ヨハンソンや、エルビス・コステロ等をミッチェル・フルームを起用している。

 

その中でも、トーレ・ヨハンソンがプロデュースした『Heaven’s Kitchen』は30万枚のセールスをたたき出し、英語詩が売れない日本のジンクスを打ち破った。

彼女の作詞の仕方がそもそも変わっていて、英語で先に歌詞を書いて、それを日本語になおして作るというものだったが、英語詩のデモテープをトーレ・ヨハンソンが聴いて「いいじゃないか!」と言ってくれたことで、堂々と英語の詩を書くようになった。

 

彼女は6歳の頃にピアノをはじめ、小学校で合唱団に入る。

 

洋楽を幼いころから聴く環境があったのは兄の影響だそうだ。

高校時代からバンド組んでいてヴォーカルを担当。

プロになったいきさつがユニークで、大学時代に自由に使える部室が欲しいというだけの理由で体裁上、音楽と映画を研究するサークルを立ち上げたのはいいが、文化祭で学校側に活動内容を発表しなくてはいけなくなり、仕方なく女性メンバーだけでバンドを組んで発表したところ噂が友人を介し事務所に伝わって女性ヴォーカリストだけを集めたコンピレーションアルバムに参加することになった。彼女はその事を「大学時代の思い出になればいい」くらいに思っていたそうだ。しかし、そのまま事務所にソロデビューを勧められデビューが決まった。

 

本盤は、『Heven’sKitchen』をはじめ、初期の彼女の楽曲を選りすぐったベスト盤。

トーレ・ヨハンソンがプロデュースした曲が大半を占め、バラエティーに富んだテイストを楽しめる。

 

個人的に好きな曲が『Surprise!』なのだが、木村カエラと似たものを感じさせる。

もちろん、木村カエラの方が後輩なので彼女がもしかしたら影響を受けているのかもしれない。

 

11曲目に収められている彼女のデビューシングル『オレンジ』は、彼女が好きなアーティスト、レニー・クラヴィッツの影響を感じさせてくれる。

2017年に子供を出産してからその後の動向は解らないが、また素晴らしい音楽を聴かせてくれる日が来るだろう。