ホフ・ディラン /『31st Century Rocks』 | ongaku:キョウノイチマイby『飄逸庵』

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ふとした時に訪れる衝動。

誰しもなんらかあるのではないか。

 

『大声で叫ぶ』。

 

抑圧されたものを解放したい時などに現れる衝動だ。

小声で呟いてもなんの効果も現れないときは大声で叫ぶ事がいいのだが、よくわからないのが叫び方だ。

恐らく一般的に「うぉー」とか、「わぁー」が多いのではないか。

 

そこが山なら『やっほー』だろう。

 

山登りと言えば「やっほー」がセットだ。

なかなか恥ずかしい。

しかし、『大声で叫ぶ衝動』は抑えることは出来ない。

何せ、山なのだ。

これが渋谷のスクランブル交差点ならどうだ。

「あいつ危ないぞ」

と、思われるのが関の山だ。

人口密度の高い場所で『大声で叫ぶ』のは危険だ。

ふさわしくない。

 

しかし、衝動は不意に訪れる。

 

一体どうすればいいのだ。

 

山に住む。

 

確かに衝動が襲ってきたら庭に出て「やっほー」といつでも言い放題だ。

 

海辺に住む。

 

これも、気持ちよさそうだ。

海に向かって言うのだ。

「バカヤロー」

これは、どういう事だ。

 

海と言えば「バカヤロー」が定番だ。ストレスが溜まっているとはいえいきなり「バカヤロー」は無いのではないか。

まぁ、山の「やっほー」もよくわからないが、文句ではないだろう。

何故か海だと「バカヤロー」なのか。

沈みゆく夕日に向かって言うのだ。

 

「バカヤロー」

 

ストレス解消されるのだろうか。いや、されるだろう。『大声で叫ぶ』衝動はストレス解消したい時だ。

そう考えたら海だ。

山は生ぬるい。そこにあるのは「やっほー」という、よくわからない音が能天気さを感じさせる。

海に行きたい。

何となくそんな気分だ。

 

そんな気分に回ってきた今日の一枚がこれだ。

 

ホフ・ディランの2001年にリリースされた4枚目のアルバム『31st Century Rocks』だ。

 

なんとなくビートルズを彷彿させるサウンドがこのアルバムの特徴だ。

翌年には活動休止を発表(2006年に活動再開)したわけだが、この盤は日本コロンビアに移籍して初めての作品。

てっきり、さらに飛躍していくと思っていただけに活動休止は驚いた。

 

ノリのいいロックサウンドに、フロウ感のあるグルーヴ、レゲエや沖縄のフレイヴァ―を散りばめていてバラエティにとんだ作品だ。

 

セールス的には芳しくなかったが、良質な丁寧な楽曲づくりをしている。

残念なのは小宮山色が強くなって、ワタナベイビーの影が薄くなっている。

 

そういう事もあっての2002年の活動休止に繋がったのではないだろうか。

 

ホフ・ディランのファンの間では評価の高い作品であることは間違いない。

 

聴きながら新たに気づいたのだが、割とどの曲でイントロのギターの使い方がレニー・クラヴィッツっぽい。

頂けないのはTokyo No.1 Soul Setのビッケを思わせるラップ。

あの手の下手くそなラップというのは聴いている者を恥ずかしい気分にさせる。

 

まあ、その点を差し引いて星四つというところだろうか。

前向きになる曲が多いので今日のような『大声で叫びたい』衝動に駆られている時は気分が明るくなる。

 

 

 

 

 

 

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