朝ほど『眠気』を如実に感じることは無い。
しかし、起きないというのは『死』を意味する。
ダラダラ起きれば、いささか『眠気』は緩和されるのかもしれないけど、そういう訳にもいかない。
何故ならば、飼い犬だ。
マーキング。
ヤツは必ずやる。起きると必ず1箇所やっている。
朝6時までに起きるとそれで済む。
そこから1時間遅くなると2箇所に増える。
逆に5時に起きればこちらの勝ちだが、中々難しい。
真剣勝負だ。
しかし、今日は1箇所で済んだが、カーテンにしている。
目の前が真っ白になる。
ちくしょう。
成犬でも、トイレトレーニングできないものだろうか。
そういうわけで、カーテンを洗濯してる間、仕事をしようと書斎に入る。
そして、聴いているのはコレだ。
フリッパーズ・ギターの『シングルス』だ。
正直、わたしはフリッパーズ・ギターをはじめ”渋谷系”アーティストの熱心なファンではない。
マスコミでも取り上げられた一つのムーヴメントだったわけだが、当時「だからなんだ」という気持ちでいた。
フリッパーズ・ギターというと小山田圭吾と小沢健二のデュオとしてのイメージが強いが元々は、小山田圭吾とキーボードの井上由紀子で作ったバンド「Pee Wee 60's」が母体となっている。
この二人以外のメンバーが脱退したことでバンド名を「ロリポップ・ソニック」へ改名。それが1987年のことだ。
主にライブハウスでの活動がメインだったが、吉田秀作(ベース)が加入。荒川康伸(ドラムス)が加入し最後に加入したのが「オザケン」こと小沢健二だった。メジャーデビューする際に、バンド名を「フリッパーズ・ギター」に改名。
それが、1989年のことで、その後、井上、吉田、荒川が脱退し、小山田圭吾と小沢健二のデュオ体制になる。解散したのが1991年なのでヒット曲の割には活動期間は短い。
本作はバンド解散後の翌年に出されたベスト盤になる。
こうして時代の変遷が聴けるベスト盤を聴くとその時代の特徴的なトラック・メイキングをしている。
僕がフリッパーズ・ギターに深く傾倒しなかった理由として小沢健二の声が苦手だというのがある。決していい声ではない。
小山田圭吾にしろ小沢健二にしろ、音楽環境は小さい頃から身近だったエリートなわけだが、解散後の活躍は大きく差が出たように思う。小山田は『コーネリアス』というソロユニットとして、小沢健二はソロ活動と袂を分かつわけだが、初めのうちは小沢健二の方がメインストリームでヒット曲を連発して注目を浴びた。それに対し、自分のサウンドを模索するような活動をしてきた小山田の方が息の長い活動をしている。小山田の活動を後押ししたのは坂本龍一との活動があると思う。
解散後はフリッパーズ・ギターを引きずったような楽曲が多かったが、坂本龍一との活動が盛んになるにつれ余計なものをそぎ落とした独特な音楽を作るようになっていった。
しかし、あの”渋谷系”という現象は今振り返ると結構恥ずかしいムーブメントだった気がする。
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