Booker Little : Out Front | ongaku:キョウノイチマイby『飄逸庵』

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どうもおと虫です。

 

今日も、私のライブラリーの中から珠玉の一枚を紹介していこうと思います。

 

今日ご紹介するのはコチラ。

1961年に録音され、キャンディドからリリースされた、ブッカー・リトルの名盤「Out Front」です。

 

Out Front

 

ブッカー・リトルは地味ではありますが、非常に独自の音楽理論を持ったアルチザン的トランぺッターであり作曲家でもあります。

 

芸術肌で、音楽以外にも絵画をたしなみ、芸術がどうあるべきかと考え作品を作り上げていくアーティストです。なので、決して技術をひけらかしたりするようなアーティストではなく、内的に聴き手の琴線に触れてくるような情緒的な作品が特徴です。

 

若くしてこの世を去ったため、残した作品は数多くありませんが、どれもオリジナリティーに富んでいます。

 

本作は実に重厚な作品で、それぞれのプレイヤーが自分の持ち味を充分に力を発揮しています。その中でも、特質すべきなのはリトルを見出したといってもいい、マックス・ローチ、と、本作の隠し味のようなプレイでこの作品に深みを出している、エリック・ドルフィーの存在です。

ローチはこの作品でもたくさんのアイデアを提案しています。例えば、ドラム以外にティンパニーやヴィブラフォンを使用していますが、これもローチから出た提案で、実際効果的に使われていて楽曲に奥行きを感じさせてくれます。

ドルフィーは一見すると個性をなくしそうなところを独特のフレージングで聴くものを集中させてくれます。

この作品を聴くといつも絵画を見ているような気分になるのですが、とりわけモディリアーニの絵が頭に浮かんできます。他のジャズ作品とは伝わり方が違う作品です。

今日はこの中から「A New Day」をご紹介します。リリースされた当時、ジャズ評論家のナット・ヘントフはこのように語っています。

「『ア・ニュー・デイ』はしなやかで魅力的なファンファーレにも似たオープニング・メロディー始まる。アンサンブル・パートを抜けるととローン本とフルートによる低い音色が続く。そこに、ブッカーがこれから迎える自由な音楽の時代を見据えた演奏を披露する。マックス・ローチが」ひとりでパーカッションを同時演奏して、ブッカーが奏でるメインメロディーに呼応する場面もある。ここで再び加わるアート・デイヴィスのベースにも力強く歯切れのよい独創性が光る。また、同様ロン・カーターも参加してこれらの曲を引き立てている。」

このアルバムを作るきっかけにもなった人物ナット・ヘントフだけに熱い思いがライナーノーツから感じてきます。

この重厚な楽曲を是非ご自身の耳でお聴きください。ジャズという名のポエトリーがそこにあるのが解ると思います。

 

https://youtu.be/0sDtGEtjQW4

 

そして、あなたのご意見・ご感想を是非お聞かせください。

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最後までご覧いただきありがとうございました。

また次回お会いしましょう。