どうも、おと虫です。
心地よい気候になってまいりましたが、いまいちパッとしない春に悶々としている人も多いのではないでしょうか?
そんな時は、心地よい音楽を聴くことをお勧めします。
それが、このプログラム「きょうの一枚、そのなかの一曲」。
本日取り上げる一枚はコチラ。
|
Bill Evans Trioの「Sunday At The Village Vanguard」です。
1961年6月25日にライヴ録音され、リバーサイドからリリースされた名盤です。
この日時と場所というと、Bill Evans Trioの最高傑作である、「ワルツ・フォー・デビー」を思い出す人も多いでしょう。
そうです。「ワルツ・フォー・デビー」と同日録音されたもう一つのVillage Vanguardライヴ盤になります。
「ワルツ・フォー・デビー」は人気投票で常にトップに君臨していますが、それは、恐らくビル・エヴァンスのリリシズム溢れるピアノ演奏と、楽曲からくる部分が大きいと思います。しかし、通の間ではこちらの方が評判が高かったりします。
と、いうのもこの作品はピアノ・トリオの歴史を書き換えたライヴと言われているからなんですね。
従来ならばピアノ主導型の演奏になるのが、ピアノトリオの定石なんですが、この作品ではメンバー全員のインタープレイへの変換させているんです。特に、ベースのスコット・ラファロとの掛け合いは筆舌に語りがたい、スリリングなプレイが楽しめます。
まさに、現代のピアノトリオ演奏の原型がこのライヴにはあります。
この中で「アリス・イン・ワンダーランド」は、「ワルツ・フォー・デビー」的雰囲気を出しているように聞こえますが、ラファロはガッツリ攻めています。こういった、インタープレイがジャズの醍醐味だと改めて感じさせてくれる一枚です。