安倍政権が発足して丸7年が経ち、戦後最長政権となったわけですが、国民からの熱烈な支持が根底にあるかというと、疑念を感じざるを得ません。政府は大幅な落ち込みなしに持続的な回復を続ける戦後最長の景気を声高々と讃えていますが、果たして本当にそうでしょうか?
政府の根拠としているのは、2012年11月を底に「景気は回復し、戦後最長の景気拡大」ということらしいですが、景気動向指数は後退を意味する「悪化」が続いているのが現状であります。
その裏付けとなるのが景気の山と谷を表すヒストリカルDIですが、2018年11月から50%を下回っているんですね。
という事は、2018年11月が天辺でそこからは1年以上下降しているわけです。政府発表の景気動向指数は前回から1年半しないと発表されないので2020年の半ばごろの発表になると思いますが、もし、劇的な回復が見られない場合、長期政権の核といってきた「戦後最大の景気拡大」は幻想だったということになります。
事実、景気回復という部分において企業の収支決算に基づくものが含まれているわけですが、大企業やその経営陣の売り上げ所得は増加傾向にあるわけですが、下請けである中小企業や一般社員の売り上げや所得というものは大きな変動がないわけで、そこが消費率が上がってこない要因になっているんだと思います。儲けがあっても内部留保し、従業員へ還元が出来ていない実態があるわけです。
そして、昨日のニュースで騒がせた衆議院、秋元司容疑者の収賄容疑事件による逮捕によって、いまだに政治と金の問題が露呈したわけですが、政治家としての資質としては非常にレベルが低く、この程度の議員が政権において重職を務めているのかと驚いた次第でありました。
問題になっているIR事業は安倍政権にとって経済活性化の「起爆剤」と銘打って取り組んできた首相肝いりの施策であります。
先ほども言いましたが、来年の景気動向指数の発表までに劇的な回復が見込めない場合は、この政権にとって赤信号がともりかねないわけですが、その「起爆剤」このような形になってしまったので、今までの「幻想」が表面化する確率が非常に高くなったといえます。
そもそも、この長期政権ができた要因というのを、我々もしっかり解って考え直さなければいけません。
小選挙区制に変わったことにより、乱立する野党と自民党という構図になっているわけで、これでは自民党議員の当選率が上がるのは当然なんですね。
そして、未だに組織票によって当確が左右される選挙だという事です。
高度成長期の「終身雇用」「年功序列」という社会システムの時は、組織票は多くの有権者に有益だったかもしれませんが、「終身雇用」「年功序列」が崩壊し、これから「少子化」「年金問題」「後期高齢者」の医療費の問題という「自己責任時代」に突入した今の時代に、このような旧態依然な選挙でいいのかという事を我々一人一人が考え直さなくてはいけない時期が来ているのではないでしょうか。
「かんぽ問題」をはじめ、様々な組織の不備が露呈し始めた今。
そして、世界規模で働き方をはじめライフスタイルが大きな変化を見せ始めた今。
今までの常識が非常識になる日が来る前に、一人一人がどういう未来を描くかが今必要なことだとつくづく感じました。
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