1993年、上京して初めての冬。
今は無き、六本木のWAVEにて、僕はこの作品と出会った。
それから、永きに渡って僕の疲れ荒んだ気持ちをリラックスさせてくれてきた愛聴盤だ。
この作品が20年以上経った今でも少しも色褪せない魅力を聴かせてくれるのはトゥーツの音楽に対するコンセプトがそうさせているのだと思う。
「本物の音楽とは技術や計算で出来るものではない。一番大事なのは自分の奥底から湧き上がってくる感情なんだ」と、彼は色々なインタビューで答えている。
そんな彼だから名だたるミュージシャンが彼を尊敬し、影響を受けていったのだろう。
そんな愛される彼でなければこの作品は生まれていない。
この作品のタイトル通り、トゥーツを敬愛するブラジルのミュージシャン達とトゥーツのセッションが収められている。
その面子を紹介しよう。
イヴァン・リンス、オスカー・カストロ・ネヴィス、ミルトン・ナシメント、ジルベルト・ジル、カエターノ・ヴェローソ、テオ・リマ、ジョアン・ボスコ、ジャバン、ルイス・ボンファ、ドリ・カイミ、イリアーヌ・イリヌス、リー・リトナー、マーク・アイシャム、デイヴ・グルーシン。
曲ごとにゲストを1人ないし2人と『音楽』というコミニケーションを聴かせてくれる。
ほんとこの作品は処方箋的には疲れや気持ちが収められている荒んでいるときにリフレッシュをさせてくれる1枚。
コーヒーもしくはハーブティーと一緒に。
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