マディ・ウォーターズ、ハウリン・ウルフ。
ブルース・ファンからすればシカゴ・ブルースの神の様な存在であるところは多くの人が認める所ではないだろうか。
そんな二人のセッションを1枚に閉じ込めた本作。
マディ・セッションは1969年、ウルフ・セッションは1970年で残念ながら二人が共演したものではないのだが、それぞれのセッションでバックを務めているミュージシャン達が失禁しかねない面子なのだ。
まずトラック1~6のマディ・セッションの面子だが、ピアノにオーティス・スパン、ギターにマイケル・ブルームフィールド、ブルースハープにポール・バターフィールド、ベースにドナルド・ダック・ダン、ドラムスにサム・レイ。
どうだろうか、この時点で沸き起こる興奮を抑えるのが大変ではないだろうか。それでは、トラック7~13の面子を見てみよう。
ギターにエリック・クラプトン、ヒューバート・サムリン、キーボードにスティーヴ・ウィンウッド、ベースにビル・ワイマン(シェイカーズとカウベルも)、ドラムスにチャーリー・ワッツ、ピアノにイアン・スチュアート(6人目のストーンズとして伝説のミュージシャン)。
目眩がして倒れそうになるではないか。
しかも、10曲目の『Red Rooster』のリハでウルフがクラプトンにギター指導をしているやりとりが録音されているではないか!
最早、雄叫びを上げてしまいたくなる衝動に駆られるのをグッと抑え、思わず手を合わせ拝んで耳を傾けてしまうそんな1枚な訳です。
音楽史の中でマイルストーン的な演奏を是非一聴あれ。
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