寝台特急「北斗星」の深き沼 その20 | 夜汽車の汽笛への憧情

寝台特急「北斗星」の深き沼 その20

毎度ご覧いただきありがとうございます。

 

またまた北斗星シリーズです。

今回は久々に「その18」まで書いていたNゲージ「北斗星」の遊び方中級編の続きを書いてみようと思います。

ちなみに、前回記事は約2年前になりますが、こちらになります。よろしければご覧ください。

 

 

 

 

2.中級編その2

 

以前書いたとおり、Tomix製品では複数の編成が発売されており、とりあえずセットを買うだけでも様々な編成を組むことが可能です。

今回は発売が古く、入手がやや困難なセットの編成を紹介しましょう。

 

・98656/98657 JR24系25形特急寝台客車(北斗星3・4号・JR北海道仕様)セット

これはTomixが昨年早期に発売した編成で、1989〜1999年の北斗星3往復時代にJR東日本・JR北海道の両社で運行していた3・4号のうち、JR北海道担当の編成となります。このセットには「このためだけに用意された」車両が入っている上に、運行期間も10年間と長かったためかなり人気の高いセットで、発売後「蒸発」と言えるスピードで市場から消え去ってしまい、このセットのみに含まれていた車種は中古市場でも1両で最低6000円前後と入手困難なものとなっています。

編成はこんな感じです。

 

↑上野(上野-青森/函館-札幌)・函館(青森-函館)

  形式 車種 所属 Tomix品番 備考
1 オハネフ25 0 B寝台 JR北海道 98656 テールライト付
2 オハネ24 500 B寝台 98657  
3 オハネ25 B寝台 98657  
4 オハネ24 500 B寝台 98657  
5 オハネフ24 500 B寝台 98657 テールライトなし
6 オハ25 551 ロビーカー 98656 特定ナンバー車
7 スシ24 508 食堂車 98656 特定ナンバー車
8 オロネ25 500 ツインDX 98657 502または503
9 オロハネ25 550 ロイヤル・ソロ 98657 556〜
10 オロハネ25 550 ロイヤル・デュエット 98656 551〜553
11 オハネフ24 500 B寝台 98656 テールライトなし
カニ24 501 電源車 98656 特定ナンバー車
↓札幌(上野-青森/函館-札幌)・青森(青森-函館)
 
「苗穂工場の匠謹製」の珍車がたんまり入っており、上でも書いたとおり瞬殺だった製品です。
1号車のオハネフ25 0はTomixの北斗星としては初めて幌枠が電車形の細いものになった製品です。内容はほとんど昨年発売された98676のものと同じだと思われます。
2〜4号車はB寝台車が3両続きますが、オハネ14 500から改造された北海道名物?のオハネ24 500が2両とオハネ25 0が1両の構成です。オフィシャルの組成例では上の表の様になっていますが、おそらく順不同でお好みに合わせて組ませることができると思います。なお、このオハネ24 500はオハネ25形と定員が違うため、原則的に1・2号には使用されなかったと思われます。ちなみに2往復化後は「はまなす」で使用されて14系に連結されており「なんで24形になったんだろう?」状態になってますw
5号車と11号車には珍車中の珍車、オハネ14 500から改造されたオハネフ24 500が入っています。10系のオハネフ12形を彷彿させる改造内容で車掌室がデッキより内側にあり、24系でありながら旧客テイストを感じさせる逸品となってます。中古市場でもかなり人気が高く、オークションでは必ずと言っていいほど6000円近くまで値段が跳ね上がりますw
ちなみに、実車はJRマーク付きが501、JRマークなし502となっており、ナンバーを付ける際は注意が必要です。この車両も2往復化以降は主に「はまなす」に使用されていましたが、JR東との混成となった1往復化後、2011年頃からオハネ24 500と共にオハネフ25と共通運用ながら「北斗星」に復帰しています。
6号車は特定ナンバー車で、JR北海道唯一の全室ロビーカー、オハ25 551です。これも模型では中古市場では最低でも10000円位する「石油王御用達」車両となってしまっていますw
7号車は一見普通のスシ24形ですが、たった一両しかいなかった「アルコン帯」で、508番の特定ナンバー車となっています。
8号車はツインDX車両としては「普通」なオロネ25 500ですが、モデルは0番台改造の大窓車で、ナンバーは502,503の限定です。JR北海道車のツインDX車としては最多勢力のはずなのですが、Tomixではなぜかこのセットにしか含まれておらず、やはりオークションで石油王価格となってしまっています。
9号車はオロハネ25形550番台の中でもロイヤル・ソロの一応555〜558ということになりますが、555番のみ五稜郭工場改造車で屋根形状が微妙に異なるのでタイプから外れます。556〜558はエンブレムの位置が微妙に異なりますが、模型は「どれにも一致しない」姿となっているので、お好みに合わせて選ぶのがいいと思います。(ただし、556はエンブレムの位置が「一番似ていない」ので、557か558にするのがいいかもしれません。)
10号車はこのセットでは唯一、他のTomixの「北斗星」に含まれているオロハネ25形550番台の中でも多数派のオハネ25形改造の551〜553になります。このセットに入ってる車両の帯は通常の金帯3本です。(実はノーマル帯のオロハネ25 550はこのセットでしかなく貴重ではあるのですが・・・・。)メジャー車ゆえか、このセットの中ではこの車両だけ中古値段が低めです。なお、細かくはトイレ窓が埋められる前の姿なので、比較的古い年代の姿ということになっています。また、時期は不明ですが553は後にいわゆる「アルコン帯」となっているため、ナンバーをつける際は551か552にした方が無難かと思います。
電源車はマイクロスカート付き、501番の特定ナンバー車です。カニ24 500には初期車からの改造車は結構いるのですが、この車以外はマイクロスカートが撤去されていました。やはり中古価格は石油王専用になってますw
それにしてもTomixさん、「その19」の最後でも書きましたがこのセット再生産してくれないんですかね。中古市場で高値安定=需要に対して枯渇していることを意味しているわけで、絶対売れると思うんですがw
多分自分は絶対買いますwww
 
 
さて、この時代の機関車はどうかというと・・・・
 
形式 区間 備考
EF81 上野-青森  
ED79 青森-函館  
DD51x2 函館-札幌 重連

 

上野-青森はEF81です。北斗星色の他にいわゆる「レインボー塗装」が使用できます。Hゴムはこの時代は主に白ですが、最晩年(1998年頃)から黒色化が始まっているので、黒色も使用できます。田端唯一の庇付きの133号機は1994年に転属してきており使用することができます。カシオペア塗装は登場前なのでリアルさを求める際は注意が必要です。

青函トンネル区間のED79と北海道区間のDD51については前回記事と同じです。

 
今回も、もう一個紹介します。
 
 

 
・98267/98268 JR 24系25形特急寝台客車(北斗星・JR東日本仕様)基本セット・増結セット
こちらは1989年の3往復化に伴う追加配備から1往復化(2008年)前までの編成を組むためのセットになります。同時発売の単品を組み合わせて1編成揃えるスタイルとなっています。
発売から少し月日が経っているためやや入手は難しいです。
今年発売された「98704 基本セットB」に対する「基本セットA」に相当する内容で、「常識的」なJR東日本仕様の「北斗星」を組むことができます。
該当年代も長く、経年に伴う形態変化も少なかったので広く使える製品と言って良いでしょう。
スタンダードな編成の割には再生産がなく、今となっては入手困難になりつつあるようです。
 
↑上野(上野-青森/函館-札幌)・函館(青森-函館)
  形式 車種 所属 Tomix品番 備考
1 オハネフ25 200 B寝台 JR東日本 98267 テールライト付
2 オハネ25 B寝台 9530/9532 0番台または100番台
3 オハネ25 B寝台 9530/9532 0番台または100番台。
欠車することあり
4 オハネ25 B寝台 9530/9532 0番台または100番台。
欠車することあり
5 オハネフ25 B寝台 9529/9531 0番台または200番台
6 オハ25 500 ロビーカー 98267 501〜503
7 スシ24 500 食堂車 98267 505〜507
8 オロネ25 500 ツインDX 98268 504〜506
9 オロハネ25 500 ロイヤル・ソロ 98268  
10 オロハネ24 550 ロイヤル・デュエット 98268  
11 オハネフ25 B寝台 9529/9531 0番台または200番台
カニ24 500 電源車 98267 504〜507
↓札幌(上野-青森/函館-札幌)・青森(青森-函館)
 
JR東日本の「メジャー編成」となっており、ほぼ特定ナンバーもなく、それゆえナンバー付けには悩むことになるかもしれませんw
 
1号車のオハネフ25はセット付属の200番台で、Hゴムは多数派の白色になっています。判っている範囲では、212,215,217,219が白ゴムです。ただし、219は非常口跡に水切りが残っており、モデルと異なっているので気にする方は参考にしてください。215は1往復化後も残存しており、使い勝手が良いと思われます。
 
 
2〜4号車は同時発売のバラ単品を揃える形になります。0番台と100番台が混用されていたので、お好みに合わせて揃えると良いでしょう。なお、旧製品となる9520,9522も利用可能です。今回発売のバラ単品は白Hゴム、旧製品は黒ゴムになります。実際には白ゴム車がほとんどだったようで、入手可能なら今回製品を入手した方が良いでしょう。なお、3・4号車は欠車となることも多く、この2両を抜いた編成を組んでもリアルと言えます。
5・11号車のオハネフ25はバラ単品の0番台または200番台を使用します。こちらもお好みに合わせて利用しましょう。旧製品の9519,9521も使用できます。オハネ25形同様今回製品は白ゴムとなっていて、旧製品は黒ゴムです。1号車のところで書いたとおり、0番台は黒ゴム車が多数派で、白ゴムにする場合は9〜11のいずれかの番号となります。200番台は白ゴムは1号車で書いたとおり。213,214,221が黒ゴムのようです。
なお、この記事を当初書いていた2020年現在ではバラ単品もかなり在庫があったのですが、2023年3月現在では市場から枯渇しておりちょっと入手が困難になってしまいました。
6号車のロビーカーはオハ25 501〜503です。ただし模型は方向幕のHゴムが黒になっていますが、実車は501,502が黒、503が白だったのでこだわる方は注意してください。ちなみに、自分はあえて臨時化後にも使える503にしましたが、追々Hゴムを灰色に塗ろうと考えております。
7号車の食堂車は多数派のスシ24 505〜507となります。尾久車のなかで504だけは異なりますのでご注意ください。
8号車のツインDXは普通のオロネ25 500です。東日本ナンバーの504〜506のいずれも使用可能ですが、製品の方向幕のHゴムは白、実車は506のみ方向幕のHゴムが黒だった様です。
9号車のロイヤル・ソロ、10号車のロイヤル・デュエットは、いずれも多数派のオロハネ25 500とオロハネ24 550です。どちらもいずれのナンバーも使えます。
電源車はJR東日本の「常識的」なカニ24で、504〜509のいずれかとなりますが、508はJRマークの位置が下寄りについており、厳密には504〜507・509となります。
なお、裏技的ですが「北斗星混成編成セット」(92397,92398/92564)とバラ単品または、「さよなら北斗星セット」とオハネ・オハネフの単品を組み合わせることによってこの編成を実現することも可能です。(といっても、単品もすでに市場から枯渇してしまってますが・・・・)
なお、2〜4号車及び6号車以降は前回紹介の98704や「夢空間セット」の92792と組み合わせることで、色々な編成を組むことが可能となります。この辺りについては上級編で書いていこうと思います。
 
さて、この時代の機関車はどうかというと・・・・
 
形式 区間 備考
EF81 上野-青森  
ED79 青森-函館  
DD51x2 函館-札幌 重連

 

上に書いたJR北海道編成と被りますが、上野-青森はEF81です。北斗星色の他にいわゆる「レインボー塗装」の95号機、1999年以降の「カシオペア」色、いずれも使用可能です。Hゴムは1998年頃から2000年頃にかけて黒色化しているので、再現したい年代に合わせて用意すると良いでしょう。Tomixからは両方とも製品化されています。KATOからも最近発売されていますが、カプラーに加工することで連結可能です。その他、1994年に加入した庇付きの133号機も使用できる他、時折ピンチヒッターとして登場した庇付きで赤一色の青森の機関車も使用すると面白いと思います。
ED79についてはシングルアームパンタ化される前のものとなります。この記事を書いた当初はED79自体が市場から枯渇気味でちょっと入手は難しくなっていましたが、2022年5月に品番7149でズバリHゴムグレー仕様のものが製品化されました。結構市場から消えるのが早かったようですが、よく探せばかろうじて新品在庫があるようです。
KATOからも2021年に再生産があり現在も在庫が潤沢にあるようですが、残念ながらシングルアームパンタ仕様となります。ちなみにパンタがシングルアーム化されるのは2010年以降となるので、使用する場合は根性でパンタを交換するか、「模型だから」と割り切って使用する形になるでしょうw
 
DD51は1989年当時は塗装変更途上でしたが、概ね青色の重連となります。Hゴムは当初白でしたが、2002年頃から順次黒色化されたようです。Tomix製品を選ぶ場合、無線アンテナがユーザ取り付けとなるため、ナンバーによって取り付け位置が異なるのを再現するのも面白いかもしれません。比較的最近再生産したので、入手は容易だと思われます。一応、貨物所属機での代走もたまにあったようなので、一般色を使うことも可能です。
少し先ですが今年秋に新たな北斗星セット発売と共にリニューアル生産が行われるようですので、そちらを狙ってみるのもいいと思います。TomixのDD51は造形に定評がありますからね!次回製品は1000番台後期車ということで、従来製品と屋根上のベンチレータ配置も変更されるようです。2006年頃がプロトタイプとのことでHゴムは黒になるようです。もちろんモーターはスローの効くM-13になります。
KATO製品もカプラー加工の上使えます。再生産(2023年1月)から日が浅く市場在庫に潤沢にあり、製品自体も綺麗で、造形も申し分なしです(自分も持ってます)。かつてKATO製のDD51はキャブの窓は細長く変な感じですが、最近の製品(7008-F)では修正されていい感じの顔つきになっています。簡単な加工で十分に使えますので、こちらも検討してみてはいかがでしょうか。
 
 
 
 
だいぶ長くなってしまったのでとりあえず今回はここまで。
次回投稿は・・・新規入線モノもだいぶ増えているのでそちらの紹介になるか、これの続きにするか、まだ決めていませんw
 
シリーズとしての次回は中級編の続きとなります。