我が家の車両紹介 国鉄マロネ29形(二重屋根車) | 夜汽車の汽笛への憧情

我が家の車両紹介 国鉄マロネ29形(二重屋根車)

はてさて、今回も似たような客車が続きますが御容赦くださいw

相変わらずの二重屋根・三軸台車・リベット付きの厳つい客車でございます。


今回の客車はマロネ29 31です。

昭和6年登場の二等寝台車ですが、溶接技術の導入により縦リベットが減ってこれまでの客車よりスッキリした外観になりました。
小窓がバランス良く並ぶスハ32系の仲間です。

さて、歴史に入る前にマロネ29形について軽く解説すると、戦前製の解放式二等寝台車を、戦後に一纏めにした形式です。
その生い立ちは様々ですが、短期間に消滅したものを除くと大きく3つに分かれます。
・オハ31系グループで旧マロネ37300形の0番台。
・スハ32系二重屋根グループで、旧マロネ37350形の20番台。
・スハ32系丸屋根グループで、旧マロネ37400形の100番台
となっていて、いずれもツーリスト式寝台を備える解放式寝台車です。

今回はこの車両が含まれるスハ32系二重屋根グループについて書いて歴史を追ってみようと思います。

マロネ29 31は昭和4年登場のマロネ37350形の一員として生まれた車両で、昭和6年製造の最終増備車です。
マロネ37350形自体は縦リベット付きの車両で登場しましたが、昭和6年に溶接技術が導入され、最後の2両が縦リベットを大幅に減らした姿となりました。
この際にトイレ・洗面所の位置も見直され、縦リベットグループとは室内レイアウトが微妙に異なる車両となりましたが、ナンバーは続き番号で37397、37398となりました。
さて、マロネ37350形は戦前製二等寝台車の中核を担っており、夜行普通列車から特別急行列車まで幅広く使用されました。
昭和16年の称号改正によりマロネ37形にまとめられ、ナンバーは旧31系の続番である44~92となります。
さて、戦争が始まると定員の少ない二等寝台車は不要不急とされ、大部分が座席車に改造されました。また、戦災により廃車となったものもあり、終戦時に寝台車として残っていたのはラストナンバーのマロネ37 92を含む僅か6両だけでした。
座席車となった車両は結局寝台車に復帰する事もなく去って行きましたが、残った6両は優等車両の例に漏れず進駐軍に接収されました。
昭和27年頃から徐々に返還されますが、返還後は東海道本線や東京~九州間の夜行急行に使用されて存在感を示していました。
昭和28年の称号改正でマロネ29形に改称されます。この時、縦リベット車は20番台を名乗って21~25となりますがマロネ37 92は室内レイアウトが異なるためか31番と番号が飛び、1両1区分番台のマロネ29形30番台となりました。
その後もクラシックな外観ながら東京~九州間を闊歩していましたが、昭和34年に同じ二等寝台で冷房付きのオロネ10形が登場すると俄然見劣りし、二重屋根が保守性に劣ることも拍車をかけ、昭和36年頃までに20番台が定期運用を退き順次廃車に、残ったマロネ29 31も名古屋~熊本間の急行「天草」を最後の花道として、昭和38年10月に運用離脱。そのまま廃車となりマロネ29形の二重屋根グループが全滅しました。



さて、改めて車両を見ていきましょう。
二重屋根+縦リベットのない溶接車体という組み合わせは昭和6年製の客車のみに存在する特徴で、ちょうど技術的に過渡期にあることを思わせます。
ちなみに同じ鉄道省でも同年代の電車は既に丸屋根を導入しており、電車に比べて客車の設計部署が保守的であったことを物語っています。


こちらは反対側。
二枚組みの小窓がバランス良く並ぶなかなか美しい姿です。台車は三軸のペンシルベニア形のTR73で、寝台車らしく乗り心地が配慮されています。
今の寝台車は高い丸屋根なので、そのイメージで行くとぱっと見で寝台車に見えないですねw

模型はキングスホビーのキットを組んだもので、製品はズバリマロネ29 31。特定ナンバーです。
九州急行のみならず、急行「十和田」にも使用した昭和30年頃の姿をモデルにしています。ちなみに、昭和32年頃に九州へ転属して九州急行専任になるのですが、その頃にドアが交換されて木製ながら高窓のドアになって、イメージが少し変わりました。


室内はこんな感じ。昼間はいわゆるロングシートになるツーリスト式。戦前はこれが標準的な寝台でした。
一見ヘボそうに見えますが、なかなかどうして、寝台使用時の写真を見ると、ニス塗りの壁とカーテンの組み合わせで落ち着いた雰囲気です。
夜間は窓上に跳ね上げてある船底形寝台が降りてきて二段式になります。上段寝台の寝心地はどんな感じだったのか興味深いところですね。


左手デッキ横は洗面所・トイレ・給仕室・喫煙室です。喫煙室と給仕室に座席がないのはただの手抜きですw
そのうちつけてあげましょうかね。




妻面です。
キングスのキットはリベット付きの厳つい妻板と、デッキ仕切りが標準で付いてます。
ツボを抑えた良いキットでした。




見事な二重屋根です。
実車に合わせてベンチレーターはオハ31系用のやや小型のものになってます。
キットには戦前の頃のやや大型のものも付属しており、キングスホビーの拘りを感じます。いゃあ、かえすがえすも廃業が残念です。

以上、古の寝台車、マロネ29 31でした。

似たような客車はまだまだ続きますw

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