術後の痛みと「怪物に出会った日」が交わる… | ボクシング&ロック野郎 higege91の夜明けはまだか?

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人生の曲がり角に遭遇したボクシング&ロック・マニアhigege91。暇を見つけてはホール通い。ああ、俺は戦っているか!? ああ、俺は俺の求める『俺』に近づいているのか!?


くぅぅ…

という痛みこそ、まだ、若干ありますが

術後の経過も悪くないし、退院したらその夜から働けそうな気もしてきました

あ、まぁ、一応、先生の話を は聞かにゃならんか

さて、でね




「怪物と出会った日」

井上尚弥と闘うということ

落合正範 著




入院してから読んでますが、その帯にある


〜これは令和版「敗れざるものたち」だ〜


という表記に納得であります



ノンフィクションの巨匠 沢木耕太郎さんの名著ですな


カシアス内藤さんにフォーカスした「クレイになれなかった男」はボクシング・ノンフィクションの極点のひとつでしょうなぁ


でね





巻頭を飾る 「佐野友樹」さんの話からして泣けます


当時、モンスターとの決戦、その生中継を観た記憶はもちろんありますが、ここまでの「背景」と「想い」が詰まっていた、という事実はもちろん知らなかったし、衝撃的でもありました


未読の方もいるだろうし、内容には触れないけども、ぐ…っときます


また


この落合さんの文体が柔らかくて、朴訥で、不純物をきれいに「濾過(ろか)」したような、わかりやすい透明感あるのよ


すぅ〜っと浸透してくる


でさ


入院が決まる前、惹かれてはいたけど読まずにいた…と僕は書いてました


その理由なんだけど


井上尚弥という「日本史上最高傑作のボクサー」の「拳跡」はまだ道半ばなんだから、ちょっと振り返るのは早すぎる


…という気持ちが強くて抵抗感があった、と


今でも、そんな気持ちがないわけではない


まぁ、早く読めば読んだだけ、「あの一戦」を反芻してたくさん味わい直せる…とは言わずもがな…なんだけども


さて


けども


井上尚弥選手自身が、もし、この本を熟読されたら…


こりゃ


さらに


もっともっと


とんでもなく


「強くなっちゃうじゃん」


と思いましたわ


確か、井上尚弥選手自身がこのノンフィクションにXで触れていた記憶あるから、読んでいるはず…とは思う


「敗者のグローブは、勝者のグローブより重い気がする」


…って、一節があるんだけど


なるほどなぁ


わかる気がする


ん〜


沁みる


でさ


最近、「夢の中」で井上尚弥選手とよく会うのよ


僕は「夢」は見るけど覚えていないたちなんだけど、わりと、モンスターに会った「夢」は覚えているのよ


そんで、「夢の中」の井上尚弥選手なんだけどさ


「超素っ気ない」


のよ



僕はいつも「怯えてビクビク」してるのよ


いやはや


これ、フロイト的なる「夢判断」ではどういう扱いになるのかねぇ⁇


こりゃ


僕はやっぱり「怪物」を恐れているってことなんかなぁ⁇


で、まだ読んでる途中なんだけど


この「怪物と出会った日」って、あくまで「モンスターと戦った側」から目線で描かれるから、その『実像』はフィルター越しという限界もあるわけ


「拳を合わせたものだけが感じたもの」…的なね


ただ


それは表現が物足りない…って意味じゃなくて、そこがまた「面白い」部分なんだって気もしてる


その「輪郭」を、かろうじて感じられる、という感覚がミステリアスで楽しい


あえて


「怪物そのもの」に飛び込まない…というアプローチは秀逸


モンスターの「実態」、その「破格」と「異端」がさらに研ぎ澄まされる


「怪物」は頭の中でぐんぐんと膨らんでゆく


…ってことで


読後の「感触」が、実に楽しみであります


御愛読感謝