【再考察】タパレスの「決死」とモンスターの「致死ギリギリ」を想う | ボクシング&ロック野郎 higege91の夜明けはまだか?

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人生の曲がり角に遭遇したボクシング&ロック・マニアhigege91。暇を見つけてはホール通い。ああ、俺は戦っているか!? ああ、俺は俺の求める『俺』に近づいているのか!?


あのさ

ちょっと、「時間差」で込み上げてきた「モンスター×ナイトメア」の感想を改めて書きたいんだ



2023 12 26 開催の


世界スーパーバンタム級4団体王座統一戦


井上「モンスター」尚弥

×

マーロン「ナイトメア」タパレス


なんだけどさ






観戦直後は流石のモンスターもナイトメアには手を焼いたな…的な感想を僕は抱いていたわけ


相手は二階級制覇チャンピオンだし、あの無敗のアフダマリエフを僅差とは言え破ったユニファイドよ


そりゃ、一筋縄ではいかんよ、と


「階級の壁」


とか


「パワーの限界」


とか、僕はそんな言葉こそ浮かばなかったけども、多少は「苦戦」の印象は残ってはいたのは確かだ


けど


先日も取り上げたけども


この試合直後のモンスターとナイトメアの記者会見時の表情を並べた写真を見てから、時間差で、なんとも言えない「慟哭」に襲われた…といいますか





これ、やっぱ、「異常事態」だと思う


ケロッとした「少年のような白面」と、まるで拷問でも受けたような「生傷だらけの壊面」…


これが「世界チャンピオン対決」直後の、両者の顔面だとは信じ難い…と


ここで、「新しい味わい」が浮かぶわけ


で、改めて動画ダイジェストを観る



ナイトメア、メチャクチャ頑張ってる、というか、「ガチ強い」わけよ


これまで、モンスターが苦戦したとされるのはバンタム級時代の ノニト・ドネアとの第1戦 と エマニュエル・ロドリゲスのR 1 のみ…だと僕は考えてますが




マーロン「ナイトメア」タパレスでありますが、ドネア1 に次いでもっとも「大善戦」しとる、と


ナイトメアは「ディフェンシブ過ぎた」とか言う批評を触れる度に、僕は違和感を感じたわけ


僕も戦前予想をするなら、開始早々から「玉砕覚悟」で「肉を斬らせて骨を断つ」的なる「のるかそるか」の「一か八か」戦術しかないし、ナイトメアはそうすべきだ、との考えをしていたんだけど


ナイトメアはそんな漠然とした「捨て身」に身を委ねることなく、わずか数センチ、いや、わずか数ミリの「極限的なる間合い」の中に飛び込み、身を置き、「死の予感」さえ漂う弾丸と大砲の暴風雨の渦中で「機を狙い」続けたのだ…という感覚がどんどん強くなって行ったのよ


ガーンッと倒されたら「終わり」


が、「決死を覚悟した諦めない戦い」を貫こうとするからこその「戦い方」であった…という気持ちで観戦し直すと、なんとも胸が熱くなってきたわけよ





また、その「決死のカウンター」は随所でモンスターの顎をかすめたし、大番狂せの予感をにわかに漂わせもした



「粘りに粘った」


というより


「万策尽きた」


のが、R10だったのだ、と


結果として、ただ「粉砕」されたように見えるけど、改めて観戦すると、実に感慨深く見えてくる




ナイトメアが繰り出した「決死の相打ち」の数々は、モンスターの歴戦の中においてもっとも「肉薄」したものの ひとつだったと思う


モンスターにとっての、前戦のスティーヴン・フルトン戦を僕は10回くらい観たけど、その楽しみ方は「モンスターの凄さ」を漠然と愛でる…というものだったんだけど


今回のマーロン・タパレス戦の「楽しみ方」って、ちょっと違う


ナイトメアの「決死の覚悟」であり、その死線上の「致死ギリギリ」の攻防にある…と感じてきたわけ


まさに「決死ダイヴ」よ


井上尚弥という、文字通りのモンスターの「底なし沼」への「決死ダイヴ」よ


再考察してみると、ドネアは第1戦において、そのモンスターの「致死ギリギリ」に真っ向から踏み込んで生き残ったが、第2戦ではそれを意識する前に叩き壊された


ロドリゲスはやるかやられるかの勝負して「致死ギリギリ」で憤死させられた


フルトンはその「致死ギリギリ」に片足だけ突っ込みながら遠距離から機を狙ったが、拿捕され粉砕された


で、ナイトメアは⁇


ジリジリと、ズブズブと、その「致死ギリギリ」に胸が浸かるまで「侵入」した…と言えまいか⁇


モンスターが「ぶっ倒されそうなタイミング」が随所にあったように僕には見えた


あの、カウンターの「右フック」に「右アッパーカット」が、あと数センチ深ければ…⁇ なんて妄想も膨らむ


けど


けど、もしかしたら


モンスターからしたら「全部 見切れてますから全く問題なしよ」…なのかもしれない


だって、なにしろ、あの「無傷の白面」だ


なんたる「ドラマチック」か⁈


だとしたら、なんたる「無慈悲」か⁈


この「圧差」とは、なんたる「異次元」か⁈


次の対戦候補にあがっている ネリもアフダマリエフも 恐らくモンスターには喰らいつけない


ナイトメア ほどの「決死」には及ばない…と僕には思えてきた


ネリは恐らくだけど、たぶん、早くギブアップしそうだ


アフダマリエフの方が「死地」に接近して来そうなオーラを感じるけど、ナイトメアが「肉薄」した「致死ギリギリ」までは辿り着けない気がする


マーロン「ナイトメア」タパレス は、かなり「モンスターの沼」に足を踏み入れたよ


そして、かなり思い切り「ぶち込んだ」よ


タイトルマッチの終わり方がちょっと「拍子抜け」に見えてしまったから印象的にナイトメアが「諦めた」ように見えてしまうかもしれないけど…


いや、ナイトメアは過去1番か2番、モンスターの「断首」に近づいた猛者…だったと思う


少なくともフルトンよりも「世紀の奇蹟に手を掛けた」と僕は思う


いやぁ


くるわ


このタイトルマッチは「時間差」で込み上げてくるわ


モンスターはまだ「限界突破」してない


「壊面」のタパレスを眺めながら、その「命懸け」と「無慈悲」「残酷」を肌身に感じる


「未来」が見えない


モンスターはどこまで行くのか…⁇


そして、タパレスがもう一度スーパーバンタム級の世界チャンピオンに返り咲いたら、とんでもなく魂が揺さぶられるだろうなぁ、と想像して、胸が熱くもなるのである


ちなみに


「致死ギリギリ」…とは僕の造語である


えっへん ^_^


御愛読感謝