2023 12 26 開催の
世界スーパーバンタム級4団体王座統一戦
井上「モンスター」尚弥
×
マーロン「ナイトメア」タパレス
なんだけどさ
観戦直後は流石のモンスターもナイトメアには手を焼いたな…的な感想を僕は抱いていたわけ
相手は二階級制覇チャンピオンだし、あの無敗のアフダマリエフを僅差とは言え破ったユニファイドよ
そりゃ、一筋縄ではいかんよ、と
「階級の壁」
とか
「パワーの限界」
とか、僕はそんな言葉こそ浮かばなかったけども、多少は「苦戦」の印象は残ってはいたのは確かだ
けど
先日も取り上げたけども
この試合直後のモンスターとナイトメアの記者会見時の表情を並べた写真を見てから、時間差で、なんとも言えない「慟哭」に襲われた…といいますか
これ、やっぱ、「異常事態」だと思う
ケロッとした「少年のような白面」と、まるで拷問でも受けたような「生傷だらけの壊面」…
これが「世界チャンピオン対決」直後の、両者の顔面だとは信じ難い…と
ここで、「新しい味わい」が浮かぶわけ
で、改めて動画ダイジェストを観る
ナイトメア、メチャクチャ頑張ってる、というか、「ガチ強い」わけよ
これまで、モンスターが苦戦したとされるのはバンタム級時代の ノニト・ドネアとの第1戦 と エマニュエル・ロドリゲスのR 1 のみ…だと僕は考えてますが
マーロン「ナイトメア」タパレスでありますが、ドネア1 に次いでもっとも「大善戦」しとる、と
ナイトメアは「ディフェンシブ過ぎた」とか言う批評を触れる度に、僕は違和感を感じたわけ
僕も戦前予想をするなら、開始早々から「玉砕覚悟」で「肉を斬らせて骨を断つ」的なる「のるかそるか」の「一か八か」戦術しかないし、ナイトメアはそうすべきだ、との考えをしていたんだけど
ナイトメアはそんな漠然とした「捨て身」に身を委ねることなく、わずか数センチ、いや、わずか数ミリの「極限的なる間合い」の中に飛び込み、身を置き、「死の予感」さえ漂う弾丸と大砲の暴風雨の渦中で「機を狙い」続けたのだ…という感覚がどんどん強くなって行ったのよ
ガーンッと倒されたら「終わり」
が、「決死を覚悟した諦めない戦い」を貫こうとするからこその「戦い方」であった…という気持ちで観戦し直すと、なんとも胸が熱くなってきたわけよ
また、その「決死のカウンター」は随所でモンスターの顎をかすめたし、大番狂せの予感をにわかに漂わせもした
が
「粘りに粘った」
というより
「万策尽きた」
のが、R10だったのだ、と
結果として、ただ「粉砕」されたように見えるけど、改めて観戦すると、実に感慨深く見えてくる
ナイトメアが繰り出した「決死の相打ち」の数々は、モンスターの歴戦の中においてもっとも「肉薄」したものの ひとつだったと思う
モンスターにとっての、前戦のスティーヴン・フルトン戦を僕は10回くらい観たけど、その楽しみ方は「モンスターの凄さ」を漠然と愛でる…というものだったんだけど
今回のマーロン・タパレス戦の「楽しみ方」って、ちょっと違う
ナイトメアの「決死の覚悟」であり、その死線上の「致死ギリギリ」の攻防にある…と感じてきたわけ
まさに「決死ダイヴ」よ
井上尚弥という、文字通りのモンスターの「底なし沼」への「決死ダイヴ」よ
再考察してみると、ドネアは第1戦において、そのモンスターの「致死ギリギリ」に真っ向から踏み込んで生き残ったが、第2戦ではそれを意識する前に叩き壊された
ロドリゲスはやるかやられるかの勝負して「致死ギリギリ」で憤死させられた
フルトンはその「致死ギリギリ」に片足だけ突っ込みながら遠距離から機を狙ったが、拿捕され粉砕された
で、ナイトメアは⁇
ジリジリと、ズブズブと、その「致死ギリギリ」に胸が浸かるまで「侵入」した…と言えまいか⁇
モンスターが「ぶっ倒されそうなタイミング」が随所にあったように僕には見えた
あの、カウンターの「右フック」に「右アッパーカット」が、あと数センチ深ければ…⁇ なんて妄想も膨らむ
けど
けど、もしかしたら
モンスターからしたら「全部 見切れてますから全く問題なしよ」…なのかもしれない
だって、なにしろ、あの「無傷の白面」だ
なんたる「ドラマチック」か⁈
だとしたら、なんたる「無慈悲」か⁈
この「圧差」とは、なんたる「異次元」か⁈
次の対戦候補にあがっている ネリもアフダマリエフも 恐らくモンスターには喰らいつけない
ナイトメア ほどの「決死」には及ばない…と僕には思えてきた
ネリは恐らくだけど、たぶん、早くギブアップしそうだ
アフダマリエフの方が「死地」に接近して来そうなオーラを感じるけど、ナイトメアが「肉薄」した「致死ギリギリ」までは辿り着けない気がする
マーロン「ナイトメア」タパレス は、かなり「モンスターの沼」に足を踏み入れたよ
そして、かなり思い切り「ぶち込んだ」よ
タイトルマッチの終わり方がちょっと「拍子抜け」に見えてしまったから印象的にナイトメアが「諦めた」ように見えてしまうかもしれないけど…
いや、ナイトメアは過去1番か2番、モンスターの「断首」に近づいた猛者…だったと思う
少なくともフルトンよりも「世紀の奇蹟に手を掛けた」と僕は思う
いやぁ
くるわ
このタイトルマッチは「時間差」で込み上げてくるわ
モンスターはまだ「限界突破」してない
「壊面」のタパレスを眺めながら、その「命懸け」と「無慈悲」「残酷」を肌身に感じる
「未来」が見えない
モンスターはどこまで行くのか…⁇
そして、タパレスがもう一度スーパーバンタム級の世界チャンピオンに返り咲いたら、とんでもなく魂が揺さぶられるだろうなぁ、と想像して、胸が熱くもなるのである
ちなみに
「致死ギリギリ」…とは僕の造語である
えっへん ^_^
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