身長で王者を大きく上回る久保は序盤から右ジャブで距離を取りつつ、攻めるときは左で攻めるボクシングを展開した。セルメニョの右スイングを警戒しながら、左を上下に打ち分けるあたりは落ち着いた試合運び。セルメニョは4回、ヒッティングで右目下をカットした。
前半戦は久保が優勢に試合を運び、セルメニョは徐々にボディも効いてきた印象だ。しかし7回終了間際、セルメニョのワンツーが決まって久保がダウン。ここはゴングに救われたが、挑戦者がこの試合初めて大きなピンチを迎えた。
久保はこのピンチをしのぐと冷静に立て直し、本来の距離を取ったボクシングを機能させ、セルメニョにダメージを与えていく。王者の右をもらうシーンもあるが、押しているのは久保だった。
迎えた11回、セルメニョは開始ゴングに応じず、そのまま棄権。久保陣営はわけがわからず最初はきょとんとしていたが、主審が久保のTKO勝利を宣言して歓喜に包まれた。
12勝9KOで無敗のままチャンピオンになった久保は「うれしいというより、今日勝ててほっとしている」と初々しいコメント。それでも戴冠早々にIBF王者の小國以載(角海老宝石)、WBC王者のレイ・バルガス(メキシコ)との対戦を希望するあたり、なかなか意欲的なチャンピオンの誕生だ。
なおWBAのS・バンタム級はスーパー王者にギジェルモ・リゴンドウ(キューバ)が君臨する。3度目の防衛に失敗したセルメニョは26勝15KO6敗1分1無効試合。
古豪セルメニョは大味なる右を振るい続けて…
7Rには久保選手は右を喰ってダウンっ
…が、これを凌いで復活
そして、接戦の状況から残り2ラウンド…という11ラウンド開始直後、なんとチャンピオンはコーナーから出ずにグローブを外し始めてしまい…
37歳セルメニョの鈍さと諦めの良さも納得いかないし(11R終了時点で2者が1ポイントチャンピオンリードだった)、久保選手の踏ん張りは見応えあったものの、しかし、WBAスーパーバンタム級にはスーパーチャンピオンとしてギジェルモ・リゴンドーが存在していることを勘案すると、第2タイトルの位置づけにもなってしまうし、少し両手放しで万歳三唱とはいかない気持ちが残るのは確かだ
まさに、WBAスーパーバンタム級の歴代チャンピオンに李列理さんがおいでになりましたが、時のチャンピオンであったプーンサワットを後楽園ホールで攻略した一戦と比較してしまうと、やはり、李さんが成し遂げた達成感には及ばなかったと断じるのは、厳しすぎる見方かもしれない…が、あえて申し上げれば、それが僕の本意であります
これはWBAという老舗団体の拝金主義の弊害であるとも言えますが、リゴンドーこそが真のチャンピオンであることは事実であり、その破格の強さも確かなのでどうにもしっくりこない
久保選手、記事にもありますが、バルガスや小國選手らの他団体世界チャンピオンの名前を挙げてさらなる精進を誓ったそうですが、それ以前に、スーパーチャンピオンであるリゴンドーの名前を挙げるべきではないか? とはついつい考えてしまう
第2チャンピオン(正規という名の第2王座)…などと呼ばれることはもちろん不本意でありましょう
ぜひ、反骨精神を発揮して奮起していただければ、と思います
一般的には文字通りの「世界チャンピオン」でありますが、我々ボクシング好きにとってはまだまだ「これからの世界チャンピオン」であることは間違いありません
敢えて、申し上げます
久保隼選手よ、おめでとうございます
本物の、真の世界チャンピオンに早くなってくださいっ‼
でも、テレビ中継に登場したお父さんの喜びようは最高でしたなぁ
ああいう姿は本当に感動的であります
久保選手、確かにそのサウスポースタイルと距離感はなかなかのものでありましたが、思い切りのよい一発を打ち込む勇気と力強さがこれからの課題かもしれませんねぇ
また、オーソドックスの右をまともに喰いすぎてましたので、これの対策も課題でありましょう
でも、今、戦たっから小國選手の鋭さに軍配が上がりそうな気がしますが、こんな僕のイメージを覆す進化を果たしてくださいませっ‼
ちょっと、喜びに水を差すような書き方になってしまいましたが、おめでとうございましたっ
でも、セルメニョのおっさん、もうちょっと期待してましたぜ~‼
御愛読感謝
つづく