ボクシング界において、もっとも古く権威あるはずであった老舗統括団体、WBAの没落ぶりに関係者もファンもかなり辟易している…
本来、世界チャンピオンとは各階級に一人だけ存在していればいいわけですが(そうでなくとも理想的なる世界で一人とは行かず、メジャー団体と呼ばれる統括団体はAも合わせて4つあり、チャンピオンも4名であるのが現状)、正規チャンピオンと銘打たれた冠を持っているボクサーが戴冠した直後になぜか「暫定王座」が設けられることが度々…
本来、正規(レギュラー)チャンピオンが怪我等により、戦列から離れざるを得ないような状況が発生した場合のみ設置されていたのが「暫定王座」でありますが、今はもう元気ハツラツなる正規チャンピオンが大活躍の階級であっても気がつけば「暫定王座」が設置されるのが当たり前のような状況になっていて、熱心なファンであっても「把握できない」のが現状であります…
なんだなんだ、「暫定王座」って次期挑戦者決定戦に勝利した選手に与えられる王座(!?)、あれれ、ベルトのデザインも正規チャンピオンと同じだし、あれれ、気がつけば暫定王座を防衛し続ける暫定チャンピオンもいるし、一向に統一されないし、なんじゃこれ…!? って現象が多発…
※WBCにおける「シルバー王座」なるタイトルもWBAにおける「暫定王座」と似た印象、ただし、日本選手がこれに絡むことがまだ少ない状況なのでマニアの間だけでしか語られていないのが現状…
つまり、この「暫定」の定義があやふやにして意味不明であり、ただ、WBAが承認料欲しさにタイトルを増やせるだけ増やせ、稼げるだけ稼げっ…!!! って感じで権威も糞もない、とにかく金だ、カネを出せばどうにでもしてやるぜっ…!!! なんて暴挙に出ているような印象になって実に久しい…
で、JBCはこのWBAが問答無用の承認料欲しさに設置しまくっているこの暫定王座を認めるべきではない…なんて気運が高まっている…という記事ですが、これに際どく該当しそうなのが前WBA世界スーパーウェルター級「暫定」チャンピオンの石田順裕選手ですが、まぁ、個人的には対戦相手や経緯は別にして一旦は承認してタイトルマッチを国内開催したのだからこれを遡って認めないってのだけは不実にあたるのではないか?と思いますが、それ以上に理解できないことがあるではないか…?
ズバリ、日本選手初となった3階級制覇達成となった、WBA世界バンタム級タイトルマッチ、その国内開催の過程と承認の経緯の方がまるで理解できない…
元WBA世界ライトフライ級、元WBC世界フライ級チャンピオンであった亀田興選手、いきなりWBAとの交渉がまとまってしまったからなのか、バンタムでは全く実績がなかったにも関わらず、スーパーフライから転級後、いきなりバンタム最上位になぜかランクイン、さらに、これまた引退状態から復帰したばかりの元スーパーフライ級世界チャンピオンの、老いたるムニョスを担ぎ出して正規王座決定戦を承認(…承認と言うか、『お膳立て』)しちゃったわけで、これには日本中の国内ボクシングファンが思わずズッコケましたね…
そうそう、連続7度防衛中であったモレノが「スーパーチャンピオン」に昇格して空位になった正規王座が争われたのでありますが、このモレノ自信が自分が「スーパーチャンピオン」になっちゃったことを知らなかったとかなんとか…って笑い話も聞こえてきました(笑い話ではない?マジ話!?)
いつだったか、元WBA世界フライ級チャンピオンの坂田選手がデンカオセーンにリベンジを果たすべく交渉を開始、実現が見えてきた局面でWBAは坂田選手が一旦スーパーフライに転級申請をしていたことを理由にこのタイトルマッチを承認せず、フライウェイトで一試合挟まなければダメ、なんて言い放ち、その隙に亀田大選手がデンカオセーンを破って世界王座を獲得してしまった…なんてこともありましたが、まぁ、亀田陣営の交渉戦術の妙もありますが、つまり、その階級で「最新の実績」を作れ!! と元チャンピオンであっても命令することもあれば、今回の亀田興選手の場合のように、いきなり転級承認後世界2位にさせて、さらに王座決定戦まで承認しちゃうんだからもうはっきり言って『腐っている』と言われても仕方が無い…
そうそう、当時フライ級世界ランカーだった亀田興選手がライトフライに転級、で、元ミニマム級暫定チャンピオンのランダエタがライトフライ級に転級してなぜか開催されたのがいつかの疑惑の判定となった「どんなもんじゃーい!!」なタイトルマッチ、WBA世界ライトフライ級タイトルマッチってのもなんだか変な経緯でしたよね…?
さてさて、で、上の写真見てもらえば解りますが、日本のファンにお馴染みの日本バンタム級チャンピオンの山中選手や、東洋太平洋バンタム級チャンピオンのツニャカオが下位ランクに顔を出していますが、どうですか? 亀田興選手よりもバンタムでの実績が希薄だと言えますでしょうか?
また、ぶっちゃけ、単純にどっちが「強い」と思いますか…?
はっきり言って、なんだこれ、一体、TBSや亀田プロはWBAにどれだけ「承認料」払ってんだよっ!!! 金さえ払えばランキングもタイトルも『お膳立てしまっせ』…って態度のWBAなんぞもう脱退しちまえよっ!!って過激な意見も実は多い…
で、JBCもあわてているのが本音だろうが、じゃぁ、なんで亀田興選手のタイトルマッチを承認したんだよっ!? ってなりはしまいか?
が、これとは別に難しい問題がある…
現在、WBAの世界チャンピオンは亀田興選手を除いて2名存在する…
スーパーフェザー級の内山選手に、スーパーバンタム級の李選手である…
この両名は実に痛快に、実に誠実に世界チャンピオンとして君臨しているので、この王座の価値まで自ら否定するわけには参りません…
ともかく、僕個人としては「暫定王座の意味と定義」以前に、WBAに漂うあらゆる不透明、あらゆる不信感をきちんと精査し、きちんと見解を開示していただかないことにはもうファンはついて行けない…という状況まで来ているのは確かだと感じてはいます…
また、懸念すべきは、立派に強豪チャンピオンを破って世界チャンピオンとして君臨している現チャンピオンたち、また、過去のチャンピオンたちにとっても、このままでは奇妙なる不名誉が伝染しかねないですね…
そういう意味では非常に危機的状況であります…
そして、最後に、ズバリ申し上げたいのは、JBCは今になってこんなことを言って、いかにも「常識人ぶって」議論しなくちゃ…なんて始めてますが、はっきり言って遅いっ!!!!
遅すぎだし、とぼけすぎ、だって、承認してきたじゃんっ、とぼけてスルーしてきたじゃんっ、なんだかんだ言って、亀田式さえ認めてきたじゃんっ…と感じざるを得ない。
もっとも、駄々をこねて権威厳守に固執し続けていたら、国内での世界タイトル開催もままならなくなってしまったかもしれず、これもいかがなものか?となっていたでしょうが、少なくとも、個人的にはこう考えます…
「暫定王座」の意味不明よりも、「WBA全体像」の意味不明の方がもっと重大じゃぁないんですか…?
こっちを議論された方がよろしいんじゃないでしょうか…?
と思いますです、はい…
御愛読感謝
つづく