<リング禍>高2が試合後意識不明… について  | ボクシング&ロック野郎 higege91の夜明けはまだか?

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<ボクシング>高2が試合後意識不明 鹿児島県高校総体で 毎日新聞


>鹿児島市で29日に行われた鹿児島県高校総合体育大会のボクシング競技で、県立鹿児島南高校2年の男子選手(16)が試合後に意識を失った。病院へ搬送され、開頭手術を受けたが、意識は戻っていないという。高校から市内のジムでボクシングを始め、今回が初めての公式戦だった。


…非常に残念な記事です。


プロボクシングにおいても、最近はこの「リング禍」に見舞われる選手たちが多い…


つい最近の出来事で言えば、今年3月21日に行われた日本ミニマム級王座決定戦での悲劇が浮かぶ…


チャンピオンの栄光を掴むために、限界を越えて打ち合ってしまったボクサーが見舞われる悲劇…


本当に胸が痛い…


しかし、ヘッドギアを着用する、アマチュアボクシングであっても、このような悲劇のニュースは度々耳にするのが現実であります…


また、今回のケースは、高校2年生の16歳の選手だそうで、ジュニア(15~18歳)の部は2分3Rでありますが、いわゆる「リング禍」というものの実態の見え辛さを改めて感じます…


それというのも、細かい打撃を頭部に「無数」に浴びると脳内出血が起る…という認識は恐らく適切ではない、あらゆる場面、あらゆる局面に、このような悲劇の可能性は存在している…と改めて感じます。


>第2ラウンドで相手の一方的な試合となり、レフェリーによるストップがかかった後、リング上で気を失った。レフェリーは「一方的になってきたので止めた。遅れたとは考えていない」と話しているという。ヘッドギアは着けており、試合前の検診でも異常は見られなかったという。


アマチュアボクシング…と聞いて、度々感じることがある。


それは体重制限の問題で、試合当日にその計量が行われるそうですが、このような大会形式のトーナメントであった場合、1回戦勝利した選手は、その翌日も試合が予定されるはずで、ようするに、この「お腹が減り続けた状態」で戦い続けなくてはならない…という現象が発生するわけですね…


今回の事故は2回戦目だそうで、ということは、その16歳のボクサーはその前日にも勝利をしている… 


実際にどうだったかはわかりませんが、かなりの減量を強いた状態で1回戦を勝ち上がり、試合をして多少のダメージを負いながら、さらに、まだまだ「空腹」を維持しなければ翌日の出場が叶わない…という現実は物凄く過酷である…とは前々から想像はしておりました。


しかし、ボクシングの本質・根底にこの「階級制度」があるので、こればかりは覆せるはずもない…


ただ、そのような「状態」で日々連戦していかなければならない…という現実を考えると、実際の試合中における直接打撃によるダメージだけが、その悲劇の原因であるとは考えられなくなってきます…


つまり、疲労と減量が彼に異常な過酷を強いた場合、本来の「反射神経」と「身体能力」は削り落とされてしまうわけで、そこで決定的な打撃を浴びた場合、その「パンチそのもの」以前に、このような悲劇の伏線が存在しているのではないか…?とは、ついつい考えてしまう事案であります…


ここに、ボクシングの切実と過酷があるのですが、しかし、このような事故に不幸にも遭われてしまったボクサーが、まだ16歳とは…


「プロボクサー」とは職業であり、それなりの『覚悟』があってこれに臨む…という前提がありますが、しかし、「16歳のアマチュアボクサー」に、このような『覚悟』と『自己責任』を背負わせるのは正しい…とは思えない。


では、責任の所在は何処にあるのか?


指導者か? 学校か? 大会主催者か?


すいません… 


僕には解りませんが、しかし、このような事故を防ぐための「議論と改善」を実施し、そして、「命」のために、関係者は尽くしていただきたい、と思います…


16歳の彼の、より早い回復を心より祈っております…