池原が新王者 日本バンタム級王座決定戦
ボクシングの日本バンタム級王座決定戦10回戦は11日、大阪市IMPホールで行われ、世界ボクシング評議会(WBC)同級6位の池原信遂(大阪帝拳)が日本同級3位の鳥海純(ワタナベ)を3-0の判定で下し、新王者となった。
積極的に前に出た池原は連打を的確に当て、打ち合いを優位に進めて中盤にポイントを重ねた。
以上記事抜粋
この2年、僕は鳥海選手の戦いを気にかけていた。
なぜだか、やたらと気になっていたのだ。
長谷川穂積に負けた試合が特に印象深いが、その後のOPBF戴冠、さらに陥落、その再起戦…と、生観戦してきた。
今回の記事を読む限り、世界ランカーでもある池原選手のプレッシャーの前に屈したようだが、本当に残念であった。
鳥海選手にまつわる記事で、いつだったか読んだものがある。
それはボクシングを始めたきっかけについてで、鳥海選手はこう答えていたのだ。
シャドーボクシングしている先輩の姿を見て、美しいと思ったから…
確か、そんなインタビューを目にしたことがある。
あ、思い出しました。
加茂佳子さんの『男たちの行方』という記事だ。
http://www.tic-box.com/doc-kamo/kamo-0503.html Talk is cheap 鳥海純編
シャドーボクシング…
それは非常に『思索的』で、『哲学的』なものに思えてならない。
例えコンマ数秒でも振りを鋭くする為に…
新しいコンビネーションを身体で覚える為に…
その試行錯誤は地味であてどないが、それを自分の人生に当てはめてみてはどうか?
例えコンマ数秒でも人生を充実させる為に…
新しい自分を生み出す為に…
鳥海選手のボクシングを始めたきっかけを読み知り、僕は彼のファンになったが、みなさんはお忘れではなかろうか?
僕は今にも踏み外しそうな自分に恐怖している。
あんなに『憧れていたもの』が嫌いになりそうだ。
少なくとも僕は『シャドーボクシング』をしていない。
昨日よりも明日を素晴らしくする為の自問自答…
自分の中で溢れ膨らんだ『混沌』との格闘…
よりシャープに、より的確に、より鋭い人生にするための鍛錬…
残念ながら鳥海選手は敗れてしまった。
関東圏なのでその戦いをテレビでさえ確認することが出来ない。
ただ、しかし、多くのことを考える『きっかけ』を与えてくれた鳥海選手には感謝しているのだ。
彼は無条件でボクシングを抱きしめ、人生を捧げたわけだが、その『動機』に僕は胸を打たれたのだ。
ひたすらに、ストイックに、ボクサーたちは毎日『シャドーボクシング』を繰り返す。
僕は自分でこれだと感じて抱き止めたものを失ってはいないか…?
今の自分を見て見ぬ振りをしていまいか…?
自己追求を諦めてはいまいか…?
鳥海選手の進退は気になるところだが、先ずはお疲れ様でした…と言いたい。
そして、ありがとう…と言いたい。
シャドーボクシング、か…
池原選手、王座決定戦勝利おめでとうございます。
今後に期待してます。がんばって下さい。
御愛読感謝
つづく