東洋太平洋Lフライ級タイトルマッチ 山口真吾V4ならず 王座陥落 | ボクシング&ロック野郎 higege91の夜明けはまだか?

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人生の曲がり角に遭遇したボクシング&ロック・マニアhigege91。暇を見つけてはホール通い。ああ、俺は戦っているか!? ああ、俺は俺の求める『俺』に近づいているのか!?

OPBF東洋太平洋Lフライ級タイトルマッチ

2005 8 8 後楽園ホール。


…ああ、気がつけばまた午後4時に当日券売り場に僕は立っていた。


5000円の指定Bを購入…(嫌な予感)。開場後、ああ、やっぱり…と思う。平日、それも月曜日の興行である。立ち見自由席でもゆうゆう座れた状況…。ええい、けちけちスンナ!!ボクサーは「命懸け」なのだ。「命懸け」は僅かな「金」なんぞに換算できん『価値』があるのじゃ!!


…しかし、「前座」がどれも酷い試合。全5試合、どれもぱっとしない。日本ランカーと対戦した比ランカーは2人とも「ボディー一撃」でうずくまり、立ち上がらず…。KO決着に一部ファンは喜んでいたが、HIGEGE91は納得いかない消化不良。


 第4試合 日本Sバンタム級2位 酒井俊光 VS 比国フェザー級4位 ジョージョ アナルド …3回TKO


 …どうしようもないKO勝利。2位なんて言うから期待してたのに、硬すぎ、切れなし、ディフェンス悪し、詰  め甘し、回転スピード遅し…字面だけで言ったら「3回TKO」は聞こえはいいが、酒井選手、これでタイトルマッチに臨んだら「酷い結果」になる。王者はあの「木村章司」だぞ!!


 第5試合 日本Sフライ級1位 相澤国之 VS 比国Sフライ級6位 シャーウイン・マナダット

…1回から「勝つ気」のないシャーウイン。2回速くも左ボディーで悶絶ダウン。立ち上がるもすぐさまダウン。ゴングに救われるも3回再びボディーを食らってダウン。そのままTKO。…こちらの試合はまだ「納得」できるか?まぁ「相澤」選手はちょっと「チャーミング」だったからまだいい。まぁ、最初のダウンを奪った「左ボディー」は確かにいい角度で入っていた。


 なんと、テレビ中継に合わせて「時間調整」が発生。タバコを吸う。そして、ホールエントランスの「壁」を眺める。現在の世界・東洋・日本チャンピオンたちの「写真」を眺める。


 日本王者たちは…えっと、小熊坂、増田、内藤、名城、サーシャ、木村、榎、本望、久保田、木村、湯場、板垣…。有永、稲田、日高、クレイジー(略すと変!!・日本王座も併せ持つ)…あれ?そう言えば、「越本隆志」の写真がなぁい…、なんて思ってたら、かわいいギャルファンが「クレイジー・キム」の写真を見て、


『ああん、気持ちわる~い』


などとノタマッタので、彼、クレイジー・キムの勝利者インタビューを観たらきっとその「愛くるしさ」に打ちのめされるはずだ、などと考えた、が、「カッコイイ!!」とはならないのであろうとも、考えた。…が、とにかく、ここにその勇姿を貼り付ける。

クレイジー・キム参上!!



…で、メインイベント。山口真吾を「生」で観るのは初めて。…ぐっ、ち、小さいなぁ。…が、第一印象。



OPBF王者 山口真吾 


しかし、OPBF王者で、WBC5位、WBA6位なのだ。これが「世界前哨戦」で、世界再挑戦のためには絶対に負けられないのだ。


…一方、対戦相手の升田貴久(同級WBA12位)は、あ、「腕」長げー、が第一印象。前試合は日本タイトル挑戦も惜しくも僅差判定に泣いた9年目のベテランボクサー。



成績  山口17勝(7KO)3敗2分け(世界挑戦1度失敗)

     升田15勝(4KO)6敗3分け


ふうむ。


戦績を見ると「山口」有利の印象。「世界挑戦」も失敗してるにしても、そこまで行ってるし…。しかし、これが4度目の防衛戦となるにしても「山口真吾」は小さいなぁ…。升田がやたら大きく、というか、細長~く見える。…「リーチ」の差って言うのがいやーな感じで印象強い。


カーン!! 試合開始!!


ボクサー「升田」VSファイター「山口」


R1いきなり飛び出す山口、升田足を使っていなす。山口やや大振りの印象。升田のジャブが的確。(升田10-9)


R2同じ展開。小さな「ファイタータイプ」の山口としては、いかに懐に飛び込んでの『乱打』戦に持ち込めるか、が「カギ」、なのだが、「空回り」の印象が強い。升田の長いジャブが山口を追い払う。(升田10-9)


R3…と、ここで王者 山口が奮起。押して押しての攻勢の印象を残す。(山口10-9)


R4 距離の勝負。中間距離で充分山口を狙える升田と休むことなく手を出し飛び込み続ける山口。それぞれ決め手がない。(両者互角10-10)


R5王者のプレッシャーが好印象。手数が凄い。なるほど、これが東洋奪取の実力か!!(山口10-9)


R6両者互角(10-10)


R7升田の距離で戦いが推移し始める。空振りの多くなった王者に対して、升田の的確なジャブからコンビネーションが決まりだす。(升田10-9)

7R


R8升田の攻勢が光る。「腕の長さ」を生かした「足」の使い方がいい。王者山口、大振りが目立つ。(升田10-9)


R9王者山口はさすがにスタミナは万全だった。止まらない、踏みとどまらない。盛り返すも、有効打は五分と見たり(互角10-10)


R10・11 ここで升田の「距離」の保ち方がひときわ絶妙に決まりだす。したがって、ジャブが当たる。山口は飛び込みきれない。「腕の長さ」の違いを越えられない。焦る王者。いなす挑戦者。…とここで山口瞼を「カット(有効打?)」、とにかく、目をこすりながらの試合続行。スタミナ、手数は惜しみなく注ぐ王者であったが、大きな空振りの打ち終わりに中距離から狙い撃ちされるいやーな流れ。


…毎回思うのだが、こうなると「ファイタータイプは辛い」壊せないと「蛇の生殺し」状態に陥ってしまうケースが多い。メイウェザーVSガッティ、徳山VS川嶋、小林対金井、最近だけでもたくさんある。こうなるとHIGEGE91は俄然


「ファイター」を応援したくなってしまうのだ。


「いけー山口!!…お前が王者だろうが、世界をもう1度狙うんじゃなかったんかー!?倒せ、ブッタオセー!!」


R!2 ポイントでは劣勢を感じてか、王者山口必死の追撃。押さば押せ、引かば押せ、押すが「拳闘」の『極意』なり!!升田の「距離」を踏み越え、連打。打て、打て、ダウンを奪え!!


試合終了。南側観客席はガラガラだったが。その応援合戦はなかなかのものだった今夜の「ダイアモンドグローブ」。前座はぱっとしなかったが、「メイン」で取り返した。


さて、HIGEGE91の採点結果 114-117 挑戦者 升田貴久の勝ち…だったのだが、これは「プロのジャッジの採点」だと内容も変わりそうな試合…。



「…採点の結果をお知らせいたします。117-114、115-113、116-113の3-0で、勝者、『新チャンピオン 升田貴久~!!」


…山口は負けた。ベルトと、世界ランクと、世界再挑戦の「芽」を失った。しかし、スタミナと手数は負けてなかった。脱帽。執念を最後の最後まで絶やさなかったそのファイトは「判定勝」であった。


 一方の升田は9年目にしてついに念願のベルトを手に入れた。おめでとうよかったな。しかし、ジャブにさらに磨きをかけて欲しいのと、「集中力」の切れないさらなる「精神力」、さらに「スタミナ(12Rはやばかったぞ)」に磨きをかけて「初防衛」に臨んで欲しい。さもないと「負ける」ぞ。


…この「瞬間」がもっとも「荘厳」な瞬間なのだ。「赤と青」「炎と氷」「動と静」…。王座交代。


升田貴久 OPBF・LF級王座 奪取


…したがって、ダイナミックグローブと違って、ダイアモンドグローブは「ラウンドガール」がいるってのがいいね。…かわいいなぁ。

…で、新チャンピオン升田選手が自分の子供を抱え上げて応援団に答えていた時、僕は床に落ちていたパンフレットの中の「前・東洋太平洋王者 山口真吾」と目が合ってしまい、思わず唇を噛んでしまったのだった…。


つづく