
<NiiSのトレーニングから戻ってきたヒゲがな、着替えを済ませると黙々と昼飯つくってんだいね。キャベツと芽キャベツとベーコンのアンチョビ風味のスパゲティーだいね、黙々と食ってんだいね。昨日は、いつもとちょいと違うんさね>

<聞いたらさ、デジカメにマイクロSD入れずに出かけたんで写真が撮れなかったって、そいで落ち込んでたみたい。ジジイはつまらねえことですぐ落ち込むんだいね、困ったもんだいね…>

<机の上に『15匹のおしかけねこ』(カプリエル・バンサン作 今江祥智訳 1999年BL出版刊)が出てるのに気づいて、「これどうしたん?」だって。ユキ子さんが見せてくれたんだって言うと、「そうして?」って>

<15匹の猫のうちさ、こいつがオレに似てるってユキ子さんが言うんだいね、オレこんなひでぇ面してないけどさ。ヒゲは、ニヤッと笑っただけだったいね>


<「おれ、今江祥智さんの文章が大好き。でも、今江さんはこの翻訳の後しばらくして死んじまったいね、残念だいね…」、尋ねもしないのにヒゲがぼやいてたいね…>

<それからヒゲはJAファーマーズ朝日町店へ買い物に出かけてさ、「ひでぇ風だぜ、電線も梢もみんな泣いてらい…」って帰ってきたんさ。出かけたんはこれだけ、後は家に籠ってたいね>

<そいで、本棚から絵本を取り出して見始めたいね。町田尚子さんの『ねこはるすばん』(ほるぷ出版2020年刊)と『ネコヅメのよる』(WAVE出版2016年刊)もさ>

<「COCOも留守番のときに、そっと抜け出して風呂屋へ行ったり、酒飲み入ったりしてんのか?」、『猫はるすばん』見ながら聞きゃがるんだいね。しゃあないから、《あ~ね》って答えとけどさ…>

<ヒゲは『ネコヅメのよる』がお気に入りみたいだいね。きっといつかは自分も見られると思ってるみたいだけど、そりゃ無理ってもんなんだいね、猫にしか見えないのが「ネコヅメ」なんだもんね…>

<そいで、ちょっと外へ出てさ、「風がひどくなったな、向かいんちの梅の花がびが飛ばされてるぜ…」だって。空もすっかり雲に覆われちまったいね>

<今度は『猫のヤーコブうちあけばなし』(犬養智子訳 CBS·ソニー出版1979年刊)を見始めたんだいね。スイスのトーマス・ヘルトナーって作家のお話に、スヴェン・ハルトマンって絵描きさんが絵を付けたんだって。今は絶版になってるけど、「ヤーコブシリーズ」って人気だったんだってよ>

<ヤーコブってこんな猫なんだいね、絵も上手みたい、いろいろできるヤツらしいやいね。相方は「ひげもじゃのあいつ」ってんだけど、ヤーコブといい仲なんだってさ>
<「ヤーコブとあいつの暮らし、すごくいんだいね、なっからさくいんだいね」ってヒゲはほめてるのさ。『あいつは、ぼくがいないのがとてもいやなんだ… ぼくには、それが分かっている』なんてヤーコブは言ってるらしいけど、オレも言ってみたいやいね…>

<夕方になったら、ヒゲが気を取り直して夕食の支度を始めたいね。買ってきた菜の花を茹でたりして…>

<ユキ子さんと母さんのもちゃんと用意したいね。豚肉の柔らか煮とサラダと炒め物、それとスープだいね。野菜は何種類だって聞いたらさ、9種類かなだって…>

<豚の柔らか煮は、前夜のうちに豚の肩ロースを2時間ほどかけて煮てたいね、添えたのは芽キャベツ。サラダは、菜花とエノキダケを生ハムで巻いて、キュウリとモヤシを敷き込んでたいね>

<炒めたのは白菜とシメジ、味付けは醤油でした。スープはトマト、エノキダケ、ホウレンソウの卵とじでしたいね。うまいかって聞いたらさ、「旨いぜ!」だってさ。
そいで、今日は世話になった野上佳世子さんの葬儀に行ってくるって…>
ヒゲじいさんの連れ合いの三代目若柳吉駒でございます。
1937年(昭和12年)に祖母の初代吉駒が創設し、伯母の二代目吉駒から私に引き継がれた美登利会を主宰しております。昨年の4月には第81回の舞踊公演を行うことができました。今年も4月5日に昌賢学園前橋ホールで第82回を開催できますように準備を進めております。こうして長く続けられますのも、支えてくださる皆様のおかげと、ただただ有り難く、感謝申し上げるばかりです。去る2月11日に東京の浅草公会堂で開催されました東京新聞主催の『第100回記念 女流名家舞踊大会』では常磐津「芥大夫」を舞いました。遠路お越しいただいた皆さまに心から御礼申し上げます。
《最近の美登利会と吉駒リサイタルの舞台をご覧になりたい方は…》
第81回美登利会と第6回三代目吉駒リサイタルはこちらをご覧ください。
第80回美登利会と第5回三代目吉駒リサイタルはこちらをご覧ください。
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お稽古場は前橋市城東町、三代目吉駒をご紹介しますのでこちらをご覧ください。