こんにちは。
公益社団法人 東村山市シルバー人材センター パソコン・スマホ教室がお伝えしています。
今日の担当は平井です。
東京世界陸上が行なわれ、観客が多く詰めかけて大いに盛り上がりました。
110mハードル競技では村竹ラシッド選手が、準決勝を勝ち上がり、見事決勝進出しました。
「メダル取れるかもしれない」
期待されましたが結果は5位でした。
5位ですが世界のトップアスリート相手に日本人として素晴らしい結果です。
レース後に電光掲示板を見つめる村竹選手。
悔しさが滲んでいる表情でしたが、何を思って見ていたのか。
結果が表示されるとその場に倒れ込んでしまいました。
その後インタビューを受ける村竹選手。
「見事5位です。お疲れ様でした」と声を掛けられると、
「何が足りなかったんだろうなって、何が今まで間違ってたんだろうなって」と絞り出すように話し始め、抑えていた感情が溢れ出し、泣き崩れながらのインタビューでした。
村竹選手は数年前から頭角を現し始めましたが、当時の注目は大学の先輩でもある泉谷選手。
泉谷選手は2023年世界陸上ブタペスト大会で決勝進出。
世界陸上で日本人初の5位入賞を果たしました。
その背中を追うように村竹選手も力を蓄え注目され始めました。
泉谷vs村竹、どちらが速い?
そして村竹選手は2024年パリオリンピックに出場し日本人初の5位入賞。
この快挙に村竹選手も「やったー」、満面の満足した笑顔でした。
当時日本陸上界では快挙と大きな話題になりました。
オリンピックが終わり所属するJALへの報告会がニュースで流れていました。
村竹選手はJALアスリート社員です。
同じアスリート社員として。やり投の北口榛花選手、フェンシング・エペの加納虹輝が所属しています。
ニュースでは金メダルを獲った北口選手、加納選手は取り上げていました。
村竹選手は画面の隅っこに映っているだけ。
やはりメダルを取らないと世間の注目度は低いなあ。
つくづく感じたものでした。
村竹選手は父親はトーゴ人、母親が日本人で見た目は一般的な日本人とはかけ離れています。
しかしインタビューでは当たり前に日本語で話し、近所にいる日本人のお兄ちゃんみたいな感じ。
目が落ち着かなくてちょっと気弱な感じの印象でした。
しかしまじめにしっかり伝えようとする姿勢に人柄を感じました。
村竹選手のインタビューをもう一度振り返ってみます。
インタビューはTBS石井アナ(石)
まず観客席を見て応援してくれた人たちに一礼してインタビューに臨みます。
石「さあ、きていただきました。見事5位です」
石「お疲れ様です」
村「ありがとうございます」
石「決勝の舞台、ご自身の感想をお伝えください」
村竹選手は考え込むように間をおいて
村「なにが足らなかったんだろうって。なにが今まで間違ってたんだろうって。。。」
村「パリ終わってからの1年間、本気でメダル獲りに、、」
村「本気で1年間必死に練習して、ほんとに何が足らなかったんだろうなって」
ここで抑えていた感情が溢れ涙がこみ上げてきます。
村「すいません・・・」
ここから村竹選手は感情を抑えることができず、大きく泣き始めました。
石井アナもその姿を見て心を揺さぶられたのか声が少し上ずって質問を続けました。
そして村竹選手の背中にそっと手を添えて声をかけます。
石「この、この大きな舞台で、そして東京国立の舞台で素晴らしい走りでした。
たくさんの人が勇気をもらいました」
村「こんなにたくさんの人に見守ってもらえて、、、一人のアスリートとして本当に幸せです」
村「だからこそ、メダル獲ってみんなと一緒に喜びたかったんですけど」
泣き崩れる村竹選手。
その姿を見て石井アナが励ますように肩を軽く叩きます。
石「村竹選手にとってこの東京、世界陸上、また大きな今後の力になると思います。」
石「この舞台、村竹選手にとってあらためてどういった舞台だったか。聞かせて下さい」
村「この長い陸上キャリアの中で、東京世界陸上っていう自分の国で、世界陸上が開催されることが嬉しく思いますし、決まった当初は出場して且つメダル争いもできるまで実力付けられたなんて思ってもなかったんで、決勝のファイナリストとして立てたってことは、とても誇りに自分でも思いたいですし、
ホントにもう、自分の足がもつ限り、何年かかってでも、メダル獲りたいなと思います。
そう思いました」
石「村竹選手はニッポンの、本当に宝です。次頑張って下さい、応援しています。ありがとうございます」
ここで一旦インタビューが終わりましたが石井アナが最後に
「お疲れ様でした」と声をかけると
村竹選手は
「すいません・・・」と泣き声で答え、再び泣き崩れてしまいました。
想像していたインタビューとは全然違って、胸を打たれる姿でした。
感情と言葉をストレートに表し、泣き崩れる村竹選手。
レースが終わってからインタビュー受けている時まで
「何が足らなかったんだろう、何が間違ってたんだろう」
ずっと考えていたのかもしれません。
レース前の表情、レースの臨む姿は堂々としていて力強さを感じます。
でもインタビューでは素直な感情表現で人間らしさを感じさてくれます。
ちょっと言葉に詰まったり、「すみません…」って口にしたりで、どこか気弱さがにじむ瞬間が垣間見えたりもします。
でもそれって弱さじゃなくて、むしろ誠実さの表れなのだと思います。
日本人のメンタリティだなあ、としみじみ共感を覚えます。
普段はちょっとヤンチャな感じだけど、気のいいお兄ちゃん。
気さくで、誰にでも普段着の姿で話せる存在。
素の自分をさらけ出して相手に緊張感を与えない雰囲気。
そんなことを感じさせる姿が応援したくなる理由なんでしょうね。
これからも応援していきたいと思います。