飛ばないボール プロは2028年から、一般アマは2030年から | 電車で酔いどれゴルフのブログ

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ゴルフのルールを統括するR&AとUSGA(全米ゴルフ協会)は6日、総合飛距離基準(ODS)の下でゴルフボールの適合性テストの条件を更新し、2028年1月から適用すると発表した。世界のツアーで飛躍的に向上しつつある飛距離に対し、両団体が今年3月に提案した“飛ばないボール”の採用へ具体的に踏み出した。

“飛ばないボール”を使うと、

米PGAツアーなどのロングヒッターは飛距離が13~15yd、

平均的なツアープロや男子競技ゴルファーは9~11yd、

平均的な米女子&欧州女子ツアー選手は5~7ydの飛距離ダウンが見込まれる。

一方、レクリエーションのエンジョイゴルファー(平均スイングスピードは男性41.57m/s、女性32.19m/s)の飛距離ダウンは5yd以下にとどまる見込み。

新基準は、20年前に設定された「ヘッドスピード時速120マイル(約53.64m/s)=ボール初速176マイル(約78.68m/s)相当、回転数2520rpm、打ち出し角10度」から「ヘッドスピード時速125マイル(約55.88m/s)=ボールスピード時速183マイル(約81.81m/s)相当、スピンレート2220rpm、打ち出し角11度」となる。

両団体は今回の決定のために世界各ツアーの競技データを数年間に渡って分析し、ODS(3ydの許容誤差がある上限317yd)を設定。2023年のトップレベルのボールスピードは最速の選手が平均190マイル(約84.94m/s)で、トップ10の平均は186マイル(約83.15m/s)、トップ25の平均は183.4マイル(約81.81m/s)だったという。

R&Aのマーティン・スランバーズCEOは「この決定は、ゴルフの持続可能な未来を実現し、ゲームの完全性を守り、環境への責任を果たすための重要な方法のひとつであると確信しています」などとコメント。USGAのマイク・ワンCEOも「多くの人は“やり過ぎ”と言うでしょうが、(この決定をしなかったら)それと同じくらいの人々がゲームを守るために十分なことをしなかったと言うでしょう」などとコメントした。

また、両団体は今回の決定に伴い、各メーカーのドライバーのテスト方法を拡大し、より徹底する方針も表明した。

 

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R&AとUSGAが6日、2028年から「飛ばないボール」をプロとエリートアマチュアで採用、2030年からはアマチュアゴルファーにも施行されることを発表した。それを受けて、米PGAツアー、DPワールド(欧州)ツアー、米LPGAツアーがそれぞれステートメントを出している。4年後の施行に向けてはまだ論争が続きそうだ。


PGAツアーは「この決定に至るまでの過程において、我々はUSGAとR&Aに多くの意見を提供してきた。その多くが決定に反映されている。しかしながら新たに設定されたボールテストのヘッドスピード、時速125マイル(=55.88m/s ※これまでは時速120マイル)は、PGAツアーのレーダーが分析してきたデータから行き過ぎだと感じている。PGAツアーは選手理事会、ポリシーボードと連携して、今後もUSGA、R&Aに情報を共有していく」とし、規制するスピードの数字に疑問を呈した。
 
一方、欧州ツアーは「R&AとUSGAがゴルフの統括に尽力していることに感謝している。またこの問題に多くの時間を費やした。彼らがゴルフのルールを作るのだから、彼らが到達した決定を尊重したい」とした。
 
また、LPGAツアーは「USGAとR&Aのリーダーシップをとても尊重している」としながらも「女子ゴルフにおいて飛距離が問題だとは感じていない。この複雑な問題にUSGAとR&Aが長期的な成長を見据えてほしいと考えている。USGA、R&Aが以前に提案していた(採用を選択できる)モデルローカールルールとしてではなく、1つのルールにすることは女子ゴルフにとっても重要なことだと考えている。今後もLPGAツアーはUSGA、R&Aと協力してリクリエーション、ジュニア、アマチュア、プロとすべてのレベルの女子ゴルフの支援していきたい」とステートメントを発表した。
 
当初は女子ゴルフには適用されないと見られていたボールの飛距離制限だが、

今回の発表は

2028年1月から男女ともにプロ、エリートアマチュアに適用、

2030年にすべてのアマチュアも対象となる。

(文・武川玲子=米国在住)