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作家の東田直樹です鉛筆

現在31歳。

自閉症という障害を抱えています。

 

 

 

  自閉スペクトラム症の子どもの中には

 

 

 

「逆さバイバイ」とは、子どもがバイバイをするときに、手のひらを自分の方に向けた状態で、バイバイをすることです。

 

人に向かってバイバイをするときには、自分の手のひらは、相手に向けてバイバイしなければいけません。

 

けれど、自閉スペクトラム症の子どもの中には、「逆さバイバイ」をする子がいるのです。

 

僕も小さい頃は、逆さバイバイをしていました。

 

 

 

  逆さバイバイをしていた理由

 

 

 

僕は、手しか見ていないのです。

 

誰かが僕にバイバイをしてくれるとき、相手の姿を見ずに、バイバイをしてくれるその人の手のひらだけを見ていたからだと思います。

 

バイバイの時には、手のひらを左右に振ります。すると僕の目は、その手だけに注目してしまうのです。

 

 

「バイバイをして」と言われたら、今度は、自分の手しか僕は見ていません。

 

僕が見たことのある、その通りの手の形を再現しようとするからです。

 

僕にとってのバイバイは、いつも「自分が見る手の形」だったのです。

相手のために手を振っていたわけではないのです。

 

 

「バイバイをして」という声が聞こえたら、手のひらを左右に振る。それは、僕ができる数少ない行動のひとつでした。

 

 

 

  指の間の光

 

 

 

僕は、自分の手をひらひらさせるのが好きで、ときどき、頭の上で振っていました。

 

お日様や照明の下で手を振ると、指の間からも光が見えて、とてもきれいだからです。

 

指の間から見える光に目を奪われるのです。

 

 

バイバイをしている間も、僕は指と指の間から見える景色に注目していました。

 

別れる人の方を見て、手を振ることが「バイバイ」だと知ったのは、ずっと後のことです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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僕が卒業したアットマーク国際高校主催『次の10年、学校教育は何を目指すのか』

の登壇、無事に終わりました。ご参加してくださった皆様、どうもありがとうございます。

 

 

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