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作家の東田直樹です
現在31歳。
自閉症という障害を抱えています。
弁解も謝ることもできない
僕は、言動のコントロールが苦手なので、自分がやってしまったことは「どうしようもないことだ」というあきらめの気持ちで生きていました。
何か起きても、それについて弁解もできなければ、謝ることも難しいからです。
そのために、ずいぶん悲しい思いもしてきました。
けれど、うまく話せる人たちも、自分が言った言葉に対して、何度も繰り返し悩むことを知り、言葉というものは、喜びだけでなく、苦しみも伴うものだということを知りました。
「ああ言えばよかった」「こう言えばよかった」、そして「黙っていればよかった」など、人間関係の悩みはつきません。
言い過ぎたり、言い足りなかったり、言葉に関しては、これで十分だと思うことのほうが少ないのではないでしょうか。
自分を責めないで
たとえ間違っていたと思っても、自分を責めないでほしいのです。
思いのまま正直に話すことで、気持ちが相手に伝わることもあります。
人は怒りの感情はストレートにぶつけるのに、本当に大事な言葉は胸に秘めてしまいがちです。
自分の思いを言葉で伝えられない人もいます。
伝えられないから何も感じていないわけではないのです。
みんな複雑な感情を抱えて生きているに違いありません。
気持ちを通い合わせることが大切ではないでしょうか。
じっくり聞くよ
心に寄り添うためには、何を言いたいか相手の言葉を聞き出すだけでなく、うまく伝えらえない思いごと、受け止めてあげなければなりません。
「じっくりと聞くよ」という態度で接する。
自分の気持ちに耳を傾けようとしてくれる人がいる。そのことが嬉しいのです。
話しやすい雰囲気をつくることは、いいコミュニケーションの基本です。
相手が誰であっても、みんなが忘れてはいけないことではないでしょうか。