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作家の東田直樹です鉛筆

現在31歳。

自閉症という障害を抱えています。

 

 

 

  自閉症という言葉のイメージ

 

 

「自閉症」という言葉を聞くと、どういうイメージを持たれるでしょうか。

 

今もまだ「自分に閉じこもっている人」と答える人がいるかもしれません。

でも、そんなことはないと思います。

 

 

確かに自閉症者は人と関わるのが苦手な人が多いかもしれませんが、だからといって、他の人と関わりたくないわけではないような気がします。

 

みんなと仲良くなりたい気持ちは、人一倍持っていると思うからです。

 

 

 

 

  ひとりでいれば楽だと思う気持ち

 

 

だけど、周りを困らせてしまい、気がつくとひとりになってしまうのです。

 

誰とも関わらなければ 人を傷つけることも、自分が傷つくこともありません。

 

 

どうやったら、迷惑をかけないのか、自分のことを好きになってくれるのか、それがわからなくて悩んでいるのではないでしょうか。

 

 

人付き合いがなかなかうまくいかないという経験を繰り返すと、ひとりでいるほうが楽に感じてしまいます。

 

明るく生きて行くことができないうえに、逃げ出すこともできない。

 

そんなとき、人は、ひとりでいることを選んでしまうのかもしれません。

 

 

 

  心は開いているのに気づいてもらえない

 

 

たとえ、ひとりでいても、心が閉じているわけではないと思うのです。

 

心は開いているのに、気づいてもらえない。

 

うまく話せなかったり、人と同じ行動ができなかったりすると、ますます人と関わることが臆病になります。

 

本当の自分は、深い森の奥のような場所にいて、誰かに見つけてもらえる日を待ち望んでいるに違いありません。

 

みんなみたいな友情や恋愛を経験することは難しいかもしれませんが、愛を感じることや生きる喜びに浸ることはあるのではないでしょうか。

 

楽しかった経験は、記憶の中にちゃんと残るはずです。

 

 

 

  ここにいて大丈夫

 

 

僕は、人に話しかけられても返事ができないことがあります。

 

そこにいるだけでも精一杯で、自分ひとりが世の中に取り残されたような気分に陥ることもあります。

 

それでも、生きていてよかったと思うのです。

 

 

やさしい言葉をかけてもらえた、自分の思いに耳を傾けようとしてくれる人がいた。

 

この社会の中で僕という人間を気づかってくれる人がいると感じたとき、僕も自分のできることをやって一所懸命に生きようと、前向きな気持ちになれます。

 

 

自分もここにいて大丈夫。

そんな気持ちは「生きていてよかった」と思う理由のひとつになると思います。