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作家の東田直樹です鉛筆

現在31歳。

自閉症という障害を抱えています。

 

 

 

  炊飯器の予約タイマーを押すこだわり

 

 

先日、急に我が家で、お昼ごはんに、銀だこのたこ焼きと八天堂のクリームパンを買ってきて食べることになりました。

 

銀だこは大安売りで、八天堂のクリームパンは、テレビ番組で取り上げられていて、久しぶりにみんなで食べようという話になったからです。

 

どちらも美味しかったです。

 

 

僕は、いつも夕食前にご飯を炊きます。

昼食に食べるはずのメニューが変わったこともあり、炊飯器には、朝炊いたご飯が残っていました。

 

炊飯器のタイマーをセットするのは、僕の役目ですが、それはこだわりにもなっています。

 

僕は、少しでもいいので、炊かないと機嫌が悪くなるのです。

 

 

ご飯が必要だから炊くのではなく、予約のタイマーを押すために、ご飯を炊いていたからです。

 

ご飯が余っているときには炊かなくてもいいことはわかっていますが、自分でそのこだわりをやめることができませんでした。

 

 

 

  こだわりが我慢できた

 

 

でも、僕は炊飯器のタイマーを押すのを我慢することができました。

 

予約タイマーを押さなくても大丈夫だったのは、

そのこだわりに自分が縛られなかったからだと思います。

 

 

周りの人の介入がきっかけで、こだわりに縛られなくてすむことがあります。

 

 

「ご飯、炊く!」と僕が言い炊飯器を開けると、

山盛りの白いご飯が目に入りました。

 

僕の耳に「こんなに余ってる、しこまなくてもいいよ。ほら、見て」

と言う声が聞こえてきます。

 

僕はいつもなら、それでも炊飯タイマーを押すと言い続けますが、初めて

「ご飯、ある。ご飯、ある」という言葉が何度か繰り返し僕の口から出てきました。

 

予約タイマーを押さずにすんだのです。

 

夕飯は、炊飯器に残っているご飯を食べました。

 

 

 

  何かのきっかけでこだわりが解消される

 

 

行動できないと伝え方が悪いせいだと言う人もいますが、

僕の場合は、伝え方が悪いことが行動の原因ではないと思います。

 

こだわっている間は、何をやってもだめなのです。

でも、何かのきっかけで、そのこだわりが解消されることがあります。

 

 

僕の場合、その「何か」は、言葉だったり、止めてもらう行為だったり、

そのつど違います。

 

こだわりが終わりそうなときに、うまく介入してもらえると、そのこだわりにこだわらなくなるような気がします。

 

 

「これは、なくすことのできないこだわり」

周りの人たちがそう思い込み過ぎた結果、こだわらなくてもいいものまで、

わざわざやらせていることがあるかもしれません。

 

こだわりはない方が、生活しやすいと思います。

そのほうが生活の質が向上すると思うのです。

 

僕もまだまだやめられないこだわりがありますが、困っているこだわりは、

ひとつでも減らせるようにしたいです。