環境ビジネスコラム☆メタン発酵施設の構成
<排出元向け>メタン発酵施設の構成
以前のコラムでは、『中和剤として用いられる酸の性状』『バイオマス廃棄物の処理方法』『メタン発酵施設とは』をご紹介しました。
なお、『バイオマス廃棄物の処理方法』では、バイオマス廃棄物が排出される状況は、①固形状(廃木材、動植物残渣など)、②液状(有機性汚泥、家畜ふん尿など)で、処理方法もその性状に応じて選定されること、また、主な処理目的は、①ガス化などによるエネルギー利用、②飼料や肥料などのマテリアル利用に大別され、処理施設は、①メタン発酵施設、②炭化・ガス化施設、③RDF化施設、④高速堆肥化施設等になることをご紹介しました。今回は『メタン発酵施設の構成』をご紹介します。
■メタン発酵施設の構成■
メタン発酵施設は、受入した有機性廃棄物をメタン発酵に適した性状にするための前処理設備、メタン発酵設備、メタンガス貯留・利用設備、発生残渣処理設備などで構成されています。構成図は以下のとおりです。
<前処理設備>
前処理は、搬入された廃棄物をメタン発酵に適したものにするために行われ、破砕・選別・調質が実施されています。調質とは、破砕・選別によって異物が取り除かれた廃棄物をメタン発酵設備に投入、及びメタン発酵がしやすいように水分調整や温度調整を行うことをいいます。
<メタン発酵設備>
メタン発酵設備は嫌気性発酵により有機物からメタンを効果的に回収する設備で、メタン発酵槽及び投入・引抜装置、攪拌装置、温度調整装置などで構成されています。また、メタン発酵槽の前後に調整槽や貯留槽が設けられているケースが多いようです。
<メタンガス貯留設備>
メタン発酵によって発生するバイオガス(メタン濃度60%程度)は、20,000~22,000(kJ/㎥N)程度の発熱量があり、発電用や槽加温用などに利用されます。ガス発生量と使用量は必ずしも一致しないため、貯留設備が必要になります。
貯留設備にはガスホルダや貯留量を超えてガス発生が生じるような事態に対処するための余剰ガス燃焼装置、発生するガスに含まれる硫化水素を除去する脱硫装置などで構成されています。
以上、『メタン発酵施設の構成』でした。
■廃棄物の適正処理体系(体系図)■
以下の図は、適正な廃棄物処理の7つ方法とその体系図です。
<今までのコラムの一例とお問合せ先>
★中和剤として用いられる酸の性状
★バイオマス廃棄物の処理方法
★メタン発酵施設とは
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<船井総合研究所東新一>
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