廃棄物コラム☆ガス化溶融
<排出元向け>廃棄物コラム☆ガス化溶融
前回や以前のコラムでは、『焼却炉の運転方式』『溶融の目的及び溶融炉』をご紹介しました。今回は、『ガス化溶融』をご紹介します。
■廃棄物コラム☆ガス化溶融■
<ガス化溶融>
熱分解ガス化技術は、廃棄物(有機物)を直接熱分解して、可燃性ガス(熱分解ガス)と炭素(チャー)及び熱分解残渣(無機物)に分解する技術です。
ガス化溶融炉は、廃棄物を熱分解ガス化し、更に、その熱分解ガスとチャーを燃焼させ、その燃焼熱を利用して不燃物等熱分解残渣を溶融・スラグ化する技術です。
なお、この技術は以下9つのような特長があります。
①一般的に、廃棄物(有機物)を300~500℃で熱分解して可燃性ガスを得るため、熱分解段階では焼却や溶融する程の高温を必要としない
②低温域の希薄酸素条件下で熱分解するため、廃棄物中の金属類が酸化されにくく、非鉄金属類や鉄を回収できる可能性がある。
③可燃性ガスの燃焼は、固形廃棄物の燃焼に比べて安定な燃焼が容易である。すなわち、低い空気比でより高温域で燃焼させられるため、燃焼ガス量が少なくなる。よって、排ガス処理施設もコンパクトにできる
④気体燃焼が主体のため燃焼制御性が良く、窒素酸化物やダイオキシン類等大気汚染物質の生成を制御しやすい
⑤熱分解段階で金属類を回収することが可能なため、ばいじん中の金属類が抑えられ、排ガス処理過程でのダイオキシン類等の生成を制御することが期待できる
⑥熱分解残渣は、高温域で溶融するため廃棄物の減溶化率が焼却処理に比較して大きくなる。また、廃棄物中の金属類等がスラグ中で安定化することが期待できる
⑦高温燃焼による高温排ガスからの熱回収によって、より高効率な発電等が可能で、熱エネルギー回収の向上が見込まれる
⑧熱分解された可燃性ガスは、ガスタービンやガスエンジン等への利用の可能性も開かれている
⑨溶融スラグは、土木資材等へ有効利用することができる。
以上
これらの特長を有しているため、近年ガス化溶融炉が急速に建設された時期があったようですが、維持管理費が高いことなどから再評価を求められているようです。
■廃棄物の適正処理体系(体系図)■
以下の図は、適正な廃棄物処理の7つ方法とその体系図です。
以上
<今までのコラムの一例とお問合せ先>
★焼却炉の運転方式
★溶融の目的及び溶融炉
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