一般廃棄物のごみ質と年度推移表、ごみの種類組成(物理組成)、三成分、元素組成、低位発熱量、単位体積重量の数値変化などをご紹介<船井総研☆環境コラム>東新一
一般廃棄物のごみ質と年度推移表、ごみの種類組成(物理組成)、三成分、元素組成、低位発熱量、単位体積重量の数値変化など<船井総研☆環境コラム>東新一
前回のコラムでは、ごみの性状とは?ごみの物理組成とは?ごみの三成分とは?ごみの化学組成とは?ごみの低位発熱量とは?「低位発熱量」とは?ごみの単位体積重量とは?をご紹介しました。今回は、一般廃棄物のごみ質と年度推移の表、ごみの種類組成や三成分、元素組成、低位発熱量、単位体積重量の数値変化などをご紹介します。
1.一般廃棄物のごみ質と年度推移グラフ
札幌市、仙台市、横浜市、名古屋市、京都市、大阪市、八尾市、松原市環境施設組合、神戸市、岡山市、北九州市、福岡市における「ごみ質分析結果の平均」をグラフにしたものです。
※出典:ごみ処理施設整備の計画・設計要領 2017改訂版 全国都市清掃会議
2.ごみの種類組成の割合推移
ごみの種類組成のうち、約95%は「可燃物」で占められており、「可燃物」のうち約50%は「紙、繊維」になります。また、「厨芥」及び「プラスチック」が約15%になります。
2006年の「紙、繊維」が52.9%だったのに対し、2015年では48.7%になり、4.2%減少しました。
一方、「厨芥」や「プラスチック」ですが、2006年の「厨芥」が12.6%だったのに対し、2015年では14.4%になり1.8%増加、2006年の「プラスチック」が14.1%だったのに対し、2015年では16.2%になり、2.1%増加しました。
「紙、繊維」「厨芥」「草木」「プラスチック」それぞれ増減あるにせよ、いずれもリサイクルが可能な物、全国の清掃工場で焼却されているかと思うと考えさせられますね。
3.ごみの三成分の割合推移
ごみの三成分のうち、約48%が「可燃分」、約44%が「水分」、約8%が「灰分」になります。
2006年の「可燃物」が49.5%だったのに対し、2015年では47.4%になり、2.1%減少しました。
一方、「水分」や「灰分」ですが、2006年の「水分」が41.1%だったのに対し、2015年では44.2%になり3.1%増加、2006年の「灰分」が9.4%だったのに対し、2015年では8.4%になり、1.0%減少しました。
三成分の割合では、「水分」の増加が目立ちますが、種類組成の「厨芥」や「草木」の増加によるものと言えます。
4.ごみの元素組成の割合推移
ごみの元素組成のうち、約50%が「炭素」、約40%が「酸素」、約7%が「水素」、約3%がその他になります。
2006年の「炭素」が52.7%だったのに対し、2015年では52.3%になり、0.4%減少しました。
一方、「酸素」や「水素」ですが、2006年の「酸素」が38.0%だったのに対し、2015年では38.7%になり0.7%増加、2006年の「水素」が7.5%だったのに対し、2015年では7.3%になり、0.2%減少しました。
ごみの元素組成の割合変化は殆ど無いという状況です。
5.ごみの低位発熱量の推移
2006年の「ごみの低位発熱量」が9,507(kJ/kg)だったのに対し、2015年では9,491(kJ/kg)になり、16(kJ/kg)減少しました。
ちなみに各燃料の単位発熱量の目安は以下のとおりです。
・原料炭:28,900
・一般炭(国内):22,500
・一般炭(輸入):26,600
・無煙炭等:27,200
・コークス:30,100
・練炭/豆炭:23,900
・木材:14,400
・木炭:15,300
・その他の固体燃料:33,100
・石油コークス:35,600
・液化石油ガス(LPG):50,200
・液化天然ガス(LNG):54,500
6.単位体積重量の推移
2006年の「単位体積重量」が0.17(t/㎥)だったのに対し、2015年では0.17(t/㎥)になり、増減がありませんでした。なお、最大が2009年の0.19、最小が2007年の0.16を考えると、単位体積重量は殆ど変わらないと言えそうです。
以上
<今までのコラムの一例とお問合せ先>
☆ごみの性状とは?ごみの物理組成とは?ごみの三成分とは?ごみの化学組成とは?ごみの低位発熱量とは?「低位発熱量」とは?ごみの単位体積重量とは?
☆【無料経営相談や環境・廃棄物相談:お問合せ先】
(株)船井総合研究所では、廃棄物管理に悩む「排出事業者」向けに【廃棄物現場における一日診断】を実施しています。信頼している廃棄物業者に現場を任せることも大切ですが、何かあった時はすべて「排出元責任」です!当然、法令違反があってからでは遅いです!遠慮なくご相談くださいませ。