原典に観る般若心経17(Ⅱー23) | 仮説・彼岸世界

仮説・彼岸世界

彼岸世界への神秘体験について書かれたブログ

サンスクリット原文の読み(梵文和訳ノートから引用)

タスマーチュ シャーリプトラ シューンニャターヤーム  ルーパム ナヴェーダナー  サンジュニャー  サンスカーラ  ヴィジュニャーナム  チャクシュフ・シュロートゥラ・グラーナ・ジフヴァー・カーヤ・マナーンシナルーパ・シャブダ・ガンダ・ラサ・スプラシュタヴヤ・ダルマーハ  チャクシュル・ダートゥル ヤーヴァン  マノー・ヴィジュニャーナ・ダートゥフ  ヴィドゥヤーナ・アヴィドゥヤー ナ ヴィドゥヤー・クシャヨーナ・アヴィドゥヤー・クシャヨー ヤーヴァン  ジャラー・マラナムナ ジャラー・マラナ・クシャヨー  ドゥッカ・サムダヤ・ニローダ・マールガー  ジュニャーナム  プラープティッヒ


玄奘三蔵訳

是故空中 無色 無受想行識 無眼耳鼻舌身意 無色声香味触法 

無眼界 乃至無意識界

無無明 亦無無明尽 乃至無老死 亦無老死尽 無苦集滅道 無智亦無得 


鳩摩羅什訳

是故空中無色無受想行識無眼耳鼻舌身意無色声香味触法

無眼界乃至無意識界

無無明亦無無明尽。乃至無老死無老死尽。無苦集滅道。無智亦無得。


中村・紀野訳

それゆえに、シャーリプトラよ、実体がないという立場においては、物質的現象もなく、感覚もなく、表象もなく、意志もなく、識別もない。眼もなく、耳もなく、舌もなく、身体もなく、心もなく、かたちもなく、声もなく、香りもなく、味もなく、触れられる対象もなく、心の対象もない。眼の領域から意識の領域にいたるまでことごとくないのである。

(さとりもなければ、)迷いもなく、(さとりがなくなることもなければ、)迷いがなくなることもない。こうして、ついに、老いも死もなく、老いと死がなくなることもないというにいたるのである。苦しみも、苦しみの原因も、苦しみを制することも、苦しみを制する道もない。知ることもなく、得るところもない。


長澤訳

その故に、シャーリプトラよ、空性においては、(事物の)形象(色)もなく、感受作用(受)もなく、思惟(想)もなく、潜在意識(行)もなく、識別(識)もない。

眼も耳も鼻も舌も身体も意(こころ)もなく、形(色)も声も香りも味も触れられるべきもの(触)も認識対象(法)もない。眼の世界(眼界)もなく、意(こころ)による識別の世界(意識界)に至るまでない。

明知(明)もなく、明知のないこと(無明)もなく、明知(明)が滅することもなく、明知のないこと(無明)が滅することもない。老いること(老)も死ぬこと(死)もなく、老いること(老)や死ぬこと(死)が滅することもない、に至るまで(そうなのである)。

苦(苦諦)も集(集諦)も滅(滅諦)も道(道諦)もなく、仏智(智)もなく、得ること(得)もない。