中学3年の頃、たくさんマンガを貸してくれるSさんに

「花とゆめ」を貸してもらって、

その面白さにハマりました。

(高校生になってからは分かれてしまったので

自分で「花とゆめ」を買い始めました)

 

その中で一番衝撃を受けた作品が

柴田昌弘先生の「ブルーソネット」でした。

 

一番衝撃を受けたのは

その〝線〟でした。

それまで好きだった少女漫画や

999の〝線〟とは全く違っていて

Gペンでグッと力強く描かれた線、

骨と筋肉を意識して描かれた体、

真似して描こうとしても

なかなか描けません。

 

私はその頃マンガを描き始めていて

家にあったペン軸とスプーンペンで描いていましたが

これを見てGペン先を買い

チャレンジしてみたのです。

 

相当な筆圧が必要ですが、

力を入れるとペン先に付けた墨が

ボタッと垂れてしまいムリでした。

(その後連載が進むにつれ

柴田先生の線がだんだん細くなっていきました)

「ブルーソネット」は「赤い牙シリーズ」で

この前にも何作かあり、後から読みました。

 

主人公の小松崎蘭は古代超人類の血を

凝縮して生み出された超能力者です。

彼女の製作スポンサーだったタロンとの闘いの物語です。

 

敵から送られる超能力者の一人がソネットです。

彼女は悪人ではなく、

蘭の恋人・バードに片思いする

繊細なもう一人のヒロインとして描かれ

蘭と人気を二分しました。

超能力を扱いながらも

この作品の世界観はリアルで

本当にタロンのような組織があっても

おかしくないと感じ、

ちょっと怖さもありました。

 

脇には仕事に命を懸ける

名もなきオジサンたちが大勢いて

涙を誘います。

 

少女漫画誌の連載でしたが

男子にもファンがいました。

 

ところが結末が、「えっ!?」

というような終わり方で

別の意味の衝撃を受けました。

 

幸薄いソネットは最期の瞬間に

幸福に包まれました。

けれど蘭は大きな罪悪感と業を抱いて

逃げるように去って行きました。

(その後加筆され、文庫版では

ページが増えています)

 

その後、「32シャッフル」という短編が

描かれました。

その後の蘭はアメリカに渡っていました。

 

柴田先生はもう漫画家は辞めてしまったようですが

蘭は今も世界のどこかで若い姿のまま、

時折事件に巻き込まれながら

生きているのでしょうね。

↑こんな幸せな日々は最期まで来なかったね(涙)