ロールオーヴァー三文文士 -3ページ目

ロールオーヴァー三文文士

日々、ストレス社会で悶えている破滅型ロックンローラー、天井崇仁のキュートな日常



久しぶりのブログ更新がこんな内容になろうとは思っていなかった。

初ライブから9年と361日、現メンバーとは7年ほど。毎週のようにスタジオで練習し、月数回のライブをやった。30歳以上のまっとうに働いている社会人4人が。

これがどれほど恵まれていて、奇跡的なバランスで成り立ってるかってことくらい、思うようにスタジオすら入ることが出来なかった20代前半を過ごしてきた私にはよく分かる。

同時に、こんな奇跡はあと数年のうちに終わるっていうのも感じていた。それゆえに焦りもかなりあった。


数週間前のスタジオ練習後に、4人でちばチャンで飲んでいたところ、某メンバーから脱退の申し出があった。真っ先に「解散」がよぎった。それは、申し出たのがどのメンバーであろうとそうだったと思う。
脱退するメンバーと、他メンバー各々サシで話し合いも重ねたが、意思は強固だった。止められなかった。
東高円寺のライブ前日のスタジオは地獄の空気だった。私以外、誰も喋らないに等しかった。
さすがにそれじゃあかんであろう、と各々反省したのか、翌日のライブはだいぶマシだった。4人でお茶もした。
しかし時間は刻一刻と過ぎ、かの12日、稲毛ケーズドリームでのライブは翌週だった。
2日前のスタジオで「なにも解散することはないと思うようになった。残ったメンバーだけでも俺はやりたいから考えてほしい」と伝えた。
当日のライブ数時間前、脱退するメンバー以外の3人でお洒落なカフェで話した。まるで別れ際のカップルのような空気感だった。
結局、誰1人残らなかった。
そうだよな、と思った。清々しいまでの完敗だった。ただ、どんなに惨めだろうと、デカダンレトリヲを立て直すためなら何だってするくらいのエネルギーがまだ私にはあった。しかし他の2人が、4人でやってきた以上の楽しさがこの先あるとは思えない、と感じる気持ちもよく分かった。本当に4人とも何かが欠けてるポンコツなんである。それがバンドという形をとったことによる無敵感があっただけで、誰か1人でも欠ければ途端に不具者となることは目に見えていた。
脱退するメンバーに仕返しとしてドッキリくらいはしていいだろうと考え、解散することは最後の曲をやる前まで3人だけの秘密だった。




ハンドボーカルに転向して、本当に最高だと思える新曲を5曲も作ってようやくスタート地点に立ったと思っていた。
レコーディングして、CD作って、ツアーして、企画して、ワンマンして、っていうのを、最後に1度だけでも4人でやりたかったな。
もしかしたら誰か1人でも死ぬまで4人で出来るんじゃないかって、何かしらの理由で離れなきゃいけない時期があるなら、育休や療休みたいに戻ってくるまで他のメンバーだけで続けていくんじゃないかって、思っていたよ。
未練たらたら。

こんな自分にぴったりのメンバーがこの先見つかるとは思えない。たとえそうであろうと、私はまたメンバーをイチから探し、バンドを組む。一縷の望みを信じて。もう何年もおんなじことの繰り返しである。

さて、本ブログタイトルはセカンドミニアルバム冥土の土産より、「恋はみちづれ」の一節だ。節目節目でバンドメンバーを想って作った3曲のうち、最も古い曲である。
すべてを暗示するかのように私は最初から歌っていた。
出会えたからにはみちづれなんだよね、と。

4人が4人、誰のことも嫌いにならず終われた。
それ以上に何を欲しがる必要があるだろうか。


2月22日(木)千葉モータウンクラブ
天井崇仁企画「単騎は尊貴」
OPEN 18:00
START 18:30
MC¥2,500(1ドリンク込)
【共演の皆様】
あずま(涅槃と概念)
勇助
リーノ
高木栄一郎(バーガンディーズ)


私は日立へ向かう列車でこれを綴っている。日立、柏と2日連チャンでライブして、木曜は久々の自主企画。メンバーの承諾も得たので本日のライブから、デカダンレトリヲの全3作、無料配布します!
【ソロ弾き語り】
2月17日(土)日立サウンドバッグカフェ
2月18日(日)柏616
2月22日(木)千葉モータウンクラブ※自主企画