中学2年の夏、初めての吹奏楽コンクールの話。

わが中学校の吹奏楽部は前年まで大阪府大会銀賞。
初の関西大会出場を目指して練習を続けていた。


課題曲 小長谷宗一「風と炎の踊り」

自由曲 ストラヴィンスキー「バレエ組曲"火の鳥"よりカスチェイら一党の凶悪な踊り、終曲」


余談だが、自由曲の「カスチェイ~」の原題のフランス語
"Danse infernale du roi Kastchei"。

形容詞'infernale'の部分が実に様々な訳され方があって、

「凶悪な」踊り
「凶暴な」踊り
「邪悪な」踊り
「魔の」踊り
「激しい」踊り

どれも実際のバレエでどんな風に踊られるのか、想像力を掻き立てられるが、

今までに一枚だけ、



「いやらしい」踊り

と訳されたCDを見たことがある。

これがグッときて一番見てみたくなる。




さて、この「火の鳥」。

曲の研究のため火の鳥の入ってるCDを買おう!みたいなブームが来た時期があって、

なるべく友達が持ってないCDを買って持ち寄り、土曜の昼の弁当を食べながら聴きあうのが楽しみだった。

「カスチェイ~」は僕の感覚では四分音符=152くらいがオーソドックスな気がしているが、

当時持ち寄ったCDの中で一番快速だったのがムーティ/フィラデルフィア管のカスチェイ。

曲の冒頭が四分音符=176くらいあったと記憶している。

最初が一番速くてだんだん落ち着いてくるのだが、

それでも168くらいはあったかな。


当時僕らは中学生で子どもだから、単純にとにかく速いから(もちろん演奏もすばらしかったけど)

「すげー!」っていって、それくらいのテンポでふざけて練習したりしてた。




このころ練習したことって、自分のかなり深いとこまで染み込んでいる気がする。


ドラマーは「曲のテンポ出し」や「カウント」というのをしないといけない状況がよくある。


そのため正確にメトロノームで確認することもあるが、


自分の中で、120はこれくらい、132はこんな感じ、144はこの曲のあそこのテンポ、


みたいな目安を持っている。


152はいまだにカスチェイだ。オーソドックスなカスチェイを思い浮かべるとだいたい合う。


そして168はムーティのカスチェイをイメージ。


ただ冒頭を思い浮かべてしまうと速すぎて怒られてしまうので注意が必要だ。