中学の部活の話。
結果、僕は卓球部に入った。
こう言ってはなんだけど、楽な道を選んだ。
ぱっとしない顧問の先生、
ぱっとしない同級生、
楽だけど刺激もないラケットの素振り練習、
そんな日々が続いた。
部活が始まって3日くらいたったある日、前述の友人Aが卓球部の部屋にやってきて、
吹奏楽部に入らないかとまた言ってきた。
とにかく一度音楽室にきてほしいと。
なんだかよくわからなかったけど、音楽室に行ってみた。
卓球部を抜け出したい気持ちもあったのかもしれない。
そこでは1年生の新入部員が集まって、それぞれの担当楽器がほぼ決まったところだった。
教壇には吹奏楽部の顧問の男性の先生がいた。
歓迎演奏でも指揮していたので見覚えはあった。
オールバックで強面の先生で、
割と軽い気持ちで、ちょっと覗きにいく、くらいのつもりが
どうも、入部せずには帰れないような空気感につつまれていた。
「どの楽器やりたい?」と聞かれたが、当時管楽器はラッパくらいしか知らなかった僕はしかたなく
「ラッパがやりたいです」と言ってみたが、トランペットはもうすでに2人決まっていた。
1年生ではファゴット、コントラバスが0人、打楽器が1人だったので、
バランス的にその中から選ぶしかなく、打楽器を選んだ。
1年の夏までは転部は認められていなかったが、卓球部の先生に事情を話して、
例外的に認めてもらい、正式に吹奏楽部に入部した。