【中学3年生向け】北辰テスト及び私立高校個別相談 Part1(社会科) | しがない教師の雑感

しがない教師の雑感

入試というものに、悉く失敗してきた者が、自分と同じ思いをする若人を少しでも減らせたらという思いから教師が綴る奮闘記的な何か。時々、内なる何かの発露のような感じで哲学や宗教学の話題も…

 10月の北辰テスト(第5回)が数日後に迫っている。前回の第4回テストは、国語以外の平均点が低く、難しいと感じる受験者が多かったと思う。確かに、これまで記号選択問題が多かった北辰テステで、公立高校入試並みの記述問題が課されたことで難易度は上がったように思われるが、この時期の受験生が全く手も足も出ないような難問・奇問はなかった。記述問題の対策をしているか否かで得点率が変わったテストだったと思う。第5回の北辰テストも記述問題は課されるはずなので、9月で思うような結果が出なかった受験生はいかに記述問題で得点できるようにするかを考える一か月になったと思う。

 北辰テストが難しくなったとは言え、難関私立高校のように難問は出ない。必ず教科書レベルの問題であるので、新しく何かをやるのではなく、教科書をしっかり読むことと、その内容を正確に理解する勉強が望ましい。記述問題に対応するためには、教科書の太字を丸暗記するなどの勉強ではなく、関連事項も含めて、流れや本質を理解する必要がある。
 理科や数学は門外漢なので例を挙げられないが、社会では、たとえば、「五・一五事件」というワードを覚えた所で、試験では使い物にならない。年号を合わせて、「1932年、五・一五事件」と覚えた所で変わらない。その前後に書いてある、「満州国の承認に消極的だった犬養毅に不満をもった海軍将校一団」や「8年間続いた政党政治の終わり」といった言葉も含めて覚えているかが、北辰や入試を解くポイントである。これに加え、前年の「柳条湖事件」その後の満州国の建国(五・一五事件と同年)をおさえ、この事件の後、リットン調査団の報告を受け、満州国関連で国際的非難を浴びつつ、1933年に国際連盟を脱退するという流れまで理解しておくことが重要である。「8年間続いた政党政治」というワードからも、「護憲運動」や「普通選挙法」を関連づけられればより強固な知識になる。更には、「政党政治の終わり」から「第2次世界大戦」まで関連づけられるなら、「歴史の流れ」を十分に理解していると言えるだろう。
 その他、地理のデータの読み取り、地形図の読み取り、公民の憲法前文や重要条項の暗記など、次の北辰に向けて、残り少ない今からでもできることはある。特に公民範囲は定期テストと関連してくるので効率よく勉強を進められるだろう。