---「ねぇ…」
彼女が声色を変えた。
「な、なんだよ」
「私がシャワー浴びてる時、覗いたりしちゃった!?」
「覗いてない。」
「じゃあ…覗いてみよっかなぁって思った?」
「ないない…まったくない」
「じゃあぁ…想像してみたりしたぁ?」
「俺をからかってるのか!?、今すぐ出てけっ!!」
「本当に、出て行っていいのぉ~?私いいように弄ばれたあげく捨てられちゃうんだ…。」
泣きまねをする彼女。
”まったくお構いなしだな、こいつは…”
それから変質者を見るような目で俺を見るな。
彼女は舌を出しながら…
「変態さぁん♪きゃははは♪」
はぁ…今日は厄日なのか?
ドタバタしてたせいか今更ながらに腹が減った。
「おまえ、腹減ってないか?」
「私、ダイエット中だから…」
彼女の腹が鳴ったように感じた。
仕方ないな、ピザでも頼むか…。
俺がよく利用しているピザ屋がある、家からも近いうえなかなか味もいい。
チャイムが鳴り、ドアを開けると、見慣れた顔があった。
「今晩はー♪毎度どうも。…あれ?hidさんお客さんすか?」
玄関に並べられたクツを見ながらピザ屋の男が言う。
俺が注文すると必ずこいつが来る、この地区の担当か?
「女連れ込んでるんすか?モテる男は違うっすね~」
部屋の奥をのぞきき込むピザ屋の男。
「はいはい、用が済んだらさっさと仕事に戻れ」
「つれないなー、また今度じっくり話聞かせて下さいね、じゃっ、お邪魔でしたー!」
…やっと帰ったか、でもあんな奴が店長候補とは、仕事はできるのだろう。
部屋に戻ると、ぼーっと天井を見上げている彼女がいた。
今日一日のことを頭の中で整理しているのか、明日からのことを考えているのか見当はつかない…
「俺もシャワー浴びてくるから、これ食ってていいぞ」
「ぅん…ぁりがと…。」
「だから… しおらしいお前は気味が悪い」
「うっさいわねっ!!」
罵倒を背にバスルームに向かう。
幸い?!シャワータイム中に突撃されることもなく無事に生還。
ちょっと残念。
「あれ?なんだ食わないのか?」
そこにはピザを前に膝を抱えてる姿があった。
「私、こういう食事久しぶりなの、それに誰かと一緒なんてこともなかったし…」
現代社会を象徴してるな、しかし彼女の親御さんは、食事だけには気を遣っていたとみえる。
「冷めちゃってるな、温め直すからちょっと待ってな。」
遅い夕食を終え一息つく。
「…さて、今日は疲れたろ?そろそろ寝るか…俺は明日も仕事あるし…。ベットは君が使えばいい…」
そう言いながら、ソファに横になる、これも今夜一晩の我慢だ明日には平穏が待っているはずだし。
彼女は、その場から動かず口を開いた。
「ぇ~と、あのね…私ね、お金とかあんまり持ってなくて…その…お礼とか、できなくて…」
”こいつにも感謝の気持ちは一応あるらしい”
「気にするな、見返りなど求めちゃいない」
「ホント?どうしてもって言うなら…私を…その…」
「ちょい待った!!君は誤解してるようだ。
俺には幼女趣味はない!!…それに弱みに付け込むのも俺のポリシーに反する」
「でも…でも…」
”しかし、彼女がそこまで言うのなら……”
”いかんいかん!”
「なぁ…自分を安売りするようなことは絶対するな、それだけは絶対だめだ」
彼女がこくりと頷く。
「ふっ…そういうことだ、今日はゆっくり休みなよ。おやすみ…」
「うん…ごめんなさい、おやすみ」
やがて二つの静かな寝息が部屋の中に響きだした…
続く…
