皆さんは、義手のバイオリニスト・伊藤真波さんをご存じですか?
東京2020パラリンピックの開会式でバイオリンを演奏した方としても有名ですが、
伊藤さんは20歳のときに交通事故で右腕を失い、それでも看護師として働き、
パラリンピックで銀メダルまで取ってしまうとんでもないファイターです。
その不屈のストーリーそのものも胸を打つのですが、
私がとりわけ驚いたのは、彼女がなぜ水泳を選んだか、という理由でした。
「右腕の傷跡、自分にとって一番弱い部分を見せることで、
さらに強くなれると思ったから」
というのです。
服を着ていれば隠し続けられる傷跡を、あえて水着姿でさらけ出す。
その覚悟が彼女を次のステージへ連れていきました。
私は記事を読んで、
私自身がこういう覚悟がもてるリーダーでありたいという思いと、
こういう発想ができる人材が育つ組織を育てていきたいと改めて感じました。
「弱みをさらけだせるか」
これは組織の強さを左右する、すごく本質的なテーマであると考えています。
ですが、日本は「恥の文化」とも言われるくらい、
それが最も難しい文化であるとも言えると思います。
今は若い方にもそうした傾向があるかもしれませんが、
中堅やベテランであってもそれはあるでしょう。
その空気を打破する一番の方法は、
リーダーが「失敗を語ること」「先に弱みをさらけ出すこと」です。
リーダーが先に弱みをさらけ出すことで、
メンバーは「ここは正直に言っていい場所だ」と感じるでしょう。
これが、心理的安全性の正体です。
難しい概念ではなく、リーダーが自分をリソース化する覚悟が
この文化を形作っていくのです。
さて、伊藤さんの話に戻りましょう。
彼女が傷跡をさらけ出したことで、実質失ったものは何もありません。
むしろ、水泳で鍛えた肩甲骨が後に
バイオリン演奏の土台になったというではありませんか。
あの時の彼女の覚悟が、誰も、想像もしていなかった未来を開かせたのです。
弱みを見せる、恥をさらす。
これは非常にハードルが高いように感じるかもしれませんが、
組織の文化でこれを後押しすることができます。
そして、人と組織の未来を切り拓く起爆剤になるかもしれません。
ぜひ小さくトライしてみてください!
人事コンサルタント
金森秀晃
