芸人(カートヤング)をなさっている極真の先輩が、
4月から剣術道場を開くというので、その準備に参加させていただいた。
現在は、
新喜劇や舞台で殺陣(たて)を勉強なさっている芸人さんや舞台女優の方々しかいらっしゃらなくて一般の生徒さんはこれからなんだけど、
普段、座長としても活躍なさっている先輩の稽古は、
芸人さんたちの真剣な取り組み方を引き出すような素晴らしいものだった。
(やっぱ、普段舞台でやっていらっしゃる方の剣術はスゴイね。
後輩の方の剣術も、とても刺激的で勉強になったよ。)
テレビや舞台で目にしている芸人さんや舞台俳優の方々と共に、
剣術を学んでみたいと思う方、健康、美容のためや護身術を身に付けたい方は、是非、ご注目を
(幡ヶ谷にある、千原せいじさんの主催するスタジオです。)
極真時代、
オーストラリアに遠征することがあった。
極真は出稽古の際、
『元立ち(もとだち)』といって、訪ねてきた人間が中心になって、
連続してその道場の選手を次々と相手にしなくてはならないといった歓迎の慣習がある。
その慣習に則り、
当時のオーストラリアチャンピオンの無差別級(フランク・100キロくらい)、重量級(ダニエル・85キロくらい)、軽量級(ガブリエル・75キロくらい)の3人を相手に元立ちをすることになった。
重い方からやらされたんだけど、
もちろん結果は散々で、
肋骨が折れ、顎にヒビが入り即病院に行くハメになった。
ただ、
なんと、最後の軽量級対決では相手の腹を利かせてノックアウトしたらしい。
「らしい」ってのは、
当の本人は全く記憶にないからだ。
そのくらいボロボロで、
正直、あんな苦しい思いは二度としたくない。
ただ、その時気づいたのは、
最後のガブリエルをノックアウトできたのは、
自分の力ではないということ。
(そんだけの実力は、絶対にないっっっ)
僕の入門していた道場には、
その後世界チャンピオンになられた岡本徹という選手がいらっしゃって、
毎日指導していただいてた。
僕は、
徹先輩が大好きで心からリスペクトしていた。
(・平常時において最高を期待して最悪を予測なさっている。
・常に向上を目指し一切言い訳をなさらない。
・佇まいが美しい。)
だから、
オーストラリアに徹先輩の道場からきた人間が少しでもヘタレなとこを見せたら、後の先輩の大会に響くんじゃないか。
それは絶対にできない!
日本人が根性があって絶対に倒れない、という印象を残さなくては…という思いだけだったのよ。
(もちろん、先輩はご自分で徹底した調整をなさっているので、そんなことは一切影響しないんだけどね。僕は僕なりに必死だったのよ。)
自分のことしか考えず生きてきた僕が、
はじめて抱いた使命感のようなものだったかもしれない。
自分だけのため、
よりも何かのために…
それが、
もしかしたら究極のエゴとして、
自分の力を最大限に発揮するヒントなのかもね。
僕は、
自分1人で気付き、構築したことなど何一つない。
すべて、
どなたかに教わったモノに過ぎない。
そうした、
今も活きているような精神的支柱を与えて下さったお1人が、
冒頭のカートヤング先輩だ。
素晴らしい道場になることだろう。