僕は、18歳の時に片耳を失って、
以来、大音量の耳なりが鳴り響き続けている。
ただ、
そのおかげで、以前は聞こえないものが聞こえるようになった。
僕の手が、
病気と診断されないイタミを負った人に触れたとき…
僕の言葉が、
早すぎる世間の流れと自己の認識のハザマで震えている人に届いたとき…
以前は、
聞こえなかった音が聞こえるようになった…
音は、
当初ひとつの点に過ぎなかったが、
やがて、
旋律となり方向性を持ち始めた。
だから、
僕の歩みは曲がりくねっていて決して真っ直ぐにはいかない。
僕が、
音をひとつの点、としか理解できない人間だったからだ。
人を見れば、
敵か味方か…
事が起これば、
有益か無益か…
オンナに会えば、
ヤりたいかヤりたくないか…
問題が生じれば、
逃げるか言い訳をするか…
そこに、
誇るべき行動は一つとして浮き上がってこない。
が、
点が連なると線になる。
最近、
やっとその線が方向性を示し始めた。
後は、
それに導かれるかのように自分を道具にするだけだ。
僕は、
道具として機能するためにより自分自身と向き合わなくてはならないだろうが、
今後起こるすべての点は、
自分を使い切るために僕が学ぶべき気付きの一つひとつだろう。
とにかく、
声を聴き、尊重しなくてはならない。
今日お会いした方は、
中堅の広告・印刷会社にお勤めになっているが、
現在の仕事に不満を持ち起業したいと考えていらっしゃる。
ただ、
自分も現場に出ないと成功しない、と考え技術を習得したいが、
今の仕事を続けながらできるか、というご相談だった。
毎日のように、
新しい出会いをいただく機会をもらっているが、
すべての方の声を聴いて活かす、には程遠い。
(ご一緒にやっていくことになりそうだが)
自分の未熟さ至らなさ、
に逃げ出したくなる不安と闘いながら、
まずは、
一つひとつ真摯に向き合うことしかできない。
改めて、
そうした認識を確認させていただくような、
有意義な時間でした。