余裕?
それとも怠慢?」
「ほんとに久しぶりだ。
君が出てくるタイミングも段々分かってきたよ。
余裕?
不完全な状態を受け止める余裕はできたかもね。
怠慢?
より激しさを求めてしまうことが怠慢ならそのとおりだ。」
「慣れたものじゃない。
あなたの客観視に私はもう必要ないということかしら。
でもね、
せっかくだから教えてあげる。
あなたの場合、
削ぎ落としすぎなのよ。
もっと無駄があってもいいなじゃない?
もっと遊び心があってもいいんじゃない?
もっと共感があってもいいんじゃない?
もっと物語があってもいいんじゃない?
もっと調和があってもいいなじゃない?
「真剣」もいいけど、
熱過ぎるのよ、あんた。」
「今は、まだ必要ない。
その時期じゃないんだ。」
「勝手になさることね。
あんたみたいな輩についていこうとする人間の気がしれないわ。
よっぽどのロマンチストか、
際立った現実主義者じゃない?」
「いいじゃない。
それこそが、今後のカオスを生き残っていく、
正しい、人の在りようだよ。」