昼過ぎ、
この春に、
香港で会社を設立なさるNさんと銀座でお話をしていたら、
松屋で、
川喜田半泥子の展覧をやっているから是非、と勧められて、
最終日だというので、
その足で急いで行ってきたよ。
Nさんに教えていただくまで、
この半泥子という人を知らなかったんだけど、
百五銀行頭取などを歴任した実業家であったにもかかわらず、
50歳を過ぎてから、
作陶に没頭して、
「東の魯山人、西の半泥子」とまで言われるほどの、
陶芸家でもあったらしい。
陶芸に関しては、
生涯、
数寄者としての姿勢を逸脱せず、
作品を売るようなことはなかったようだ。
停滞していたと言われる陶芸界に、
新風を吹き込み、
「破格」
と評されるその作風は、
厳しい実業界のハザマで、
孤高と無常の中育まれたのかもしれないね。
彼の日記には、
「夜…茶杓一本削る…」というフレーズがよく出てくるそうだ。
激しい一日の終わりに、
一本の茶杓を削る時が、
無上の喜びを感じる時間だったんだろうね。
いいね…
茶や陶芸、
今から触れておくのもいいかもね。
仕事の合間に、
すっげえ贅沢な気分転換ができたよっ
Nさん、ありがとうございます!
写真は、
織部黒茶碗の「暗香」という作品。