サッカー選手に対する欧州の社会的サポート | 和久井秀俊オフィシャルブログ「海外サッカー選手のホンネ」Powered by Ameba

サッカー選手に対する欧州の社会的サポート

 

 

アスリートの現状

 

 

目に触れる機会の多いプロスポーツやエリートアスリート全体は、高給または経済的に独立していることがほとんどです。しかし「転換期」には、多くの場合に経済的な支援が必要になります。

 

 

 

それは親や親族などからの援助、不安定な労働契約、雇用、失業手当など、短期的な資金調達に流れます。現実には、活動費、競技力の維持、向上への肉体的、精神的、金銭的な負担、また高額な医療費などは、特に個人スポーツアスリートを苦しめます。

 

 

 

サッカーでも転換期には、必ず上記の問題は起こります。特に、集中的なトレーニングによる慢性的な怪我や事故、負傷でキャリアが短く、終わってしまうこともあります。EUComissionの調査では、プロバスケット選手の31-35歳に達するプレーヤーの50%以上が6週間以上の怪我を負っているというデータがあります。

 

 

 

サッカーの場合は、クラブによってある程度保証されている場合もありますが、怪我を負ったまま退団する場合もあります。その他のスポーツでは、負傷した場合の特別な資金やスキームが確立されている訳ではありません。適応される保険も危険な活動の下で行われる保険料は高額です。

 

 

 

欧州各国の取組み

 

 

こうした課題を解決するため、国や機関によって様々なサポートをしています。

ルクセンブルグでは、スポーツ協会で発行された免許を所有するすべてのアスリートの保険契約でスポーツ障害を保護しています。

 

 

 

イタリアでは、CONI(The Italian Olympic Committee)が、SPORTASSアスリート保険として基金を提供していて、オリンピッククラブのメンバーであるプロアスリートに適応されています。またバスケットボール界では、年金積立金を採用しています。

 

 

 

デンマークでは、プロアスリートは優遇税制を適用した年金制度を利用し、教育プログラムやビジネスを確立したりもしています。

 

 

 

フランスでは、ハイレベルのアマチュアアスリートに対して現役中の社会保険料や年金の保証する制度もあります。

 

 

 

社会的にどのようなアスリートをどの段階でサポートをしていくのか、国や機関によって異なり、その方法も様々です。各競技でその体制も全く異なることも踏まえると、個人的には競技以外の能力への直接的なサポート、その環境を作るための間接的な時間やプラットフォーム、モノへの投資がオープンデータで作られていくとより健全な体制が作られていくと思います。

 

参考:

EUComission(EUの執行機関である欧州委員会)