スポーツスタジアム建設のトレンド | 和久井秀俊オフィシャルブログ「海外サッカー選手のホンネ」Powered by Ameba

スポーツスタジアム建設のトレンド

Stadium Texas (photo from pixabay)

 

 

進む新スタジアム建設

 

前回、世界では2007年以降、365のスタジアムプロジェクトがあることが分かりました。ではこうした世界のスタジアムのトレンドを見ていきたいと思います。

今回も、UEFAが報告したベンチマーキングレポートを参考に考えていきます。

 

 

 

世界のスポーツスタジアム全体で、2017年は最もスタジアム完成予定の数が多く、43スタジアムとなっています。その内、34スタジアムが新スタジアム、4スタジアムが建て直し、5スタジアムがリノベーションの内訳となっていました。

 

 

 

2007年の365スタジアムの内、57%が新スタジアム建設、リノベーションが35%、建て直しが8%となり、新スタジアム建設プロジェクトがより進んでいます。

 

 

 

スタジアム建設が最も多い国

 

 

2007年以降、最もスタジアム建設に力を入れている国はどこでしょうか?大陸ごとにみるとヨーロッパでしたが、国別に見ていきます。

 

 

10 南アフリカ(6スタジアム)

9. イラク(6スタジアム)

8. フランス(6スタジアム)

7. イングランド(6スタジアム)

6. ブラジル(7スタジアム)

5. ドイツ(8スタジアム)

4. ロシア(14スタジアム)

3. ポーランド(14スタジアム)

2. トルコ(18スタジアム)

1. アメリカ(46スタジアム)

 

 

ヨーロッパの国々が並んでいますが、アメリカが群を抜いていることが分かります。

 

 

 

特徴あるスタジアム建設

 
 
こうしたスタジアム建設プロジェクトでは、様々な目的で作られます。最も多いのは、スポーツクラブのプロジェクトとして、365スタジアムの内57%がそれにあたります。国立スタジアムとして協会が所有するスタジアム建設は、約5%。
 
 
 
そしてFIFAワールドカップやUEFA EURO、オリンピックゲームなどによって作られるスタジアムもあり、ポーランド(3スタジアム)、ロシア(11スタジアム)、ブラジル(5スタジアム)、イングランド(1スタジアム)、南アフリカ(6スタジアム)などがそれにあたります。全体の16%にあたる数です。
 
 
 
そしてこのトップ10の中で最も注目すべきは、大学のスタジアム。唯一、アメリカが46スタジアム建設の内、20スタジアムがそれにあたります。全体の22%にあたります。残りは、クラブチームスタジアムとなっています。
 
 
 
アメリカのプロサッカーリーグは、観客のためのスタジアム建設に集中して予算を投下してきました。文化も異なりますが、大学のスポーツ大会は多くの人を呼び込みます。6万人を超える大学のスタジアムが毎年のようにリノベーションを繰り返しています。
 
中でもアメリカンフットボールのNCAAは、世界で6番の観客動員数を誇ります。
 
 
 

近年のアメリカのスタジアム

 
 
アメリカのスタジアムプロジェクトは、観客収容人数も特徴的です。
 
2009年 68,500人収容 Levi'sスタジアム
2013年 71,000人収容 Mercedes-Benzスタジアム
2014年 65,400人収容 U.S. Bankスタジアム
2017年 70,240人収容 City of Championsスタジアム
 
 
スタジアム建設プロジェクトの多くが、
アメリカの大学とプロクラブのサッカー、アメリカンフットボール、野球のスタジアムと
ヨーロッパのサッカークラブスタジアム
というのが大きく見えてきました。
 
 
次回はもう少し、欧州のスタジアムについて見てみたいと思います。