(注)この作品はDVD化はおろか、LD化VHS化すらもしてなくて、過去に2度?程とかテレビで放映されたっきりらしいので、ほとんどの人が知ることのない幻の作品です。しかしながら映画秘宝などの雑誌での地道な啓蒙活動により、一部のマニアに知られるところになった‼とても緊迫感のある良くできたサスペンス?な歪んだ青春映画のようなそんなシャシンとなっております。
ロナルド・ウィルビーはモジャモジャくせっ毛のソバージュヘアのようなロン毛に度の厚いメガネののび太みたいな青年である。学業の成績は優秀なのか?医者を目指しているらしい。ロナルドを溺愛するママンと二人暮らしである。
ママンに誕生日をケーキで祝ってもらい、オニューの工具一式セットや絵の具をもらい、ウキウキ気分で出かける。ロナルドはその足でクラスメイト?か何かわからないが、自分よりも背の高い美少女を「映画でも観に行かへん?」とナンパをする。プールで遊んでいる彼女とその友達たちはロナルドを全く相手にはしてくれない。完全玉砕で、いたたまれなくなったロナルドはそそくさとその場を立ち去る。
ロナルドは慌てて植え込みから道路に飛び出したため、自転車で通りがかったキャロル(推定小学校高学年か中坊)にぶつかってツっ倒させてしまう❗
幸いどちらも大したケガはしなかったが、立ち上がったキャロルはロナルドに対して「うちの姉ちゃんがおまいみたいな🌑🌑カス野郎を相手にするわけないだろ~が!!このバカヤローが(みなみけの千秋風)」とボロクソに罵倒され、おまけに愛するママンのことまで変人とバカにされる。
頭がプッツンキレてトサカにきた💢😠💢
ロナルドはキャロルの両頬をガッシリ掴んで「今言った事を訂正しろや❗オラァァァァァァ❗❗」とグイグイ押しまくったら…………
キャロルは転倒してドタマを植え込みの石のところに直撃してしまい、頭を強打してしまったせいか?そのまま死んでしまった( 。゚Д゚。)
ロナルドは逃げるように家に帰り、ことの次第をママンに相談する。警察に自首スマスタしようと考
えているロナルドにママンは「おまいは悪くない」と自首を思いとどまらせる。警察に取っ捕まるからどげんかせんといかんと考えママンはひらめく💡
家の中央部にあるバスルームの入り口にベニヤ板と壁紙を貼りつけ隠し部屋を作ろうと提案する。DIYは得意なのか?二人は即興工事で、はたから見たら全くわからないよう、忍者屋敷の隠れ部屋のような特殊ルームをこさえる。
程無くして警察がロナルドの家に聴き込みにやって来るが、ママンはしれっとロナルドが帰って来てないことを警察に告げる。ロナルドは逐電したのでは?ということで捜査が家に及ぶことはなかった。
こうして不慮の事故だったとはいえ過失致死で警察に御用にならずに済んだロナルドは長期自宅警備に備え、保存出来る食料は秘密部屋へと運び込み、ママンとの秘密の合図も決めて万全の態勢でヒッキーに備えるのである。今みたいに便利なパソコンやスマホなんか無いので、ロナルドは自らのライフワークである空想の王国『アトランティス王国』の製作?に取りかかる。壁にピラミッドの壁画のように、戦国時代のお寺の襖絵のようにアトランティス王国の絵を書き連ねていく。でもなんだか雑で水森亜土の絵をもっと大雑把にしたような感じです。
そしてロナルドは「おそ松さん」のように大人になっても定職に就かず、愛するママンに守ってもらって2ちゃんに書き込みでもして一生を過ごしていくのかと思いきや………………………………………………………………………………
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普段から病気がちで具合悪そうだったママンは病状が悪化して入院を余儀なくされてしまう。そしてそのまま入院先の病院で息を引き取ってしまったのであった‼‼
外に逃げ出す訳にもいかず、かといってこのまま隠し部屋で孤独死する訳にもいかずどないしよ~と悩んでいたかどうかはわからないけれど、そんなロナルドの個人的な事情など知る由もないママンの姉?か親族の人が空き家❔❕となったウィルビー家の豪邸を売りに出してしまう( ´゚д゚`)アチャー
そのまま自宅警備を継続しているロナルド宅に新たな家族が引っ越して来る。夫婦と三姉妹の5人家族である。ロナルドはこの家族が越して来る前に得意のDIYか?秘密部屋から各部屋に通ずる通路を作り、そこにさらに覗き穴を作り各部屋を一方的に監視出来るように仕上げていた。
この家族の三姉妹は三人とも美形のカワイコちゃん(死語)である。おそらくロナルドと年の近い一番下の末娘のバブスに一方的に惚れる。
「ビューティフル‼彼女はまさしくアトランティスの王女だヮヮヮヮ」
ロナルドはすっかし現実と妄想の境目を無くしていた。風呂を改造して作った秘密部屋なので風呂に入ることもなく、服は絵の具でワケわかんない色に染まり髪もボサボサで、すっかり新宿や上野で生活している路上生活者と変わんない様相である。
ハアハア(・´д`・)
家族が出かけている間に冷蔵庫から食料を盗み食いして、飢えをしのぐ。思春期&中二病真っ盛りのルンペンみたいなカッコをした危険人物が人知れずに同居しているなんて家族の誰も伺い知ることは出来ない。各所に開けられた覗き穴で映画内ではさすがに描写はないが、三姉妹の着替えや🌑🌑🌑🌑などや、夫婦の夜の営みか?チョメチョメなども覗かれていたのかもしれない??100%ソウカモネ?
ロナルドは家族の団欒である晩飯時を穴から保存食をボリボリかじりなから観察していた。よく見ると一番上の姉貴が彼氏であるドウェインを伴って連れてきている。ドウェインは家族に、ここにはあなたたちが越して来る前に異常者の親子が住んでて、そこのクレージー息子のロナルドにワイの妹のキャロルを殺されたんですわ(._.)今じゃアイツは行方不明で死んじったかもしんないけんど取っ捕まえて復讐してやりたいヮヮ~と過去をすっかしネタバラシしてしまう。
ロナルドは指を咥えながらブツブツ呟いていた。
「僕のサンクチュアリを乱す悪い魔法使いが来やがった‼平和を乱す使徒は全て殲滅しなければ僕らに明るい未来はない‼汚物は消毒だ❗❗❗」
本来なら存在しないはずの家族以外の何者かが潜んでいて、家の中を縦横無尽に勝手に蠢いている。ロナルドはもはや正常な感覚や常識的な観念は失われていた。姉貴の日記を盗み見したりして、姉妹同士でも人間不信に陥る。
隣家のオバハンが玄関先でバッタリロナルドと鉢会わせして、仰天して階段から転げ落ちて死んでしまう!!ロナルドはヤバッと思ったのか?地下にオバハンを埋めてしまう。それで心の理性のたがが外れてしまったのか?かねてからの計画であるバブスを拉致る計画を決行する。
家にバブスが一人っきりの時を狙い、唐突に彼女の前に小汚ないルンペンスタイルで現れる震えて固まっているバブスにロナルドはバブスに愛の告白をする。
「アトランティスの平和を脅かす悪い魔法使いは駆逐された!運命の恋人である君はアトランティスの王子である僕と結ばれるのさ……」
バブスは懸命に逃げて誰もいなくなった隣家に駆け込んで助けを求めるがもはや誰もいない。ロナルドは彼女を首尾よく追い詰め、地下室に逃げ込んだのを確認して地下室を施錠して幽閉することに成功する。
帰ってきた上の娘たちがバブスがいなくなったのを心配して彼氏のドウェインを呼び寄せる。しかし不意をついてどっ突いて倒し口を塞ぎ縛り上げ秘密部屋に監禁する。おとなしくしとけや‼と脅すが、ドウェインはフガフガ暴れて抵抗する。
なんか下の階が騒がしいな?と姉貴二人が上階から降りてくる。真ん中の姉貴が写真の額縁の下から穴が開いていてそっから不自然に光が洩れていることに気がつく。
真ん中の姉貴は恐る恐るその穴ぼこを覗き込むと・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ギョッ❗❔(;゜∇゜)こちらを覗くロナルドの眼球のドアップが❗❗❗❗❗❗❗❗❗❗❗❗
ロナルドもビビった😱のか?ベニヤ壁をぶち破り、つまずきつんのめりながら玄関へと逃げ出します。姉貴二人も変なおじさんならぬいるはずのない謎のルンペンがいたもんですから❗衝撃を受けることマチガイナシです。
ロナルドは玄関を開けて外へ階段を降りて前のめりで転んだところを到着した警官たちに取り押さえられる‼
いつしか?隣家に閉じ込められていたバブスにも救出されお父さんに抱きついていた。
ロナルドの「ママ〰」の絶叫とともにENDとなる。
この映画は80分弱の短い中篇で、スタートしてテンポよくストーリーは進んであっという間にクライマックスになります。誰もいるはずのない覗き穴を覗いてもう一方の覗き穴から別の目が覗いているなんて考えたらゾッとするわ(@_@;)
単なる火曜サスペンス劇場のような、テレビで午後のロードショーとかでオンエアしてるような作品ではありますがストーリーにグイグイ引き込まれます。
引きこもって精神に異常をきたしておかしくなっていく男子は日本でもたくさんいるとは思います。それに加えて思春期の少年のちょっとした運命の歯車が狂うことによって連鎖的に起こっていく悲劇をとても静かに丹念に描いていると思います。
それでいて役者たちの配役もグッドです🎵ロナルド役のスコット・ジャコビーは多分高校生でなくて大人だと思うがとってもとってもオタクで内向的なロナルドに嵌まりすぎなくらいに嵌まっている。ロナルドの逃亡幇助をするママン役のキム・ハンター(猿の惑星に出てた)も野際陽子並みにドギツイ男の子を溺愛するママン役にピッタシです。そして三姉妹がバブスを始めとして三人とも皆ギザカワユスなのがポイントです。こんな美女たちの生活をネット動画なんかでなくてリアルにライブ中継で好きなように好きなときに覗き見出来るなんて男の邪な欲望を叶えさせるなんて映画ならではの非日常ではありますがまさしく男のロマンです。
監督はスティーブ・マックイーンのラスト遺作「ハンター」を撮ったバズ・キューリックです。映画的な劇画的な派手な演出やタイトルにあるような場末のロマンポルノのような、エロ的な要素は皆無です。むしろ演出は淡々としていて丁寧です。
この映画を日本で知っている人がどれくらいいるかはわかりませんが、もしも陽の目が当たって発売されるようなことがあれば是非とも観てもらいたいキョーレツな一本です。
またまた新年早々、カルト過ぎるくらいカルトなのをアップしてしまいましたが、お気にめしていただけましたでしょうか??
木曜ロードショーのエンディングではないですがあなたのハートに何が残りましたか?なシャシンなんですわ(*^^*)