「ゾンビ」の監督、ホラー映画界の大御所❗巨匠とでも言うべきか?ジョージ・A・ロメロ監督が最近にお亡くなりになりました。残念なことです。
そんな巨匠の作品にもかかわらず評価もあまり芳しくなくて、またマイナーすぎて知っている人すら少ないかもしれない本作ではあります。
ヘンリー(ジェイソン・フレミング)の憂鬱な朝が始まる。剃刀のコマーシャルみたいなオープニングで始まる。ヘンリーは鏡に向かい支度をしている最中・・・拳銃で頭を撃ち抜いて自殺する妄想をしてハッ(゜ロ゜)とする。
愛するかみさんのジャニーンはまだお眠💤のようでベッドの中である。サッとスーツに着替えラジオをつけると、文無しになったと言う男の人生相談をしている最中に相談者の男が拳銃自殺をしてしまうのをリアルに聴いて他人事ではないと思ってしまう。ペットのトイプードルの餌やりをしようとすると犬公までも「うヴヴ〰」と唸っている有り様である。
朝早くから出勤するところを、ダチのジミー(アンドリュー・ターベット)が颯爽と新車のベンツで通りがかったので駅まで乗せてってもらう。証券マンのジミーに資産運用を頼んで任せているらしいが「最近景気悪くてね~」と言われてそれ以上は突っ込めない。駅に着いて列車の順番待ちをして並んでいると横から割り込んで乗り込む女子がいる!ヘンリーはあったまにキテ、この女子を引きずり下ろしてハッ倒して線路に頭を押さえつけて列車に轢かれさせる!!がこれも彼の頭の中の妄想であって、この電車を乗り過ごしてしまう。
ヘンリーの出社先は『BRUISER』と言う雑誌社。PLAYBOYやペントハウスみたいなもんだろうか?ここのワンマン編集長のミロ(ピータ・ストーメア)の号令で会議が行われていた。雑誌の表紙を飾るカバーガールの選考であった。髭を蓄えたオールバックのいかにも業界風ちょいワルオヤジ的な風貌のミロはミロのかみさんのロージーとヘンリーが推したブロンド女子をさんざんこき下ろしバカにして結局自分の独断で東洋系の女子に決めてしまう。
ヘンリーはミロにブルーザー社主催のバーベキューパーチーの準備雑用も命ぜられていた。でそのパーチーには妻同伴だかんな‼と言われる。
華やかでバブリーなバーベキューパーチーが行われている中でヘンリーはアーティストでもあるロージーが造るデスマスク造りのお手伝いをしていた。自分にそっくしの型のデスマスクをもらって複雑な気持ちになる。ふと見るとプールの向こう側で愛するワイフのジャニーンがミロとイチャコイてやがル❕❕❕❕
バーベキューパーチーからの帰り道、ヘンリーはジャニーンを問い詰めると・・・ジャニーンは謝るどころか逆ギレして「こんなに稼ぎが悪くて、浮気しているところを見てもミロやワテシをぶん殴ることも出来ない意気地無しのカス男くん❗❗おまいは先に帰って一人で寝てろや!!」と車からヘンリーを叩き降ろす。
「おいらだって……家庭のために一生懸命やってきたのにそれなのに…」といじけているヘンリーはまた頭の中の妄想でモップを手に取り車のフロントガラスを叩き割ってジャニーンを懲らしめているのを想像していた。その間にジャニーンは車を走らせる。
悲しみにうちひしがれたヘンリーはそのままふて寝してしまう……………………………………………………………
翌朝、いつものように目覚め腕立て伏せをして、鏡に向かい髭を剃ろうとすると?!?!?!
「千と千尋の神隠し」のカオナシのような「ファントム・オブ・パラダイス」のような無機質な真っ白い仮面がへばりついてヘンリーの顔をすっぽりと覆っていたのである。ヘンリーは頬を引っ張ってみたり、カミソリの刃身をあててみたりするが白仮面は剥がれず血が出てくる❗ヘンリーはどうやらこの白マスクが完全に取れないことを把握する。
そこに家政婦のミタならぬ家政婦のケイティが「車庫の戸が開いてましたよ不用心ですね。泥棒が多い世の中ですから気をつけないと…」とやってくる。ヘンリーは遠巻きケイティがヘンリーの財布から金をくすねているのと小物をカバンにポイポイ入れているのを見つける❗そしてブツブツ独り言を言っているそのうちのスペイン語で「おまいの母ちゃんデベソ最低の売春婦」「全く相変わらずのマヌケヤローだっぺや」と言っている心の中までお見通しになっていた。手癖の悪いケイティにお仕置きの昇竜拳をくらわす。
一発KOされたケイティの死体をビニールシートにくるんで隠していると……
「お~いクズ男wいるか?」とジャニーンが帰って来る。足下では駄犬トイプーが餌を求めてワンワン言ってるので抱っこしてヨシヨシとおさえつける。ジャニーンはヘンリーがもう出てっていないもんだと思い込んでてミロと落ち合う?!と言うかセクロスありのデートの約束を堂々と電話していた。
車に乗って出かけるジャニーンをすぐさまもう1台所有している車で後を追っかける。ジャニーンはブルーザー社の前に車を停めオフィスへと入って行く。休みの日なのだろうか?閑散としたオフィスの会議室の机で二人は早速エッチをおっ始める(^^;
獣のような声でよがっていると不意に会議室の戸がフルオープンしてフルオート連打でパシャパシャ「浮気の現場撮ったり❕❕」とロージーに丸々撮影される。文春砲みたくされてはかまわんとエッチを中断してズボンも穿かずにロージーを追っかける。一人取り残されたジャニーンは上着を羽織ってしらけていた。
そこにカオナシヘンリーは現れる❗❗❗
「完全にイカれてるわ❗」
「イカれてはいない…すべてが虚しいだけだ。僕にはもうなにも残っていない…」
ギョヘ(;゚∇゚)とそのただならぬ変わりようにビビり狭い会議室を逃げ惑う。テーブルの下に潜り込むが……直ぐにカオナシヘンリーに捕獲され首吊りハンギングされ吊るされる
1階ではミロとロージーが言い争いをしている。ロージーは車を急発進させて行ってしまう。すると⁉窓ガラスをぶち破ってジャニーンは絞首刑状態に吊るされる( ̄□||||!!
あたかも「オーメン」の序盤の乳母の首吊り自殺シーンみたくなってしまう❗❗
警察が駆けつけてブルーザー社は野次馬も集まり騒然となる。ヘンリーはそんな混乱を後にして家へと戻る。ケイティの死体を隠して床にこびりついた血痕を掃除する。早速警察がジャニーン殺しの容疑者扱いか?ピンポンピンポン玄関の呼び鈴を鳴らしている。ヘンリーはピストルを手に取り銃口を顎に向けて構える。でも警察はヘンリーではなく会社で一人居残り残業をしていたトムかミロの妻であるロージーの方を容疑者として疑って賭けをしていたので、とりあえず自殺するのを思いとどまる。
ヘンリーは家の中を引っ掻き回してピストルを乱射して自分のクレジットカードの写真などをぶち抜く❗❗
ケイティの死体を重しと共に海に沈め、家政婦派遣センターみたいなとこに苦情の電話を入れておく。
家の中を再び家捜しして資産運用のファイルとかを見つけて気がつく。親友であるはずのジミーは株式売買の利益をちょろまかしていて自分の懐に入れている‼
一人スカッシュをしているジミーのもとにフラリと近づくヘンリー。
「おい?!ビックリするじゃないか?」と突然の来訪に驚くジミーにヘンリーは尋問する。
「株式の明細のことでチョイとおまいに話がある。おまいと俺はどういう関係だったけ?」
「ずっと昔からの長い付き合いだよな」
「長い付き合いの友人から金を盗んでもいいのか?おまいは?あのベンツボも俺の金をギッて手に入れたのか?」
ジミーは大声で叫んで助けを呼ぶ。でも二人以外に人っ子一人いる気配はない。ジミーに静かに近づいて後ろから突き飛ばす❗
ジミーはスッ転んで「痛ッ?!
骨が折れたよチクショー」と泣き叫ぶ。
「おまい委任状の代理人のとこに勝手にサインしたろ?」とピストルを突きつけられる❕❕
「おい?正気か?………わかったよ認めるよ。君の金をギッたよ。2年間で30000ドルほどだ。それだけだよ。しかもこれはジャニーンの考えだよ。彼女が大部分を持ってったんだよ。神に誓って盗んだ金は返す。だから勘弁してくれ。この小切手に好きな金額を書いていいからさなっ」
しかしジミーはカバンから小切手を取り出すかと思いきや…ピストルを取り出してヘンリーに向けて発砲してきたので、ヒラリとよけて応戦してジミーの胸元めがけて銃弾を撃ち込む❗❗
友人である立場を悪用したジミーをベンツに乗せ海へと落とす。そして一人呟く。
「男がダイヤの指輪を買いに…自分が王でないと気づいていない。キラキラした偽のダイヤの指輪を買った。だがその輝きは台座の真鍮の輝きだったのだ…男は有り金を全部はたいた。宝石商は詐欺師だったのだ…詐欺師は王族と言うのは足に指輪をするんでさ~と言うので指輪を足にはめ誇らしげに歩いた。その靴の中には指輪が……おまいは王ではないと教える者は一人も………」
警察はヘンリーとロージーの他に、事件の時会社内で一人で仕事をしていたトムも疑いをかけて取り調べをしていた。トムは社内から去るカオナシヘンリーを目撃していたが、固く口をつぐんでいた。
ヘンリーの次なる標的は人のことをさんざん小馬鹿にして、ジャニーンと浮気しても全く悪びれることのないスーパーパワハラマンのミロである。ミロの豪邸に静かに刑事ドラマの刑事のようにピストルを構え忍び込む。
ミロはジャグジーで今度表紙のカバーガールになる女子と一緒に混浴していたのだが、いつものように超エロモードになってくれない?元気くんがしぼんだままである 次なる獲物が自分であると恐れているからであろうか?カバーガール予定の女子に一緒にこの町から出ようか?なんて話しかけている。ヘンリーは一旦ミロを射殺するのを止める。
ヘンリーは今度は自分のカオナシマスクにアートを施すかのように迷彩を塗ったくていく。そしてもう一回ミロの豪邸に行く。今度はミロではなくロージーに会いに来たのであった。
「何をしに来たの?」
「町を出る前に君と話をしときたかったんだ」
「君が起きるまでに仮面の仕上げをしていた」
「それって私の作品かえ?」
「違う❗これは僕自身。まさに素顔さ」
「今まで臆病者だった僕が一流の侵入犯だヮヮ。裏手から入らせてもらった。外にはパトカーがいっから」
「あの殺人事件があって気が咎めるの……私にも責任があって。知ってたの」
「ミロと僕の妻との関係をかい?いつから??」
「つい最近よ。今のあなたは何だか怖い……」
「嘘や裏切りばかりだったからさ…だから報復せざえるをえないそうだろ?」
「もちのろんよ。でも『君にも動機が…』と言われてまさかあなただったとは」
「殺した❔❕ってことか?
ヘンリーが殺した?ヘンリーって誰だ??
あのネズミヤロー。未完成の家でうごめいているアイツのことか?」
「なぜここから出ていこうとしないんだ?何も考えずに行動に移せば簡単なことじゃないか?」
「あなたの殺人のように?」
「頼む❗冷静になッてくれ」
「気持ちはわかるわ十分に。裏切られるってことは非常に辛いこと。でも殺人は許されないし忘れられない」
「裏切りに耐えるのは自分への裏切りと…同じことだ。もう耐えられない❗❗君は黙って耐えるのか?」
二人は本音をぶつけ合う。そしてヘンリーはテレビ局へ「カオナシの正体は僕さ。ヘンリー・クリードローだ」と告げ行方不明者の死体は海の中だ!と犯行をばらしてしまう。警察はバカだからトムを疑っているが違う。ロージーもまた事件には無関係だと誰もが知り得なかったことをみんな話してしまう。
ロージーに別れを告げ豪邸から去っていく。
シャーマンのような不気味な死化粧のようなメイクをしたヘンリーはミロ主催の仮面舞踏会のようなイベントに普通の参加者のように紛れ込んでいた。そこには警察もカオナシ殺人鬼を捕まえちゃると数名潜入していたが、メイクを施している上に他にも似たようなデスマスク仮面をつけている奴が多数いるのでヘンリーを特定するは困難であった。
ヘンリーはテンションハイのアゲポヨ状態のミロにさりげなく挨拶して、照明や音響エフェクトを担当している裏方の兄ちゃんのところに行く。そしてレーザーポインターみたいな装置を見つける裏方兄ちゃんが「あ〰❗それは危険だっぺや気をつけてくれ!そのレーザーは太陽光の倍の温度はあっから~」と注意するよう言われる。何でそんな物騒なもんが一介のライブハウスにあるのかは謎ですが……
ヘンリーはニヤッ(  ̄▽ ̄)とする。
ライブ会場のボルテージはマックスハイテンション(*>∇<)ノなタテノリ状態が続いている。そこに警察の一味に紛れてロージーの姿があった。ライブギグの喧騒の最中、ヘンリーは「オペラ座の怪人」みたくロージーを連れ出す。ロージーは純粋にヘンリーを心配して「ここから逃げへんとポリスメンたちに捕まるよ」と逃亡を促しますが、ヘンリーにとっては復讐リストの最終ボスキャラであるミロを仕止める千載一遇のチャンスである引き返せるわけがない。ロージーの頼むのを突き放して再び会場へと戻る。
ミロはトイレに行っていると聞いたヘンリーはミロを捕獲しに行く。トイレでは「あ~んカミングカミングもっと~ぉん」とイカニモな悶え声が聴こえてきてた。トイレからスッキリ顔で出てきた。
ヘンリーはミロに「イベントのグランドフィナーレを飾ってほしいんだけど…うってつけの大役があるんだけどやってもらえないかな?」と持ちかける。
ミロは堂本光一の舞台のごとくワイヤーアクションのように舞台の上からゆっくりと降ろされて来る。
「オデは自由に大空を舞う。空を自由に飛べるんだ!お~いティンカーベルはどこだ?」とアゲポヨ有頂天気分で揚々としているところをレーザーポインターの照射するところを占拠したヘンリーがレーザー装置を使ってブルーザーな暴れん坊股間をレーザーで焼き払う❗❗|д゚)!!
たまらず悶絶して悲鳴をあげるミロのデコめがけてレーザーをお見舞いしてとどめをさす。
警察が必死にカオナシヘンリーを探しているけど…ライブ会場の客席に紛れ込んでいるヘンリーを見つけることは出来ない。そのヘンリーに女子が声をかける「ヘンリーいたんかえ?」
驚いた👀‼ヘンリーは彼女に聞き返す。
「オデの顔が判るのか?」
「ええもちろん」
「顔が戻った❗🎵」
ライブ会場をひっそりと去るヘンリー
ロージーは警部のオッサンに「奴を見かけたら一報ください」と頼まれる。
ジョージ・A・ロメロと言えばまず思い浮かぶのは「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」「ゾンビ」「死霊のえじき」のゾンビ三部作でしょう。チョイ前にも「ランド・オブ・ザ・デッド」「ダイアリー・オブ・ザ・デッド」「サバイバル・オブ・ザ・デッド」などなどゾンビ映画監督の第一人者であると思います。その後のゲームや小説などでも出てくる現在のゾンビの姿を確立させたと言っても過言ではない巨匠です。
そんな彼の作品にもかかわらず、評価はあまり良くなくて地味だとか、最後が変だとかあまりいい評価を聞きません。
映画の公開も渋谷?だったかな?ミニシアターでの単館公開のみだったような気がします。
誰しもが抱えている現代人の抑圧された悩みが鬱屈がたまりにたまって爆発して、プッツンキレて信じていた相手に裏切られたのも相まって殺人への衝動を駆り立てる。何かサスペンス劇場とかでもありそうな雰囲気ですが…そのはロメロ流の皮肉とブラックジョークの効いた現代風寓話に仕上げた感じです。ゾンビだけではないロメロの違った一面を垣間見れるなかなかな作品であると思います。
「マーティン」や「モンキーシャイン」なんかと見比べてみると面白いかもしれません。
8月に入ってから半ばも過ぎましたが……雨続きの日々でちょっと憂鬱ですね。比較的に涼しいのはいいですが異常気象ではないか?と心配になります。梅雨以上に雨が続いて大変ですが皆さま頑張ってお過ごしください(*^^*)