上手くなりたい!!!
ちなみに、女子系のマンガやなんかで眼の幅の大量の涙を流すアリエネー描写の元祖は「巨人の星」の星明子が最初と言われているそうです??
前回からの続きを投稿したいと思います。アニオタなんて偏見しないで最後までおつきあいください。
あがた祭りが終わって、夏真っ盛りの暑い季節になってきて、北宇治高校吹奏楽部は夏期コンクールに向けてと、その前にコンクール選抜のためのオーディションに勝ち抜くための猛練習が始まる。
あがた祭りで一皮むけた久美子はチューバ担当の後藤先輩や田中あすか副部長からも演奏に味が出てきた。向上してきたと褒められ少々照れぎみであった。それに対して川島サファイアが加藤葉月の背中を後押しした負い目を感じていて、落ち込んでいたため田中あすかに演奏の微妙な乱れを指摘される。
田中あすかもまた高坂麗奈のような孤高の天才であり、自分の私情を練習や部活にまで持ち込まれ、練習に支障をきたすことに強く嫌悪していたのであった。
部活終了後の夕方、久美子と葉月とサファイアは公園に佇み、葉月が落ち込んでいるサファイアを逆に慰める。
久美子と葉月は電車で一緒に帰る。
「ごめん。むしろ私の方が悪かったかな?って……」
「悪いって言ったらむしろワタシの方が悪いよ。久美子は気が弱いところがあるから、ワタシが先手をとったらイケちゃうかなって?………………ごめんね(/o\)ワタシ最悪な女だよね?」
葉月はどこまでもいい人で、自分の恋愛よりも塚本秀一と久美子のビミョーな関係を把握して友情のためにあっさりと身を引く覚悟のようである。
翌日から、いつもより朝早くから登校して朝練に励む久美子。
「あれっ?いい音。あすか先輩かな?」
と向こう側を覗くと中川夏紀先輩が朝練を先にやっていて、ペットボトルの水をグイッと一気飲みしていた。久美子は立ち尽くす。
「みんな吹きたいんだ!!コンクールに出たいんだ!!
そんな当たり前のことを、今さら私はやっと理解した。と同時に先輩たちとも競い合わなければいけないバトル・ロワイアルだと…怖いとも思った…………………………」
激しく心を動揺させる久美子は不意に高坂麗奈に会う。麗奈は久美子の動揺を感じ取ったのか?久美子の両頬を手で挟み…
「私も頑張る!!だから久美子も頑張って!!約束!!!」
と言葉少なくではあるが久美子をリラックスさせる。
放課後の部活は…いよいよオーディションタイムである。
「ではオーディションを始めます。コンクールには最大55名までしか参加することは出来ません。ですがここにいる全員コンクールに出るのに恥じない努力をしてきたと私は思っています…」と滝先生が挨拶をしてオーディションは始まる。
楽器のパート毎に一人一人、滝先生が個人面談的に演奏を聴いていく形式である。
待っている間の緊張で胸が張り裂けそうな葉月。サファイアは猛練習で指が切れて絆創膏を貼っているのを見せつけるほどの自信と余裕を感じさせる強気なメンタルを見せる。
そして低音パートの呼び出しがかかる。
ユーフォニアムは田中あすかからオーディションが始められ、次いで中川夏紀だが、あすかと違って夏紀はやけに長い?!時間がかかりすぎているような気がする。
そしてとうとう久美子の番である。
久美子は滝先生から「黄前さんは経験者だとお聞きしましたが?」と訊ねられ…
「小4からなので7年目です」と答える。
心の中で「しまった!自分でハードル上げすぎたか?」と思いつつ…
「では、始めましょうか」と言われ久美子のオーディションが始まる。
淡々とオーディションは進められ、譜面とリズムを読んでいる滝先生を見ながら久美子の演奏は続く。あまり練習していないところを吹くように要求され一瞬焦る久美子であったが…………麗奈とのあの頬っぺた抱擁を思い出し、気合い満点で演奏します。
数日後、オーディションの結果が発表されるため、吹奏楽部部員全員は音楽室に集合する。部員たちに再び緊張が走る。
オーディション合格者の名前を副顧問の松本美千恵先生が読み上げていく。
パーカッション、フルート、サックス、クラリネットと相次いで合格者の名前が呼ばれ無事合格して喜ぶ者もいれば名前を呼ばれずガックリ泣き出してしまう者もいる。上級生下級生の立場も関係ない実力至上主義の下克上もあり得るのである。
「続いてユーフォニアム。
田中あすか。黄前久美子。以上2名」
夏紀先輩が落ちてしまったことに驚く久美子。次いでチューバは後藤と長瀬のカポーは順当に合格するが、初心者の葉月は不合格になる。葉月は落ち込むよりも塚本がトロンボーンに受かって静かにガッツポーズをするのをそっと見守る。
「最後にトランペット。
中世古香織、吉川優子………高坂麗奈」
「なお、ソロパートは高坂麗奈に担当してもらう」
「!!!!!!!!!!!!!!!」
音楽室は緊迫した空気に包まれるが……麗奈は物怖じ一つせずに、
「はい!!」
と返事をするのであった。
場面は変わって……久美子の中学校時代、久美子は人気のない倉庫みたいなとこにパイセンに呼び出され・・・
「ねえ?自分が受かったからって人のことバカにしてんのかってきいてんの!
1年坊のくせにチョーシに乗んな!っ~の」と久美子を突き押すダメパイセン。大事なユーフォニアムが床に落っこちてしまう(;-;)
「あんたさえいなければコンクールで吹くことが出来たのに…」
久美子の過去のトラウマか?
久美子が吹奏楽部に積極的にのめり込めないトラウマと言うか?原因らしきものは最低なパイセンによる嫌がらせが一枚噛んでいたようである。
でも北宇治高校吹奏楽部の久美子の直接の先輩である夏紀はちょっと違っていた。
気を使ってくれている久美子を部活後誘ってシェイクを奢って、久美子の譜面を借りて『絶対!金賞.。o○来年は一緒に吹くぞ!!』なんて寄せ書きもしてくれる。おかげで久美子の心のトラウマは晴れて思わず泣き出してしまうのである。
この描写は映画では割愛されてしまいますが重要なのでおさらいにとしときます。
部内には不穏な空気が漂っていた。
滝先生のオトンポと高坂麗奈のオトンポは知り合い同士で高坂の父は有名なトランペット奏者で滝先生の父は強豪校の顧問をしてたことがあると言う有名な人らしい!?!?
最初から高坂麗奈をソロパートに据えるための出来レースだったんでね~?高坂麗奈をえこひいきしてんでね~的なことをヒソヒソ吹聴する女子までいたりする(あ~ヤダね女のヒソヒソ話は)
それを聞きつけた吉川優子はかねてから慕っていた中世古香織先輩にトランペットのソロを吹いてほしいと願っていたので…秘かに暗躍するDQNとなるのである。
部活を始める直前に吉川優子が口火を切る!!
「滝先生は以前から高坂麗奈さんと知り合いだったって本当ですか?皆が言っているんです。オーディションでひいきしたんではないかって噂しています」
滝先生はキッパリと否定するが…部活内では不信感がたまり過ぎて全員がバラバラになってしまう。
吉川優子と高坂麗奈は口喧嘩となってしまう。が…中世古香織が「や…止めて」と泣き出してしまう。「ケチつけるなら私より上手くなってからにしてください」と言い放ち麗奈はプイッと部室を出てってしまう。後を追う久美子。
久美子は麗奈を慰めようと駆け寄るが、麗奈の方は落ち込んでいるどころか、逆ギレして「ウザイウザイウザイ!!下手くその分際で何イキガッテんだよ!!」と地団駄踏んでいた。久美子はそんな麗奈を可愛く思ってしまう。
滝先生が北宇治に来るのを聞いて推薦蹴ってまで北宇治に入学したんだということ。滝先生のことを好きだ(likeでなくてlove)ということを告白される。
「ソロを譲る気は?」
「ない!ねじ伏せる!!そうでも出来ないと特別な存在にはなれない」
「さすが、麗奈だね」
でも久美子たちも予想も出来なかった。強くあろう特別であろうとすることがどれだけ大変であるかということを…………
今日は合奏でなくて、パート練習となってしまう。何せ集中切れてしまっているからである。せっかく団結しかけてきた北宇治高校吹奏楽部の絆がまたしてもズタズタになってしまう。
久美子は窓から香織先輩がソロパートを吹いているのを目撃する。背後からあすか先輩からイタズラをされる。
「田中先輩は麗奈と香織先輩のどっちが吹くべきかと思ってるんですか。ソロパートのところを…」とあすか先輩に直球で訊ねるが「正直…心底どうでもいいよ。誰がソロとかそんなんクダラナイこと………」
久美子に、あすか先輩の真意を図り知ることはとても出来そうにはなかった。
存在感が薄かった小笠原部長が部員全員を集めて緊急ミーティング的なことをしていた。そしてオーディションに不満がある人に挙手をさせる。真っ先に手を挙げる吉川裕子に続いてチラホラと挙手をする奴が出てくる。
そこにやって来た滝先生は再び提案を持ちかける。
「来週にホールを借りて練習しますが…オーディションの結果に不満のある方は再オーディションを行いたいと思います。もう一度やり直したい方は挙手してください。再オーディションをして皆さんの拍手によって決めたいと思います。
では再オーディションを希望する方は?」
既に受かっている人が挙手をするはずはない…………がその静寂を切り裂くかのように中世古香織が…
「ソロパートのオーディションをもう一度やらせてください!」
と堂々と挙手をする。
、
ソロパートを決するための再オーディションの日が近づいて来る。久美子も麗奈に声をかけずらそうである。昼飯を誘おうとすると吉川優子が麗奈の練習を聞き耳立てて聴いていた。
吉川優子も少なからずわかっていたのであろう「ズルいよ反則だよ…1年坊であんなに演奏出来るなんて!」と行ってしまう。
吉川優子は麗奈を秘かに呼び出し、麗奈にわざと負けてほしいと頼んでくる。
「お願い!私・・・どうしてもオーディションで香織先輩にソロを吹いてほしいの。だからお願い。私に嫌がらせやイジメを受けたって言ってくれればいいから…」
「そんなことしなくても香織先輩が私より上手く吹ければいいんです!」
「わかってるよそんなこと。香織先輩は今年が最後なの……
香織先輩は去年、部活やめちゃった一年を引き留めたり先輩と言い合いしたりして、コンクール辞退しようとまでしたの。
ソロの実力も香織先輩よりも下手ッピの上級生が吹くことになって…………」
「そんなこと私には関係のないことですよね?」
「そうだよ関係ないね(柴田恭兵)でもねあなたにはまた来年もあるし再来年もある。滝先生の指導で部はもっと良くなる。だからお願い!!」
吉川優子は立場を越えて深々と麗奈に頭を下げて頼み込む。
麗奈は「失礼します…」と一言だけ言って吉川優子から立ち去る。
ホールでの練習の日、再オーディションの日でもある。
小笠原部長は友達であり、同級生である香織を励ます。
久美子は麗奈を励ましに来ている。
「久美子。久美子はもし私が負けたら…どう思う?嫌?」
「嫌だ!!麗奈は特別になるんでしょ?麗奈は他の人とは違も違う!周りに流されたりしたらダメだよ。そんなの馬鹿げてるよ…」
「でも今私が勝ったら悪者になる」
「いいよ!その時はワタシも悪者になる!!香織先輩より絶対!麗奈がいいって言ってやるソロは麗奈が吹くべきだって言ってやる!」
「ホントに?」
「多分??」
麗奈は「久美子はやっぱし性格が悪い」と微笑んでくる。久美子の顔に急接近すると…………
「そばにいてくれる?裏切らない?」
「もしも裏切ったら殺していい…」
「麗奈なら殺りかねない…それはわかってる。だってこれは愛の告白だから(爆)」
麗奈は自信を取り戻したかのようなドヤ顔になって
「大丈夫!ハナッから負ける気なんてこれっぽっちもないから!!!」と颯爽と長い髪をなびかせてステージへ向かう。
「では、これより再オーディションを行います。まずは中世古さんから…」
中世古香織はこれまで練習してきたすべての丈をありったけを披露する。
小笠原部長や吉川優子は拍手を送る。
その後を2番手を高坂麗奈が吹く。それまで目をつぶって耳を傾けていた他の部員たちも田中あすかも高坂麗奈の伸びやかで美しくボリュームのある素敵な演奏にハッとする。明らかに次元が違う!レベルが違いすぎるのである。例えるならイチローの打撃と素人の打撃くらいに差が開き過ぎているのである。
聴き終わって拍手を真っ先に送るのは久美子で…つられるように葉月も拍手を送る。
滝先生は中世古香織に…
「中世古さん。あなたがソロを吹きますか?」と訊ねる。
「吹けません!私ではなくソロパートは高坂さんがやるべきだと思います」
中世古香織は完全敗北を認める。吉川優子は先輩の昔を思い出し号泣する。
「高坂さん。あなたがソロを吹く!中世古さんでなくてあなたがソロを吹く!いいですか?」
「はい!!」
こうして雌雄を決した北宇治高校吹奏楽部はコンクールに向けて、夏休みにも突入して練習時間も長くハードになるが部員たちの熱気はさらに高くなりつつあった。
滝先生からあすかと久美子のユーフォニアム担当の2人に追加で新たに、サファイアのコントラバスとユニゾンで演奏するよう指示を出してくる。
それはあすかは難なく演奏して見せてくれるが、久美子にとってはレベル的にキツくて難しいパートであった。
久美子は猛暑の中、外で個人練を行う。熱中するあまりに鼻血を出しても気がつかないで練習し続ける有り様であった。
麗奈のオーディションでのあの素晴らしい音色を聴いて自分ももっともっと上手くなりたい!特別になりたい!と思うまでに吹奏楽にユーフォニアムにのめり込んで来てしまっていたのである。
「前よりも大分良くはなってきましたが…まだ求められるものとしては足りません」と滝先生の厳しい指摘がされる。が部員たちもヤル気満々なので誰ももはや反目したりヘタレたりするやつはいない。
久美子もまたまだこの追加演奏の部分が出来ずにもどかしく四苦八苦していた。麗奈が合わせて練習に付き合ってあげたりする。
「その指使い、息の強さとタイミング、求めるべき音は頭の中で把握しているのに…実際にその音が出ないもどかしさ、次々と確実に狙った力加減で狙った息の強さで狙った音をリズムに合わせて出していくことがいかに難しいかを私は思い知らされていた…」
「コンクールまであと10日です。各自課題にしっかり取り組んで練習に臨んでください」と小笠原部長が言って、各自パート練習になる。10日あれば何とかなるさ~と久美子は甘く考えていた。
再び合奏を滝先生の前で行うが…………滝先生にユーフォニアムの追加演奏を田中あすか一人でやってくださいと言われてしまう。久美子に反論の余地は無かった…………
でもショックであった(ノ_<。)
帰りに葉月とサファイアが励ましてはくれるが…久美子の心にはポッカリ穴が空いてしまっていた!!
久美子は泣きながら宇治川?か加茂川?の陸橋を号泣きながら全速力ダッシュする。
「上手くなりたい!上手くなりたい!!上手くなりたい!!!上手くなりたい!!!!上手くなりたい!!!!!!
上手くなりたい!!」と橋のたもとに泣き崩れる。橋の向こう側では同じく上手く出来ずに苦戦していた塚本が「俺だって上手くなりて~」と叫び返すが久美子には届かない。
「く、悔しくって死にそう!!!」
久美子は初めてあろう味わう挫折の苦汁にハッと気がつくのであった!!
中学三年の時のあのコンクール。麗奈の号泣の意味を…あの悔しい気持ちを自分も今まさに肌で感じ取っていた!!あの時の麗奈の気持ちを肌身に感じていたのだ!!
久美子は慌てて下校したため、学校に携帯電話を忘れてしまったため、学校に取りに戻る。幸いに滝先生が残って仕事をしていたため滝先生に付き合ってもらう。
「あの滝先生のお父さんって滝トオルさんですよね?」
「よく知ってますね♪十年前までこの学校の吹奏楽部の顧問だったんですよ。ですからこの学校に配属になった時は少し嬉しかったんですよ…」
「プレッシャーとか無かったんですか?お父さんと同じ仕事で…」
「さあどうでしょう?小さい頃はそんなこと考えもしなかったんですが、好きなことってそういうものかも知れませんね」
「ですよね。好きってそれでいいんですよね。ありがとうございます」
悩んでいた久美子だが、開眼する!!!
滝先生は帰り際に、
「吹けなかったところ吹けるようにしておいてください。次の関西大会で。
あなたの吹けるようになりますと言ったこと…私は忘れていませんよ」とさりげないフォローをしてくれる。
久美子は麗奈からの幾度もある着信に慌てて麗奈に電話をする。麗奈は心配そうに駆けつけて来てくれる。
「私ね今まで滝先生に会ってたんですよ~ん。でね…………滝先生がワタシにね…」
麗奈は滝先生と2人っきりって?それ何??みたく気が気じゃない感じだが久美子はガチャでお気にキャラのユーフォ君を一発ゲットしてそれどころじゃない。
「努力したものに神様が微笑むなんて嘘だ!!
だけど運命の神様がこちらに向かってウインクすることもある…………」
「ワタシ………ユーフォが好き!!」
2度に渡って投稿することになりましたが、最終話のコンクールがまだ残してありますので、もう少しワテクシのわがまま気ままに付き合ってください。
物語的には中盤のあがた祭りから一気にテンポよく最終回まで突っ走るような感じですが、その間の久美子の成長や麗奈の心の移り変わり、アクシデントや主人公の挫折など映画での短い尺の間に詰め込むように展開されます。
久美子と麗奈以外のサブキャラたちもキラリ(☆∀☆)と光っています。中世古香織役はもはやベテラン声優さんの感がある茅原実里さんで存在感はピカイチですね。
クライマックスまでのストーリーを大分とはしょりながら駆け足で紹介して行ったので解りづらいところは多々あるかもしれませんが…その辺はご容赦ください。
梅雨のシーズンもそろそろ終わるかとは思われますが、熱中症などにならないよう気をつけてお過ごしください(*^^*)