Amazing production and performance, opera "Lucia di Lammermoor"
娘はコーラスで参加しているだけなのだが、絶対見た方がいい!といわれたので玉川上水へ。
国立音楽大学コレペティトールコース修了演奏会で、本当にすごい演奏・プロダクションをみてしまった!
演奏がすごいことはもちろん、稀有な舞台空間と客席の位置の設定によるすごい演出で、体験したことのない統合 (operatic) 演劇空間が立ち上がっていた!(これはどんな他の既存ホールや劇場でも体験できないものだったと思う)
演出の原純先生と指揮・コレペティトール指導の河原忠之先生の天才的なインスピレーションと隅々まで想いのこめられたディレクションに本当にすごい体験をさせていただいた!(河原先生によれば、あの会場をこのかたちで使用するのは国音史上、初めてとのこと!!)
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会場に着いてみるといつものオペラスタジオがまるで違う風景になっている。いつもの客席の側にステージが斜めにささる形で、客席も三角形に通常の客席側と、ステージ上にも三角形にしつらえられている。
斜めに流れ落ちた絨毯の端に、ルチアの花嫁衣裳が置かれてろうそく型照明にあやしく照らしだされている!すごく味わいのある本物の舞台装置の数々の怪しい輝きとたたずまいに、もうすでに不思議な意識に引き込まれている。
ステージが前面に平板に展開されるのを安全な位置から見下ろす、見上げることに我々は慣れているわけだが、今回、客席は前述のように2分割されて三角形に配置されていて、スタジオを斜め対角線に横切る舞台を私たち裏表から見ることなっていた。
私たちは舞台上の最前列から拝見したが、エンリーコの第一声は、背中の側から召使と部屋の奥から覗き見るように、ルチアの苦悩のアリアは目の前数メートルで、というように物語の舞台上の登場人物の一人になったような位置でこの物語を見届けていった。オペラ的体験って本来これじゃないか?オペラってやっぱり演劇だったんだ!とか色んなことを目からうろこの感覚で感じていました。
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ソリストはとんでもないレベルで皆さんすばらしくて、全員とご挨拶したかったが、エンリーコの阿部泰洋さんも本当にすばらしい声!!学部が国音で現在、東京藝大の大学院生で何とメゾソプラノの中島郁子さんにつかれているという!またご挨拶できなかったが、倍田大生さんの低声のすばらしいお声と表現も本当にすごかった!!倍田さんにハッピーバースデーをみんなで歌う豪華なサプライズもありました!
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舞台というのは一人でも、自分は端っこだから誰もみていないやと思って手を抜くと聴衆の目は必ずそこにいき、舞台がこわれると私もボストンで先生にいわれたことがあったが、とにかく今回感心したのはコーラスメンバーの一人ひとりの熱量!
特に今回のような変則的な舞台では、部屋の奥の舞台の暗がりで見えていないかのような場所でもコーラスの皆さん一人一人が細部で稠密に演じ続けていた。舞台の空間は役者が全員の意識で立ち上げている奇跡!であることを別の深い意味でも体験できた。
実際、コーラスの方々の多くは実際には主演の方々のカバーキャストの方が多く、声、熱量が主演の方々を同列の存在感で舞台を支えていると感じるときも多かった。
そんな理解ができたのも、河原忠之先生が、終焉時にコーラスも含む全員を個別に丁寧に紹介して感想をしゃべるチャンスを作られていたから。出演者お一人お一人の言葉と思いをシェアいただくことで、演奏で受け止めた側の感動の細部や理解が確信になり、より深い体験となりました。
本当に河原忠之先生、原純先生、阿部泰洋さん、皆様、すばらしい演奏と時間をありがとうございました!!