この映画の主演は三吉彩花。

 

私が好きな成長期限定ユニット「さくら学院」の元メンバーで2011年度卒業生。

 

基本的にここの卒業生は皆応援してますし、三吉さんの出演作品も、

 

ドラマ、映画大体見ています。

 

だからこの映画、最初に発表された時は嬉しかったし、期待したのですよね。

 

 

ところが公開前から色々な宣伝が行われまして、

 

それが「海外の映画祭で大評判!!」とか、「三吉彩花、劇中ダンスの為に2か月大特訓!」

 

とか、そういうものばかり・・・

 

しかも海外映画祭といっても、作品の内容について鋭いジャッジをするような所とは

 

違うんですね。

 

これは・・・駄目な映画が良く宣伝で使うパターンじゃないかと。

 

 

それでも観てきました。地元の田舎のシネコンで。

 

うーん・・・これこの監督として失敗作だし、監督として凄く後悔してる作品じゃないかな。

 

勿論大人なので、公の場ではそんなことは言わないでしょうけれど。

 

映画の宣伝で盛んに使われてる派手なミュージカルシーンは前半だけなんですね。

 

後半はあまり出来の良くないロードムービー・・・

 

 

確かに前半で出てくるミュージカルシーン、三吉は頑張ってます。

 

でも映画を観ていて、「あー頑張ってるなあ」と観客に思わせるようなら駄目な証拠。

 

 

この映画の一番駄目なところは、作品世界に全然引き込まれないところ。

 

三吉彩花の演技って、「言われたことは全部やりましたけど、何か?」という感じで。

 

なんというか、スチル写真の連続を見せられてる感じというか、

 

女優として作品の空気の中を生きている感じがしない。

 

 

この主人公、見たことない位魅力的だなあとか、

 

この子、馬っ鹿じゃないの!?(笑)とか、

 

そういう女優としての演技のふくらみを全く感じさせないのがもう全く駄目ですね。

 

 

会社の会議でのミュージカルシーンでも、

 

主役として最大限スポットを浴びて頑張っているんだけど、

 

周りの俳優さんのちょっとした身のこなしの方にダンスのセンスを感じて、

 

主演女優が素晴らしいなあという感じではないんですね。

 

 

もうひとつ女優としては、この人の低い声自体は良い素材だと思うけれど、

 

役者としての声の訓練がまだ全然出来てないのがバレバレで、

 

もう映画冒頭のOL同士の会話の場面から、明らかに女優として格下レベル。

 

 

怪しげな催眠術師の元に、訳あって子供と行き、自分の方が掛かってしまうのですが、

 

その場面でも、子役の演技の方が良いなあと思ってしまいます。

 

 

後、歌のシーンでは、三吉の歌は全部スタジオでの別録りで、

 

更に強く補正、修正されているのが、地方の映画館のスピーカーでも良く分かりました。

 

そんなところも興ざめした部分ですね。

 

 

後半はロードムービーと化すのですが、

 

ここの三吉の演技って、はっきり言って今までの民放やNHKのドラマでの演技から

 

進歩が見られず、非常に失望しました。

 

ただ、デジタル式に、ハイこのシーンは怒ってます、笑ってますというだけで、

 

観ていて引き込まれるものがまるで無い。

 

これだけ見た目が綺麗で美人なのに、女優としての華がない。

 

ロードムービーのシーンは共演者の女優が頑張っていたので、

 

なんとか物語が進んだという感じでした。

 

 

それとこれは言いたいのですが、新潟で地元の大勢のヤンキーに絡まれるシーン、

 

あそここそ一番映画の設定が生き、一番の見せ場になる筈のシーンで、

 

三吉と相棒の女性がちょろっとダンスの導入部だけ終わっておしまいというのは、

 

一体全体どういうことなんだ!!と叫びだしたくなりました。

 

あの場面がしっかりしていれば、映画全体の印象が大きく変わった筈です。

 

 

実は映画を観終わって数日経っても、この映画に対するというか、

 

三吉彩花に対する怒りが収まらないのです。

 

主演が彼女で無ければ、この映画はもっと面白かった筈、楽しかった筈という思いです。

 

 

AMUSEの各々のミュージシャン、アーティストというのは、

 

会社に所属はしていても、独立性が高いという印象で、

 

三吉彩花のマネージャー陣、「チーム三吉」みたいな人達が居ると思うのですが、

 

この人達というのが、三吉を買いかぶり過ぎているという印象を受けます。

 

彼女がデビュー映画で、特に優れた演技をしたわけではないのに

 

賞を取ってしまったからでしょうか?

 

民放やNHKでも彼女の演技レベルからすると美味し過ぎる役を取ってきては、

 

いつも失望させてくれます。

 

 

モデルとしてかなり人気で、常にどっちつかずのスケジュールで働いているということも

 

あるのでしょうが、いつまでも結果を出さないでいては、

 

もう女優として終わってしまう、

 

そんな気がします。

 

 

あの新潟のシーン、ひょっとしたら彼女のダンスレッスンの時間が足りず、

 

さりとて撮影スケジュールを伸ばそうにも、

 

もう別のモデルの仕事が入っていて不可能だったのではないか?

 

そんな想像をします。

 

あれだけ優れた仕事を残してきた監督が、

 

あれ程中途半端なシーンを撮っておいてOKを出すとは到底思えませんから。

 

 

もし三吉がきちんと女優としての仕事をしたいのなら、

 

小さな舞台で小さな劇団で、厳しい観客のいる場所で一からやって欲しい、

 

そう思います。